僕の席
ある日投稿してきたら、机の上に花瓶が置かれていた。誰の仕業かは、分かっている。
初音が
「後藤、生きていたんだ」
早紀子は
「死んだかと思った」
香織は
「じゃあ、あれって後藤の幽霊?」
あゆみ
「つーがしゃー、幽霊なのに足があるよ」
と、笑っている。
僕はそろそろ限界にきたのである。
もうこれ以上耐えることはできない。心の中で何度も繰り返す。「もう無理だ、もう無理だ」と。
その日の放課後、奥田と鈴木に相談することに決めた。彼らだけが僕の味方だと信じている。
「奥田、鈴木、ちょっと話があるんだ」と、僕は二人を呼び止めた。教室を出て、誰もいない図書室へ向かう。
「どうしたんだ、後藤?」と奥田が心配そうに尋ねる。
「もう限界だ。毎日毎日、初音たちにいじめられてる。今日だって花瓶を机の上に置かれて、あいつらがまた笑ってたんだ」と僕は声を震わせながら話した。
鈴木は僕の肩に手を置いて、「それはひどいな。何か対策を考えないと」と言った。
奥田も頷きながら、「そうだ、先生に相談するか、親に話すか。でも、まずは証拠を集めるのが大事だと思う」と提案してくれた。
僕は少しだけホッとした。二人が真剣に僕のことを考えてくれているのが伝わったからだ。
「ありがとう、二人とも。少しだけど、勇気が出たよ。証拠を集めて、ちゃんと対策を考える」と決心した。
その日から、僕はスマートフォンでいじめの証拠を集め始めることにした。初音たちの悪質な言葉や行動を記録し、それを先生や親に見せる準備をする。
しかし、心の奥ではまだ不安が残っていた。本当にこれで解決するのか、初音たちがもっとひどいことをするのではないかと。だけど、奥田と鈴木の支えがある限り、僕は立ち向かう勇気を持ち続けることができると信じた。