箱庭
箱庭から一歩、踏み出したら、
そこは――――――――――――…………
「大智さん少しよろしいですか」
「……少しならいい、です」
昨日のことが頭を過る。確かお嬢様にめちゃくちゃなことタメ語使ったうえに、はちゃめちゃなこと話した気がする。
「私、明日ここから出ようと思います。ちゃんと自分で自分を見てくれる方を探したいですの」
ゆっくり、時間をかけて考えだしたのだろう。目の下に隈がうっすら出来ている。
「今回はありがとうございました。きっと言われなかったら、毎晩泣いていたかもしれません」
きっかけは小さなもので、こんなにも近くにあるものだった。自分はこの人の希望になれただろうか。
「それと、彼女さんを大切にしてくださいね。付き合う話は白紙に戻しますから」
それだけ言うと笑みを浮かべてどこかに消えていった。自由人だな……。
その姿を見届けると屋敷を後にする。初依頼は成功なのか?
「お帰りー」
「あれあれー今学校の時間じゃなかったかなー?」
なんで帰ってきたときに出迎えられないとならない。しかも今学校にいると思われる瑞希に。
「いやー今体育だからさ。嫌いなんだよね、体育って」
「その割には運動神経よかった気がするんすけど」
運動せずに運動神経がいいとは何事だ! チクショウ、敵わねぇし。
「お嬢様なんだって?」
「あの家出るらしい。“自分のことを見てくれる人”を自分で探すらしい」
あの後俺と途中まで駅まで行き、遠いところにお嬢様は行った。もちろん一人で。何故かその時は連絡すると連絡先を無理やり交換された。いいっすか、無理やりっすよ。む・り・や・り。
「見つかるといいんじゃない?」
箱庭の先
それは
広すぎる世界