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第十一話『魔弾砲』

「え、まさか!あれは!!」

と僕は、おっとりお姉さんのハルカさんが構えている武器を見て言った。


「あれは・・・大砲じゃないか・・・」

と僕はつぶやいた。


「みんな距離は取ったわね!行くわよ!!」

と彼女は構えた。


-


「ユカ、あれは、なに?」

と僕は、そばにいる美少女剣士のユカに聞いた。

僕が見る限り、おっとりお姉さんのハルカが持つのは大砲なのだけど、この世界に大砲があるのだろうか。火薬を詰めて玉を物理的に飛ばす装置が・・・


「あれは魔弾砲よ」

と、ユカが説明してくれる。

マダンホウ??と僕はその言葉の漢字変換に戸惑っていた。

マダン、マダンと頭の中で検索を書ける。


「魔弾?魔法の弾を打つの??」

と僕が頭をフル回転させて、マダンホウの意味を予測して聞いた。基本的に異世界と言えば、剣と魔法のファンタジーの世界だからだ。


「そう、魔法が込められた弾、魔法弾をセットして、敵に向かって打つのよ!」

とユカが説明してくれる。

彼女がジェスチャーで大砲に魔法弾をセットする方法を教えてくれた。彼女の説明はギューンとかバーンとかだが、意外に分かりやすい時もある。


「そ!それはかっこいい!」

と僕は喜んでしまった。ファンタジーとメカが混ざったような、男の子が嫌いなわけはないマシンだった。

それをあんなに可愛いお姉さんが使うという、萌えないわけないシチュエーションだ。


「ハルカはもともと魔法使いなんだけど、最近は魔弾砲に切り替えてるのよ。大型モンスターと戦う場合、詠唱の時間を削減できて、狙うだけで魔法の効果が出せる魔弾砲が流行っているからね!」

と、ユカが説明してくれた。

いろいろ試した結果、この戦い方になっているらしい。

それはすごくおもしろいことだった。


「この世界の戦い方にも流行があるのか・・・」

と僕はほんとにおもしろいなと思った。


ドラゴンと戦ってみてわかったけれども、敵もかなり速いスピードで攻撃してくるので、相手の攻撃が止んだ瞬間に攻撃をあてなければいけない。だから、近接戦闘よりの武器やアイテムが流行っているのだろう。


「それで、あの魔弾砲にはどんな魔法が込められているの??」

と僕が聞く。

そう、魔法力を使って弾を放つというのはわかった。

今回気になるのはどんな魔法が込められているのかということだった。


「それは見てればわかるわ!」

と美少女剣士ユカが、魔弾砲使いのハルカを見つめる。

その視線を追って僕もハルカを見る。

まさにハルカは引き金を引こうとしていた。


「行くわ!」

と、カチッとスイッチを入れて、彼女の持つ大砲に光が集まり、魔法が飛び出した!凄まじい光と音と共に、魔弾砲から発射された。そっと、視線をそらしてしまう程のエネルギー。


「こ、これは・・・!!」

僕は呟いた。


そう、あたりが焼け野原になるほどの炎が放たれたのだった。



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