橘 瑞希
『これから危険度最大のゲームを行ないます』
はじまった・・・
僕のお気に入りのゲームがね
「ここがゲーム会場か・・・」
大きな建物。教会のようで教会ではない
一人の男の子が、それの前に立っている
ここに来れば俺は楽に…幸せに暮らせるって
驫木さんが言ってた
俺はここで本当に幸せになれるのか?
覚悟を決め建物に入って行く
中はいかにも普通で、受付が真ん前にある
「あ、あの、俺ゲームを行ないたいんですけど、どうすれ―」
「ダメです」
まだ途中しか言ってないのに、いきなりは酷くない!?
「え、いや俺、驫木さんがここに来ればって・・・」
「では証明書を見せてください」
なに証明書ってなに?
「なければ許可証をお見せください」
ブチッ
「だから俺はここに来いって言われたの!」
「ですから許可証を見せてください。でなければ参加はさせません」
話の解らない人だなー
俺と受付のお姉さんは言い合いを始めた。幸い周りには人がいない
「マッキー!」
マッキー?
もしかしてこいつの事?
茶色の帽子をかぶった子が走ってくる。
男?
「瑞希さん。どうぞお通りください」
「なんでこいつはいいんだよ!」
「だってメンバーだもん」
瑞希と呼ばれた少年はカードを取り出した。
そこには、はっきりと
『
―――――メンバー
橘 瑞希
53戦53勝
』
・・・これが許可証?証明書?
てか、全戦勝ちってすごくない?
「君はなんでここにいるの?」
「俺は驫木さんがここに来いって」
「驫木さんからそう言われたの?ホントに?」
「ホントだよ」
どいつもこいつも、俺の話信じろよ
「マッキーこの子通していいよ」
「いえダメです」
少年は意地悪そうに微笑んだ
こ、怖い!!!!
「いいの?マッキー?もし本当のことだったら驫木さんマッキーの事、くびにしちゃうかも」
「・・・どうぞお通りください」
負けてる。てか、負けた。
「では瑞希さんが面倒をしてください」
「はーい」
少年は俺の手を強引に取り奥へと走っていく。
こいつ強引だなー
「みんなー注目!!」
なんだ、ここ誰かの自宅?
ソファーあるし
アイス食べながら漫画読んでる奴がいるし
「なんだ今回は普通の登場か?」
何こいつ、いつもはどんな登場してんだよ。
「さすがの僕もネタ切れだよ」
「やーかわいーーーーー」
「ぐふ」
後ろからの不意打ち。
抱きしめてるようだが、首を絞められてる。
苦しい・・・死ぬ
「あー柚子ねぇーダメー」
慌てて後ろの女の人が離した
あー苦しかった。
えっと・・・だれだっけ?
名前は覚えだせないが、
「ありがとう」
「おっ新人か?名前は」
でかい人・・・。大人かな?
「そう言えば、僕も聞いてないな~」
うわーなんか見てるし。目立つの嫌いなんだよなー
視線が痛い
「俺は高桜 大智13歳の中二」
そろそろ誕生日だけど
「私は春崎 柚子。柚子ねぇってよんでね。こう言う子待ってたのよー」
さっきの女、柚子っていうんだ
「俺は望月 北斗。北斗って呼べ!大智!」
「はい」
なんか怖そうな人だけど、違うなー。印象とね
「で、僕が12歳の橘 みz――」
年下なんだ。まあ俺よりチビだし当たり前だよな
「ほくとぉーー」
なんか自己紹介かき消してるし。
更に上から誰か降ってきたし。あっ橘何とかの上に乗ったし
帽子落ちたし
「健。重い」
「あーチビで見えなかった」
へー意外と髪長いんだなー
腰までスラリと長い黒髪は女みたいだった
「もう健ちゃん。どきなさいよ、レディーの上に乗るなんて非常識よ」
・・・ん、レディー?
・・・
・・・・・・女?
「えーーーーーーーー。おま、お前女?」
橘何とかは、むすっとした顔で、
「今さら?僕は女だよ。正真正銘の女だ」
・・・まじで!?
「ほら」といってさっきの証明書と見せた。
そこにははっきり『女性』と書いてた
ついでに名前も、瑞希かー
「・・・本当だ」
「どうせ僕は男みたいですよ」
すみません。
本当に心から謝ります。
だから、そんな隅に行かないでください。
「まぁゲームのためだろ。」
「早く行けよ」
どこに?
「お前は行ってほしいだけだろ。このくそ!」
女の子がそんな事いってはいけません。。
「ほらー瑞希女の子が『くそ』なんて言っちゃいけません」
ごもっととも
「ははは。後10分でゲームオーバーだぞ」
少しながらの沈黙。
「あーーー」
急いで更衣室に入った
・・・なんで更衣室?
「あの…なんで更衣室?」
「正式衣装に着替えないといけないのよ。可愛いわよ~~~」
可愛い?
どんな服だよ
「あっ大智あれとって」
「これ?」
ソファーの下にある、本を頑張って取る
と、取れない
「北斗!邪魔!!」
「はいはい」
なんか瑞希の声した時に・・・取れたー
なんか快感
「健。はい」
「あっもういらない」
死ね
人が頑張ったのに
「大智来なさい」
「?は、はい」
どこ行くんだ?
「あのどこ行くの?」
「瑞希の所。今は審査中だったと思うわ」
審査?
そういえば俺『ゲーム』が何か分からない
「柚子ねぇ。ゲームってそもそも何?」
ん?
柚子ねぇ?
なんで止まるの?
「キングから聞いたほうがいいよ。私からは言えないわ」
キング?
なんだキングって。王様?
「ほら瑞希よ」
ガラスの斜め下に正装した瑞希がいた。
あれが正装?
男が着るもんみたい
「佐藤 夏美は澤畠 悠の告白を受けた?瑞希答えろ」
なんだこの問題。
人の告白を問題にしてるのか?
・・・ないよな作り話だよな
「夏美さんは告白を断った」
瑞希はいった
「いや悠の告白を受けた」
「分かれましたね。結果発表。この映像を見てもらう」
辺り一面が暗くなる
なんの映像が流れるんだ
『悠君!』
『佐藤さん・・・あの告白の返事だけど…聞かせてくれる?』
『ごめんなさい。悠君とは付き合えないわ』
映像が夏美さんの言葉で終わり、辺りは明るくなった
「正解は告白を断った。勝者は橘 瑞希。敗者は勝者にポイントを全て渡せ」
ポイント?
「うわぁーーーーーいやだ。いやだ負けなんて俺は認めない」
敗者が泣き叫ぶ。
ポイントってそんなに大切なのか?
瑞希は敗者の元にいき思いっきり押し、敗者の男は倒れた。
これが瑞希?
さっきと全然ちがう
「瑞希?」
「敗者の貴方は勝者の僕に全てのポイントを渡すのがルール。それがいやなら……」
瑞希はチラッと司会者を見た
司会者は分かったように笑った
「敗者が渡さないのなら、勝者に50万です」
金?
50万って高価格な金額だぞ
「やめてくれ。全部渡すから」
「初めからそうしろ、負け犬。僕に逆らえない存在が」
「うぅっ」
「なんだこのゲームって……敗者は勝者に絶対服従なのか?」
「・・・この残酷なゲームは時に人権も取ることができる。生きか死が決まる悪魔のゲームよ」
柚子ねぇもだ。さっきまで優しそうだったのに
真剣そのものだった。
「悪魔のゲーム」
これが俺がやるゲームなのか?
人の人権まで取ることのできる、
死と隣り合わせの
悪魔のゲーム