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30 ローカへの経路!

放課後、涼子はケシーとローカのアパートへ行ってみた。


「ケシー。何か匂い嗅ぎとれない?」

「特に何も……。ローカさん、部屋には帰ってない様ですね」

「うーん」

「帰ってくるまで待ちましょうか?」

「何処行ったんだろう」

「ハムスターになった時に鳥類に襲われたということはありえませんか?」

「ありえるな」

「それじゃあ、テイアには行かなくとも、最後に別れたあの公園に行ってみますか?」

「そうだな」


涼子は覚悟を決めて歩き出した。

公園につく2人。

ケシーは静かに頭を降る。


「何も得るものは無しか」

「カラスにでも食べられちゃったんですかね?」

「不吉なこと言うなよ。暑いから、とりあえず帰って、ローカからの連絡を待つか?」

「ボクはしばらくローカさんの行くところをあたってみます」

「ケシー、干からびちゃうぞ。こんなに暑いのに無理したら」

「それでも、泊めていただいた恩義があるので、探します」

「あーもう、分かった。あたしももう少し探すのを手伝うよ」

「ありがとうございます」


ケシーは涼子に頭を下げた。

しかしながら、ローカの足取りは途絶えたままだった。




涼子達は夏休みに入ると、いつも以上に気合を入れて、ローカを探す。ローカ探しに勇も加わっている。しかしこれだけ探してもいないということは、リコヨーテに帰っているのではないかという思惑が脳内を侵食している。


「行く前に太陽さんに電話してみるぜ? テイアにいるかもしれないからな」


ケータイが涼子の顔を明るくするが、対して涼子の顔色は暗いままだ。


『もしもし、あたし、涼子! 太陽さん今話せる?』

『どうかしたのか?』

『それが、ローカが3日前から行方不明なんだ。何か知らないか?』

『ローカさんなら昨日まで私と一緒だったよ。日本に帰りたくないって言って、クライスタルで宿に泊まっているようだけど?』

『良かった、生きてて……。太陽さん、ありがとう、鴨の月影の時も言うの忘れてたんすけど、ありがとうございました』

『いえいえ。ローカさんはどうする? 私が涼子さんのこと話したら逃げてしまうかもしれないけど、話しておこうか?』

『待ってくれ。ちょっとケシーと相談するので、また電話かける』

『わかったよ、じゃあまた』


太陽は電話を切った。


「ケシー、どうしよう、ローカ、日本に帰りたくないって」

「多分、涼子さんに会わす顔がないのでしょうか?」

「それって、どういう事?」

「例えばですけど、ルシュヘル様がBGだったとかですかね?」

「ああ! それだ!」

「いやボクは知りませんよ。考えの参考として言っただけで」

「テイアに行って確かめよう。勇を連れていたほうがいいかな」

「ボク的には嫌なんですけど」

「カエルにならなかったらバレないって。他に周りに武楽器所持者(プレイヤー)いないだろ? それとも赤石呼ぶか? 食われたらどうするんだ?」

「わかりました。もしもカエルとバレたら困るので、バレないようにサポートしてくださいね」

「太陽さんにもヘルプを頼もう」


涼子は勇を呼んで、ケシーと3人でテイアに向かうことにした。

太陽はテイアで落ち合うことになった。

3人は彗星証とアーガイルチェックの物をつける。ケシーのアーガイルチェックのものは腕輪だった。


「勇。暑い中、ローカ探しありがと。奴を発見したから取りこぼさないように、捕まえてほしい。勇を見たら、多分逃げると思うから誘導してあたしが仕留める」


公園についた時、涼子は喋りだした。


「ハンターみたいね。わかったよ。それで、この子は?」

「ケシーと言います。ローカさんと涼子さんに御恩があるのでついていきます。ソプラノサックスを武楽器にしてます」

「ご丁寧にどうも、私は森忠勇、コントラファゴットを吹くよ」

「もういいか? あたしがジムノペディ弾くぞ。……ウォレット・ストリングス」


涼子は人目を避けながら、グランドピアノを出した。

土管に勇とケシーが入る。

ピアノは音を紡ぎ出した。

涼子、渾身の一曲だった。

涼子は弾き終えると土管の中に入った。そうして青い渦巻きに飛び込んでいった。


「わあああ」


ドン!

涼子は尻もちをついた。


「大丈夫ですか?」

「いたた。大丈夫」


涼子はケシーの手を借りて立ち上がる。


「貴方が太陽さん?」

「そうだよ、私は特別な望遠鏡を持ってて、地上の様子を見ている。君のことは知っているよ。勇ちゃん。それでね、涼子ちゃん、作戦なんだけど、クライスタルで二手に別れよう」

「太陽さん、何処に宿屋があるんだ?」

「ケシー君なら分かるだろう。私と勇ちゃん、ケシー君と涼子ちゃんで別れてゲットしよう」

「そうだな、そうするか」

「虫除けスプレーだよ」

「ありがと」


全員に虫除けスプレーが行き渡った後、広い芝生のもとに空からなにか降ってきた。

コケコッコー!

唐突に躍り出たのは、鶏の月影だった。茶色くてとさかが生えている。2メートルほどの巨体だ。


「「ウォレスト、遷移」」


ケシーと勇が武楽器を出現させる。


「行くよ、ケシー」

「はい、勇さん」


ギャオオオ


鶏らしくない声に全員がたじろぐ。


「この声って?」

「まずいな! 恐竜の声真似だ。仲間が集まってくる、撤退しよう」

「「わかりました」」


2人は各々の武楽器を鶏の月影に投げつけた。ケシーの槍は鶏の月影の左足に刺さった。

太陽を先頭に逃げ出した。

森の中に入ってしまえばそうそう追いかけては来ないだろうという見解のようだ。

それは当たっていて、獣道までは追ってこれなさそうだ。

なんとか、クライスタルの前まで逃げ切った。


「ふう、ここまでくれば安全だな」

「危なかったね」


「あの鶏の月影、なんで声真似できるんだ?」と涼子。


「月影は月のパワーで生まれるから、まだ明らかにされてないけど、恐らくそういう種族なんだよ」

「へえ、そうなんですね」


ケシーが太陽に納得した顔で見る。


「太陽さん、足腰大丈夫か?」

「私は大丈夫、鍛えてるもんでな。パース」


太陽は検問の人に兵士手帳を見せる。


「入りたい者は箱を出せ。華出番だ」


「「パース・ストリングス」」

「パース」


ケシーの箱は全体が青く、そして白い雪の結晶を象った模様の箱だった。


「ケシーの箱って前も見たけど綺麗だな」

「えへへ、ありがとうございます」


ケシーが言っている間に華が匂いをかぎ終えて、ワンと鳴いた。


「通ってよし。おーい、門を開けろ」

「はーい」


門が開いていく。

またしても太陽が先頭を歩いた。


「ここの道から別れよう」

「ケシー、道案内頼む」

「はい、任せてください」

「またね」


勇と太陽は横道にそれて速歩きで消えていく。


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