表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/54

42 吸血鬼ハンター試験終了! (挿絵付き)

「なあ、あの着ぐるみ、居たっけ?」

「怪しいな」


二人組の男が熊の着ぐるみの頭をとる。


「よく私のことがわかったね!?」

「ノールだ。ヒントは?」

「桜の木の枝をよく見てみな」


ノールの言葉に周りの人が反応して、順応する。

「「「桜!」」」


ドドドド!

出入り口は人で溢れかえっていた。その群がりようはとんでもないほど言い難く、涼子達は一旦諦める。


「ウォレスト」


涼子の横にいた女性が武楽器を出した。手は宙を掴む。

すると、なんと、バニーちゃんの格好をした女性が姿を現した。


「カレーの寸胴鍋の底ですよー」

「ありがとう」


彼女らの話を聞き流した涼子は秘策に出る。


「すみません、シャインマスカットありますか?」


果物コーナーでヒゲの生えているおじさんに声をかける。


「あるよ。はい、ラスト一房」

「良かったー、ありがとう」


涼子は外に出る機会を伺う。

機会は意外と早くやってきた。それは桜の上の腕輪が誰かに取られたからだ。

甲板に出てきて、シャインマスカットを掲げる。


「シャーインマスカット! シャーインマスカット! 早く来ないと行っちゃうよー」

「涼子! マスカットほしいのじゃ」


リフレーンがヨウムの姿で涼子の目の前まで来て人に変わり、話した。


「来たな! ヒントは?」

「時計の上じゃ」


そういうリフレーンにシャインマスカットを渡す。

リフレーンはまたヨウムの姿に変身して、シャインマスカットをくわえて、キャビントップに行った。

涼子はパーティー会場に大きな時計があることに気がついた。


「あの上か、どうしよう」


金色の針の時計が進む。


「涼子! どうしたのかしら?」


眞子に声をかけられた。困っているように見えたのだろう。


「おばさん! 実はあの時計の上に腕輪が……」

「ウォレスト、遷移」


眞子のセルパンの鞭でぎりぎり届いたようだ。腕輪がキラキラと光っている。


「はい、涼子」

「いいんですか?」

「いいわ。施しよ」

「ありがとうございます」


涼子が受け取った腕輪はつけると銀色の腕輪と合成した。それと同時にカードをいれるようなくぼみができた。どうやらこの中に先程出てきた銀色のカードをいれるようだ。早速、カードをいれると、銀色から金色に変わってカードが出てきた。


『かくれんぼ、終了のお知らせです。もうすぐ着きますので準備のほどを宜しくお願いします。なお、腕輪は回収いたします』


放送が流れる。


「皆と連絡先交換してくる!」

「ええ、行ってらっしゃい」


眞子に見送られて、涼子は様々な人と連絡先を交換した。

少したち、船が振動して止まった。

ミャウカ達は先に降りていく。

「腕輪を回収します」


涼子は最後の最後で腕輪を渡し、船から順々に降りると、ローカが待っていた。


「あんたのお陰で助かったよ。ありがとう」

「んね! 俺使えるだろう」

「調子乗るなよ」

「海来れたね?」

「そうだな」


もうすぐ夕暮れ時だ。


挿絵(By みてみん)


「帰ろうか」


しばらく海を見てから涼子が言うと、ローカはいつものように反応する。


「呼んだ?」

「呼んでねえよ」

「こうも暴れまわったから、血がほしいな」

「あーどこかに寄るか、カラオケでも」

「いいよここでも」

「人目につくのは嫌だよ」

「結構歩くよ?」


ローカの問いかけに涼子は無言だ。黙ってついてこいと言いたげだった。


「夜になると、どこ歩いてるのかわからなくなるよ」

「だったらどうすりゃいいんだ?」

「血をくれ、そうしたら翔んでいける」

「わかった。その代わりあの林の中でな」


ちょうどよく、伐採されていない、林があった。


「うん」

「うんじゃねえよ」

「はい」

「足切るか」


涼子はコンパクトナイフを引っ張り出した。


「パース。ちゃんと救急道具持ってるんだ」


ローカは40センチ四方の軽そうな救急道具を出した。

涼子は頷くと、左靴と靴下を脱いだ。そして、左足の甲を切り裂いた。


「痛た」

「まいどまいど、すまんな」

「いいから早く舐めろよ」

「いただきます」

「つっ」


涼子はくすぐったくて声に出そうなのをこらえる。

流れている血が吸われている。

3分程たっただろうか。ローカが左足の甲に消毒液をかけてガーゼをあてて、包帯で巻いていく。一連の動作に誠意が込められていた。


「ご馳走様でした」


ローカは手を合わせる。


「吸い終わったらとっととこの場から離れようぜ」


涼子は気まずそうに靴下を履いて、靴を履く。


「せっかちだな、まあいいや。行こう」


ローカは涼子の脇に手を入れて、飛び立つ。


すいすいと翔んでいき、およそ5分で、灯台のあるところまで来た。


「ここからは歩いていこう。ババアに知られたら怒られる」

「言えばいいのにな」

「俺の行動の制限かけられるわ。無理」


ローカと涼子は歩き出す。


「そう言えば、ライセンスカード金になったよ。〜〜〜〜」


涼子は船での一件を詳細に説明した。


「へえ、お前も金か。修行するんか?」

「そりゃあ、先生次第だがな。今のとこ、するぜ?」

「ほう。長くて1年、早くて3ヶ月だな。修行達成は」

「そうなんだな。ふうん。何を修行するんだ?」

「まあ、武楽器の精度や体術になるな」

「そうか? 体術は合気道習っていたからある程度は大丈夫だが、問題は武楽器だな」

「ほお。お前なら強いし大丈夫だろ」


ローカは言い終えると、公園に入っていった。


「適当だな……ウォレット・ストリングス」


涼子も公園に入り、木の前でピアノの武楽器を出した。


「そのほうがいいだろ、ウォレスト」


ローカはビオラの武楽器を出現させた。


「せーの!」


シチリアーノが数刻の狂いもなく弾かれていく。

涼子の練習の成果ははっきり出ていた。

神秘的な曲が終わる。


「あたしから行くな」

「うん」

「うんじゃねえよ」

「はい」


ローカと談笑しながら、涼子は緑の膜から出ていった。

来れた場所は日本の公園の土管の中だ。涼子は頭を低くしながら出ていった。


「やっと終わったー!」

「まだこれからだよ」

「うるさいな。今日はもう帰るからな!」

「俺も同じ方向だけどな!」


ローカと涼子はおどけあいながら帰路についた。


挿絵はskimaで梨と時雨様です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ