帰る日
うらしまさん
帰ってしまうんですね……
あぁ、そうだな
なぜです?
あんなに、もう少し もう少しと、言いながら
何百年も竜宮城に、いてくれたのに……
そ、それは……
くすっ くすっ
こら、笑ったら失礼でしょ?
だ、だって前の配信おもしろくて……
ぶふっ、ちょっと笑わせないでよ……
ごほんっ
あなたたち、静かにしなさい
あっ、おとひめさま
失礼しました
ごめんなさいね?
なにか面白いことが…あったみたいで…
ぶふっ ごほっ、ごほっ、ごほん
……見て……おとひめさまも……
……思い出し笑い……してるわ……
……いいえ…
わしは…気にしてないので……
それにしても、本当に残念ですわ
寂しくなるわね
はい
ここが、わしにとっての家でしたからね
そうね
はぁ……もう配信で、稼げなくなるわね……
えっ? なにか言いました?
あっ、いえ、なにも
あなたとの時間を、少し思い出していて
おとひめさま……
ぐすん……
わ、わしとの思い出を……ぐすん……
そ、そんな、泣くほどだったかしら?
いつでも戻ってきて、いいのだからね?
はい……はい……
ありがとうございます
あっ、そうだわ
どうしました?
前、竜宮城の掃除をしていたら
玉手箱が出てきたのよ
玉手箱?
えぇ
なにが入っているのか、
わたしたちも知らないのだけどね
二個あったのよ
二個ですか……
大きい箱と、小さい箱
どちらか好きなのを開けていいわよ
えっ、本当ですか?
えぇ、もちろん
長い間稼いで……ごほん
長くいてくれたお礼にね
渡したいのよ
ぐすん……おとひめさま……
そ、そこまで、わしのこと……
いいのよ、気にしないで
大したもの、入ってないだろうし
えっ?
あっ、違うのよ
気を使わせないように言っただけで
宝物庫にあったから、
貴重な物なのは確かよ
そ、そうですか……
では遠慮なく……
えーと、この大きい方を……
えぇ、いいわ
さぁ、開けてちょうだい
はい…… ごくり
ぎぃ……
もくもく もくもく
きゃっ
すごい煙ね
大丈夫ですか?
おとひめさま?
えぇ、わたしは
うらしまさんは?
わしも無事で……うわっ、なんだ?
えっ?
うらしまさん? うらしまさーん!




