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13 新たな仲間!

「俺の弱点はここ、ハートだよ」

「早くあたしたちが来ていれば、何の嫌がらせを受けることもないね」

「無視か、よかろう」


ローカは悟りを開いたかのような表情をしている。


「ローカもよく我慢してるぜ、ほんと」


涼子達は教室に着くのが1番早かったようで、誰もいなかった。監視カメラの位置を再確認する。涼子が忌引でいない間からすでに、隠したカメラはローカによって教室に仕掛けてあった。


「んね。嫌がらせがあったとしても先公にチクろう」

「これからは早く来ようぜ。そういえば、オカルト部は退部したのか?」

「生徒にモテすぎて、涼子のいない時に先生に辞めさせられたよ、とほほ」

「可哀想なのか、そうじゃないのかわからないな? ケータイの番号も消されたのか?」

「うん、その通り。はははっ」


ローカは困り眉を作って笑う。


「また靴捨てられてたら、記憶見とくね」


その日は無視をされる以外は何も起きなかった。



放課後。

涼子とローカは図書室に出向いた。

ローカが清十郎になにか話すことがあるようで涼子を急かした。


「お、いた! あのさ、教えてほしいことがあるんだけど。ごめん、涼子は俺が良いって言うまで後ろ向いてて」

「おう」


涼子はローカの言う通りに後ろを向きつつ、鏡で後ろの様子をうかがった。

ローカは背を低くして、清十郎にキスをした。それは深い。


「んん!」


清十郎が嫌がっているように見えた。


「ローカ! やめな! 何してんだよ!」


涼子が清十郎からローカを引き剥がす。

チュッ! と2人は離れた。


「ローカ?」

「涼子、お前、後ろ向いてろってば」

「鏡で見てたんだよ。で、これは何だ?」

「……気付け薬さ」

「渋谷君、大丈夫か?」

「ローカさん、ありがとう」

「え? なんで?」

「吸血鬼に唇を奪われた処女と童貞は思うがままに操ることができる。俺が今書き換えたから君はディープキスされない限りはもう大丈夫。このまま下僕だった場合、テレパシーを通じて、吸血鬼と通信させられていたわけだよ」

「それなら、……あ、あ、あた、あたしにもしろよ!」


涼子はデジャヴのように命令する。


「んえ? やだよ」

「何故?」

「渋谷君この後空いてる? 3人で牛丼行かない?」

「空いてるといえば空いてるけど、……図書委員が終わるまで待っててくれるかな?」


清十郎は以前より柔らかな表情をしている。



「なんで無視するんだ。そういや、ローカって肉食べれたっけ」

「うん、卵は嫌いだけど肉は好きだよ。大好物はチョコレート」

「うんじゃねえよ。ていうか、その、チューするなら、前もって言えよ!」

「ローカさんの唇、……トランポリンをジャンプしているかのような柔らかさだった」という清十郎にローカは嬉しそうに笑う。


「はっはっは!」

「いきなりのBL展開!? 自信なくすわ」

「図書室では静かにしてください」


今日は司書教諭が何故か重鎮しているようだ。図書準備室とは反対側にある部屋で声を上げる。もしかすると、いない方のほうが珍しいのかもしれない。


「あのおばやん、昨日いた?」

「昨日は図書委員の人に任せて、さっさと帰っていきましたよ。あと、すみませんが、用がないんなら話しかけないでください。私が怒られるので」


清十郎は手元にある本に目を落とした。

ローカと涼子は、あと20分、18時10分になるまで待つことにした。ローカは本を読み、涼子は座って眠った。閉室時間はあっという間にやってきた。


「涼子、朝だぞ!」

「っは! なわけないだろ!」


涼子はすぐに覚醒した。


「今、騙され」

「れてねえよ。調子に乗るな!」

「2人とも。電気消すよー」

「「はい」」


3人は図書室から出た。

清十郎が鍵を閉める。


「牛丼♪」


ローカはスキップをして嬉しそうだ。

下駄箱で靴を履き替える。


「あ、カエルって好物なんだと思う?」

「ローカさん、カエル飼ってるの? 虫とか?」

「半月のカエルだろ? さすがに虫はあげるのはちょっとな。連れてこいよ、あたしが出すから」

「んえ? いいの?」

「あんたは自分で出せよ」

「んもう、わかった。そのカエル少年の名前はケシーっていうんだ。可愛いぞ?」

「あんた、ケシーに変なことしてないよな?」

「んえ? そーだなー、女も飽きてきたしなー」

「あんた、変なことしたらけちょんけちょんにしてやるからな」

「ローカさんと涼子さんはどっちが受けですか? 攻めですか?」

「あたしをあまりいじらないでくれ」

「そーだなー、どっちかというと俺のほうが上に……って、いったいな、んもう」


ローカの膝小僧に涼子の蹴りが飛んできた。


「うっさい、タヒね。おい、メガネも調子乗るなよ!」


涼子は大口を開けて中指を立てる。


「ローカさんのせいで涼子さんにも嫌われたじゃないか」

「お前は彼女とかいないのか? メガネ」

「いないよ」

「だよなぁ」

「じゃなきゃ芽川に狙われないだろ」

「芽川先生の事知ってるの?」

「淫乱そうな吸血鬼だろ」

「さ、着いたよ。ちょっと待ってて、今、連れてくる」


ローカはひた走る。


「淫乱かはわからないけど、いきなりキスされて、噛みつかれたね」

「どこを?」

「ここ」という清十郎。


涼子がみると左手の親指の付け根辺りに絆創膏が貼ってあった。


「それと、肩や足や腕。でも、芽川先生、私の他に眷属がいるようだったよ」

「運が良かったな、学校じゃなかったら食い殺されてたかもしれなかったな」

「でも、噛まれた時、気持ちがふわふわして心臓がドクンドクン波打って、気持ちよかった」

「飽きられたら消されると思うけどな」

「そんな事しないと思うよ」

「じゃあさ、〜〜〜〜」


涼子はある提案をした。


「うん、いいよ。ところで私に飽きがくるときってどんな感じかな?」

「そりゃ、半分ご飯残すように、飲む時間が短縮されるときだよ」


そう言い切ったローカと、ケシーがいつの間にか到着していた。


「可愛いな。ケシーは」


涼子はケシーの頭をなで回す。


「あのう、ボク、お金持ってないんですが」

「あたしが出すから心配ないぞ」

「肉食べれるの?」

「大丈夫です」

「行こうよ」


ローカは皆を引き連れて牛丼屋に着いた。

涼子とケシーはメニュー表を見る。


「俺は並でつゆだくにしようかな」

「私はねぎだく」

「あたし、こんなに食べれないな」

「ボクも食べれないです」

「2人で分けるか」

「そうですね」


タッチパネルで注文をする。

涼子は久しぶりにきて、そのようなリニューアルをされていて、ワクワクした。


「試験のピアノは順調?」

「そりゃ、まあまあだ」

「芽川先生って吸血鬼ハンターなの?」

「ハンターかもしれない。容疑はかかったままだ。あたしが吸血鬼ハンターに正式になれたら調べるとするからな」


皆がぽつりぽつり会話が少なくなる。皆、相当腹をすかせていたようだ。


「おまたせしました」


店員が牛丼を運んできた。小皿をもらい、涼子とケシーは牛丼を分けた。そして皆の前に牛丼が並んだ。


「「「いただきます」」」

涼子は少しずつ食べ始めた。

(美味しい)

皆が無言で食べていく。


「「「ご馳走様でした」」」


4人が同時に食べ終わった。


「ケシー君平気?」


涼子はケシーが人差し指を合わせて、モジモジしてるのを見逃さなかった。


「ボクは平気だけど、カエルに戻らなくてもいいの?」

「いいよ、どっちでも。昨日は寝れた?」

「あ、あんまり」

「あたしと一緒だな」

「帰って勉強して寝ようかなー」


ローカは宿題である自主学ノートのことを言っているようだ。


「ケシー、もし眠れなかったら、あたしのいる部屋で寝るか?」

「それはだめ! 俺が許さん」

「ボクは大丈夫です。それに、悪いですよ。気を使ってくれてありがとうございます」

「ローカになにかされたら電話するんだよ。これ連絡先」


涼子は名刺サイズの紙を渡した。こんなこともあろうかと準備していた。


「はい」

「俺何もしないのに」

「分かってるけど、ローカ以外の吸血鬼ハンターに何も悪いことしてないケシーが殺されたらどうするんだよ」

「はいはい、じゃあ後で、別のケータイ貸しとくよ」

「赤石に、執事に電話するよ。皆送っていくね。ごめんケシー、車狭いから、カエルに月影化できる?」

「はい、じゃあ、お手洗いに」

「ローカも行かなきゃ意味ないぞ」

「んね、行くよ」


ローカとケシーが居ぬ間に、赤石に電話をする。


『あ、今からp市の牛丼屋にきてくれる? 友達を送ってもらいたいんだけど』

『大船に乗ったつもりでお任せください』

『なんでもいいが、任せたぞ』


涼子は電話を切ると、戻ってきたローカ、清十郎と勘定をした。

しばらくお店の中で待つことにした。


「私も涼子さんの連絡先知りたいな」と清十郎。

「ん」


涼子は連絡先を清十郎に渡した。

赤石の乗るノアが到着する。赤石は訝しんだ様子だ。


「男友達ですか? うわあ! カエル!?」


ゴン!

赤石は窓に頭をぶつけた。


「おいおい、大丈夫か? この半月、ケシーっていうんだ、車が後ろの後ろに乗るの大変だし、後ろに乗ると狭いから、カエルになってもらった」

「ケシー様、失礼いたしました。私、両生類と爬虫類がどうも苦手で」


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