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静かな日常
稲瀬分校に通う高校生の後藤。クラスでは目立たない存在。唯一の友人は、奥田と鈴木くらいだ。
そんな僕こと後藤は、クラスの女子から罵詈雑言を浴びせられる。
初音から
「後藤なんかキモい」
香織も
「本当だキモい目が腐るクスクス」
早紀子も
「いっそ死んだら?」
あゆみ
「つーがしゃー存在が邪魔」
と、僕のところに来て笑いながらいつも言うのである。
僕は、気が弱いので言い返せないのである。
僕は、気が弱いので言い返せないのである。奥田と鈴木だけが、そんな僕を気にかけてくれる数少ない友人だ。二人はいつも励ましてくれるが、僕はただ黙って耐えるしかなかった。