カウンセリング開始
僕は、カウンセリングを受けることとなった。
心の中では、初音、あゆみ、早紀子、香織と憎いただ憎い。
カウンセリングの石垣先生は、優しい目で僕を見つめ、静かに話し始めた。
「後藤君、ここでは何でも話していいんだよ。君の気持ちを聞かせてくれないか?」
僕はしばらく沈黙した後、重い口を開いた。
「先生、どうして僕がこんな目に遭わなきゃいけないんですか?毎日が地獄みたいで…」
石垣先生はうなずきながら、僕の言葉に耳を傾けた。
「それは本当に辛いね、後藤君。でも、まずは君自身の気持ちを大事にすることが必要だよ。君が感じている怒りや憎しみ、それは自然な感情だから、それを否定しなくていいんだよ。」
僕は少しだけ心が軽くなった気がした。石垣先生の言葉は、僕の中の閉ざされた扉を少しずつ開けるように感じられた。
「でも、どうやってこの気持ちを乗り越えたらいいんですか?」
石垣先生は穏やかに微笑んで答えた。
「まずは、君が自分自身を大切に思うこと。それから、必要ならば他の人に助けを求めることも大事だよ。僕も君の力になりたい。」
その言葉に、僕はほんの少しだけ希望を感じた。カウンセリングを受けることで、少しずつでも前に進めるかもしれないと、心の中で思った。