初依頼
後半セリフばっかです。
さーせんorz
なんか調子悪くなってねぇ…
「いや~今日は凄かったね」
「笑い事じゃないんですけど…」
今ここは学校ではなく、俺が始めてきたときにいるあの部屋にいる。相変わらず、皆がのんびりと過ごしている。
これでいいのか?
「まぁ、よく出来たんじゃん?」
「素直に言えよ…健」
「うっせぇよ!」
「ま、入学おめでと」
ソファーに座ってジュースを飲み干す瑞希の姿に先ほどのことを思い出す。先ほどとは、教室での出来事だった。
中2の俺と、中1の瑞希とは120%クラスが違うはずなのに、一番後ろの席に彼女はなぜかいた。
それだけならまだしも、指定された席は瑞希の隣。それだけでもイライラしてしょうがないのに、瑞希がかけた言葉は、『大智は飛び級無しなんだ』。
あはは。飛び級だって? 出来るわけねぇだろうが!
「あ~ムカつく。大体なんで全校生徒の前で紹介されないといけないわけ? 小学生かよ」
「いや、これ伝統だから。校長言ってたじゃん。……多分」
この際かすかに聞こえた曖昧な言葉はスルーで。
「それより瑞希…髪染めた?」
前は真っ黒の長い髪だったのに今は、くるみ色のような色。茶髪ではいいすぎていて、くるみ色でもしっくり来ないため、この際ただの茶色と言おう。
髪の色だけじゃなく、長さまでが変っている。腰辺りまであった長い髪が、肩につくかつかないかぐらいまで、バッサリ。
「染めてないよ。これ地毛」
「前まで、黒だったよな? 日本人の特徴の真っ黒だったよな?!」
「なんで逆ギレしてんの、コレ」
「こらこらこら! 人を『コレ』とか言うんじゃないッ」
「あれは……かつら?」
スルーですか。しかもなんで疑問式…。突っ込みたい気持ちを抑えて、笑顔で対応する。
「ほら、いろいろ依頼で使ったりするんだよ、ね?」
「たまに女装とかあったな、確か…」
うわ…
その依頼やりたくない…
依頼とはゲームと同じらしい。依頼=ゲームということで、どちらを使っても同じ意味らしい。関係ないけど…
「大智…初の依頼来てるぞ」
「学校で一つ負えた気がするんですけどー」
今もらったのが初依頼だとすると、学校でやったゲームは何なんですかー? 俺、超頑張ったんですけどッ!
「依頼内容。『落とされて来い』」
「………穴に?」
「女に」
「意味わかんないんですけどー!! 内容も可笑しいだろ! 普通『落として来い』じゃねーの?!」
「『説明。お嬢様が外見だけで男を落としたいそうです。しかし周りは全く持って落ちてはくれないため、フリでいいので落とされて来て下さい。でないとお嬢様の機嫌が可笑しくなるのです。』だって」
「頭怒れてんじゃん!」
ようするに誰でもいいから一目惚れさせたいということらしい。頭可笑しいんじゃないですか?
「大智にピッタリだねっ!」
「なにがピッタリなんですか? そこれ爆笑してる瑞希さん、教えてくださいよ…」
「昔劇団入ってたんでしょ? 芝居上手い訳じゃん」
「誰に聞いた、その情報!」
「轟に」
このヤロー。プライベート損害じゃねぇか!
「妨害ね、大智君」
「そうそう妨害、妨害。………俺言ってませんよね?」
「うん。逝って…じゃなかった言ってないよ」
「確実にわざと間違えただろ!」
「『依頼人、お嬢様の使用人』だってさ」
「聞いてます、皆さん?」
ここはどうやら人をイライラさせる達人が集まっているらしい。+失礼な人が。