表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春一つ、やり直せたなら  作者: タナカ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/80

意地でも


「あ~~楽しかった~~!!」

班活動を終え、風呂に向かう途中で涼香たちの笑い声が響いてきた。


「涼香たちは何してたんだ?」


「水鉄砲!!」


「うわやってそー」


「でしょ!!」


「柊は?」



「森林伐採」



「え?なんて?」



「    森林伐採     」



「「にあわね~~~~」」


うるせえなギャルども。


「ふるやっちはなにしたの~?」


「僕はアクセサリー作りだね」


「え、かわいいんですけど」


いやそれな。かわいいなこいつ。


「てか、柊君。橘さんもアクセサリー作りにいたよ」


「え?マジ? めちゃかわじゃん」


「「きも」」


お前らも今古谷に可愛いとかいってただろうが!!



「でも寧々が涼香と別行動でアクセサリー作りか」


「いや、一人じゃなかったよ?」


「そっか、クラスに友達位いるか」



「え?あの柊君と仲良い……夏木君?といたよ」



――ドカッ。

突然の浮気報告に、俺は膝から崩れ落ちてしまった。


「え、え、どうしたの柊君」


「……あれだろ。たまたま班が一緒とか、そういう……感じの……」


「ち、近い。うーん、でもなんかそんな感じでもなかったよ」


「違う? 違くないよな涼香? な、涼香?」


「なんでスズにきくの」


呆れ顔の涼香をよそに、俺は思わず古谷に詰め寄る。


「二人で作ってたから、多分たまたまとかではないと思う」


「……あ~ふるやっち言っちゃった。柊には隠そうと思ってたのに」


おい、涼香知ってたのかよ。やってらんねえよ。


「てか、柊。付き合ってないのに、束縛とかきもいからやめた方がいいよ」


えげつないくらい尖った言葉で切りつけきたのは、涼香と水鉄砲をしていた篠田である。


「そ、束縛じゃねーし。ただの、確認っていうか……」


「”確認”ねぇ。

 あの夏木君?爽やかだし、同クラだし、好きになっちゃうんじゃない?」


「…大丈夫、それはない。と思う」


「「なんで?」」


「なんでもだ」


……あいつは俺を煽ってるだけだ。

ランを知らない者から見れば、まるで俺と女を取り合っているように見えるかもしれない。


でもあいつの初恋は、高校二年生だ。


しかも俺と好きなタイプが真逆。


それがちょっと同じ一緒に長をしただけで、運命を捻じ曲げてまで恋をする男ではない、はずだ。


……少なくとも、そう信じたい。


でも、あいつは俺の中学時代のすべてを知っている。


チャラくてどうしようもなかった過去を、なまなましく。


もし、寧々が一気にそれを知らされたら――俺は、ただのクソ野郎に成り下がる。


前回は、時間をかけて少しずつ免疫をつけてもらった。

でも今回は、そんな余裕はない。


だから。


「涼香、絶対に自由時間、寧々といてくれ」


「ちょ、ちょっと近いし怖いわ」

「でもできるだけ、がんばってみるよ」


決して束縛じゃない。


これは、危機管理だ。


ランと寧々を二人きりにさせるわけにはいかない。絶対に。


俺は静かに、けれど強く、心に誓った。


あいつと寧々を引き離す。


意地でも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ