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No.006

日付:2048年2月15日(絶筆)

依頼人:工藤麗奈(連絡途絶)

内容:グラウンド・ゼロの終焉と、残された「鍵」


 これが最後の報告になるだろう。

 九条遼太郎は、もはや人間ではない。不老の肉体を得て半世紀、彼の精神はエーテルという異世界の意志に浸食されている。一方で、沢木恭太郎は「SENA」という組織を作り、星七を殺したエーテル文明そのものを焼き尽くそうとしている。


 麗奈は昨日、財団の施設に連行された。表向きは「持病の再発」だが、実際は栄太への最終的な同調実験の触媒デコイとしてだろう。

 私は、栄太に宛てた手紙とこの報告書を、麗奈が信頼していた地元の古い友人――沢木に近い筋の人物へ託す。


 栄太。君のDNAは、父・慎太の命と、姉・星七の犠牲、そして母・麗奈の15年の昏睡という「痛み」の蓄積から生まれた。財団は君を「ゲート」と呼ぶが、君は彼らの被害者の意志を束ねた「復讐の刃」にもなれる。

 青い光が部屋を満たしている。私の細胞が結晶化していくのが分かる。九条……お前の望む未来は、この残響によって、いずれ……。

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