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少女の夢

お題企画第十三弾でございます




 「計画を立てなさい」


 私はそうやって育てられた。 基本的に計画を立てて臨機応変に計画をまた作ったりしていた。 それが普通だと思ってた。 みんなそれをやっているのだと思っていた。


 「え? そんな事やってないよ? あたしいっつも行き当たりばったり~」


 「分かる~。 計画とか立ててもどうせ無駄だしね」


 「面倒だよねぇ~」


 私の周りの子達はみんなやっていなかった。 計画を立てる私が悪いの? ねぇ、母さん、私をなんで普通の子と一緒に育ててはくれなかったの? 計画を立てるようにしてる私がおかしいの?


 「計画を立てられるのは一つの能力だよ」


 知らない男の人の声で私は振り向いた。 すると真っ暗だったただの空間に溶け込むようにして立っている一人の男の人がいた。 その人は優しそうに笑っていた。 よく見てみると黒いチャイナ服のようなものを着ていて髪はサラサラと後ろで結んでいるのか、ひと束流れている。


 「それでも、私は他人と違うから……」


 「大丈夫。 君のその計画を立てられるのは凄い事だよ。 今は辛くても将来きっと役に立つ」


 「本当に?」


 私の妄想なのか、その人はただ優しく私の欲しい言葉をくれる。 私が問いかけるとその人は頷いてくれた。


 「なら、このままでもいいの?」


 「いいよ。 君はそのままで」


 「私はおかしくないの?」


 「おかしくないよ。 君は少し優れすぎてるだけだよ」


 それは誇れる所なんだとその人は優しく囁いてくれた。 私はそっかと言って笑うとその人は頷いて消えていった。








 ――ペコン


 真っ暗な世界で白いパネルが目の前に現れる。 白いパネルの光によってその人物が映し出される。 黒いチャイナ服に黒髪の青年、月華(ユェファ)はただパネルの文字を見て考えていた。 パネルに書いてる文字は【ルール、傷つけない。 クリア条件、笑わせる】だった。


 『個人の為の(ケージ)なのか? とりあえず、個人だとして傷つけないは肉体的にか精神的にかにもよるし。 笑わせるはまぁ、普通に考えて喜ばせろ的なものだろうな。 全てはこの《ドリーミー・ケージ》が動いてからだろうな』


 真っ暗闇の世界を歩く気にもなれずに月華はため息をついて辺りを見回す。 向こうの方に一人の少女が呆然としているのが見えた。 そして色んな所からスピーカーが置かれているのか色んな所から響くように計画立てるの立てないのというなんか月華からすればどうでもいい葛藤が聞こえてくる。


 「計画を立てられるのは一つの能力だよ」


 地面があるのを足先で確認しながら言うと呆然としていた少女は振り返り月華を見た。


 「それでも私は他人とは違うから……」


 少女は涙を溜めて呟く。 月華は心の中でイラッとしながら笑いを絶やさずに言葉を続ける。


 「大丈夫。 君のその計画を立てられるのは凄い事だよ。 今は辛くても将来きっと役に立つ」


 月華は息をするように自然に嘘を吐くが少女はそれを信じきっていて、涙を流しながら本当? と問いかける。 月華は頷くと確認するように言葉を紡ぐが月華は聞き流していた。


 「私はおかしくないの?」


 「おかしくないよ。 君は少し優れすぎてるだけだよ」


 月華がそう答えると少女はそっかと言って笑った。 その瞬間にクリアと書かれたパネルが出てきて月華はその《ドリーミー・ケージ》から消えた。


 「計画だのなんだのにこだわるとかくっだらねぇ」


 戻ってきて冷たい目で暗い表紙の本を拾い上げ本棚に戻しながら呟く。


 「計画立てるだけ無駄だろ。 その時その時でやれれば問題ねぇんだよ」






 冷めたような月華の声が響きながら徐々に消えていく。



 「前の勘が戻ってきたかな」


 月華は少しずつ思い出してくる囚人の時の記憶に笑いながらカウンターにメモを置いて図書館内を練り歩きだした。









 =少女の夢 完=


 お題:マスター・プラン(基本計画


 お題配布元:http://99.jpn.org/ag/

なんかもう色々わけわかめだし、全然思い浮かばなかったし結果、月華くんがゲスくなりました^p^

ここまで読んでいただき誠にありがとうございます

よろしかったら感想なんかを頂けれると嬉しく思います

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