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短編No.1【クリスマス】

作者: ごくね



「アイツ…絶対シバく…!!あー…マジ腹立つ。」



そう一人呟きながらゲームのコントローラーを手に取り、手馴れたてつきで起動スイッチを押した。

なんでこんなことを呟いてるのかと言うと、今日部活の後輩に彼女自慢をされたから、リア充ってすばらしいんだよ、なんて力説されたからね。

なんなのアイツ彼女いない暦=年齢の俺を馬鹿にしてるとしか思えないんだけど。


表示された見慣れたゲームタイトルから進み、気を紛らわすかのように黙々とストーリを進めた。


相変わらずぶっ飛んだ内容だわこのゲーム、物語の展開から攻撃名、世界観、どれをとってもまともに理解できるものなんてありゃしない。なんで神ゲーなんて言われてんの?

超期待されてるとか書いてあったから買ったのに、とんだ期待はずれだ。

面白く感じない俺の感性が他の人とはズレてるのか、そうなのか。納得がいかん



作業のように続けてふと時計に視線をやると短い針が3時を指している。


「……嘘だろ?…えー………」


クソゲーの分際で俺から何時間奪いやがったんだこのクソゲー。許さん、絶対に許さないぞこのクソゲー野朗が!


コントローラーを投げ飛ばす!!……そんなワケないだろ、ちゃんと丁寧に直したわ。あーブレイブルー欲しいなー。プラチナペロペロしたいなー。





寝転んでぼーっとしてると今日、いや正確にいうと昨日後輩に言われたことを思い出す。


『せんぱーい!俺!!彼女が!!出来!!てぇ!!ハァハァ!!めっちゃ!!可愛くて!!マジ!天使で!!もう俺!!どうしたらいいんだろう!』

『先輩の俺に対して敬語を使わないお前はそのまま死んでしまえ』

『今日彼女とデートなんだよなー』

『オイ』

『俺の天使は今日はどんな格好できてくれるんだろう』

『俺の話を聞けよ』

『先輩は彼女作らないんですか?すごい幸せだよ?どう?』

『…蛇翼崩天刃!!!』

とりあえず俺のスーパーミラクルな蹴りをお見舞いしといた。

















なんでアイツあんなに人の話聞かないんだろう。

アイツあんなに彼女にベタ惚れしてるけれど、ビッチなんだよな、アイツの彼女。あの様子じゃ遊ばれてることもしらないんだろうなー。かわいそうにー。いやー、むしろざまあみろ的な気持ちももちろんある。

クリスマスまで残り数ヶ月だけど、あいつはそれまでリア充なんだろうか

案外あっさりフラれるんじゃね

つーかうざいからフラれればいいのに、世界中の全カップルが性夜……聖夜に最悪な分かれ方をすればいいのに。




それから一週間後、やっぱり彼女にフラれら後輩は元の面影がなくなったぐらいに憔悴して、かける言葉がないくらいにヘコんでいた。若干キモち悪かった。彼女がいてもキモイし、いなくてもコレだ。まったく救いようがない。


「もう恋なんてしない…女なんて、女なんて、あー…もう死のうかな…」



ざwwwwwwwまwwwwwwwwwぁwwwwwwwww



それから数日後、アイツにはまた彼女が出来た。しね。


同じことの繰り返し。もちろんまたフラれたけど、そのたびに憔悴しきって痩せて雰囲気イケメンになっていくアイツ。なんというリア充へのエスカレーター








クリスマスまであと数日、俺に彼女?いるはずがないだろ、リア充全員マミれ









クリスマスまでのこり数日になりましたね。

クリスマスに誰かと会う予定?無いに決まってんだろ。

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