僕はもう限界
今日も初音が笑いながら
「後藤ってしゃーモンスターじゃない?」
香織も続けて
「ブタだったりして」
早紀子も
「異世界へ転生でもしたら?」
あゆみは
「つーがしゃー!後藤って人間なの?」
と、笑いながら言うのである。
その時、僕の中で何かが破裂したのである。
爆竹が爆発すかのように。
「おらーーーーーー」
と、初音たちに向けて机を投げつけた。
そして、椅子も投げつけた、勢いよく。
投げつけた椅子が香織に当たって彼女は痛いと泣くのである。
音が教室中に響き渡り、他のクラスメートたちが一斉にこちらを見た。初音たちも驚き、何が起きたのか理解できない様子で後ずさった。
「何やってるんだ!」と、担任の先生が教室に飛び込んで来た。
僕は息を荒げながら、涙が止まらなかった。もう、どうしていいのか分からない。心の中で積もり積もった感情が一気に噴出したのだ。
奥田と鈴木がすぐに駆け寄ってきて、僕を落ち着かせようとした。奥田は背中をぽんぽんと叩きながら「大丈夫だ、落ち着け」と繰り返し、鈴木は先生に状況を説明しているようだ。
「後藤、やりすぎた」と先生が重い声で言った。
僕はただ、何かが破裂したままの心を抱え、言葉を失っていた。この出来事が今後どう影響するのか、どんな結果を招くのか、まだ分からなかった。ただ、もう元には戻れないことだけは分かっていた。
その後、僕は保健室に連れて行かれ、しばらく休むように言われた。奥田と鈴木も付き添ってくれた。初音たちはどうなったのか、香織がどうしているのか、知るすべもなかった。僕はただ、一人で深い溝に落ちたような気持ちで、静かに涙を流していた。