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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第一章:ギルド名『フィンブルヴェト』
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死を求める者

前回のあらすじ

エルナが仲間になりました。

「えーっと、改めましてエルナ・ヒェレナークです。迷惑かけるかもしれないですがよろし」


「「硬えよ。」」


 『ユーダリル』の攻略を終えて、エルナが『フィンブルヴェト』の一員として加わった。エルナは後方からの攻撃、バフ、回復と基本的に何でもオールラウンダーに使用できるバランスタイプなので、エルナの加入によって、ギルドの戦力は大きく上昇した。


「そんなかしこまる必要性なんてねえよ。歳だって大差ないだろ。ちなみに何歳?」


 女性に対して軽々しく年齢を聞くファルタに呆れるジェイドだったが、興味はあったので黙ってた。


「私は16歳。」


「何だ、俺と同い年じゃん。」


「何だお前ら、俺より年下だったのか。これからはもっと俺を敬っても良いんだぞ?俺は17歳だからな。」


「ジェイドお前黙ってろ。1歳差なんて大差ないだろーが。」


 ジェイドがふざけたことを言うので数の暴力で屈服させようか悩むエルナだがファルタにその気はなさそうなので我慢する。


「それにしても、結構優秀な人材が揃ってきたな。戦術家と後衛魔道士、前衛の特攻として俺がいるとして、あと必要なのは、」


「ファルタ君、元気にしてるかい?」


 ファルタが発しようとした瞬間に言葉を遮られた。声の方向には、相変わらずキザみたいな見た目の魔眼(エンペラー)が立っていた。


「何か用ですかディーレさん。なるべく手短にお願いしたいんすけど。」


「まあまあそう言わないでよ。今日は前に話してくれた君の頼みについて目星がついたから、それの報告をしに来たんだよ。」


 その言葉を聞いて、一気に興味を持つファルタ。他の二人は状況についていけず唖然としている。


「順番に話していこう。まず武器について、ある程度強い武器は鍛冶屋とかに行けば買える。何なら作ってもらうことだってできる。でも、はっきり言って今の君の武器より性能が良い武器はないと思う。そのくらい君の武器は最高品質のものなんだ。」


()()()()か、そんな気がしたんだよなー。」


「でも手がかりがなかったわけじゃない。一つだけ可能性がある。それは神器(アーティファクト)だ。神器(アーティファクト)は、過去の無名の名工が作ったとされているもので、簡単に言うと、あらゆる武器の頂点のものだ。その大きな特徴として、使うだけで神術と似た力を使用することができるんだ。例えば、敵を切りつけると相手の力を奪って自分のものにする、とかね。」


 ファルタは神器(アーティファクト)に興味を惹かれた。それは周りにいた二人にも同じことが言えた。


「でも、神器(アーティファクト)は簡単に手に入れられるものではないよ。少なくともS、運が良くて高難易度のAランクのダンジョンの中にあるんだ。だからどのくらいの種類があるかわからないし、どんな能力かもわからない。発見されているものは今のところ世界で4種類だけなんだ。でもこれだけは保証する。神器(アーティファクト)は必ず君たちを強くする。いつかは手に入れてほしいね。今分かっている神器(アーティファクト)の情報だけでも伝えておくよ。」




 そうして現状の出来るだけの情報をディーレから聞いた。どうやら武器とは言いつつも魔導士用の神器(アーティファクト)もあるらしい。今後はなるべく集めていきたいな。


「そして次に君の仲間について。どうやら二人君に合った良い仲間が見つかったみたいだね。戦術家と魔道士って言ってたかな。だとするとあと必要なのは、」


「高火力の前衛アタッカー。」


「どうしてまだ前衛が必要なの?ファルタとジェイドだけでも前衛は十分なんじゃ...。」


 エルナが疑問に思うのも無理はない。ジェイドは戦術家とはいえ剣技の実力は十分すぎるほどにある。ファルタとジェイド二人いれば十分なのは事実。ただこの二人だと一つ問題が生まれる。


「確かに俺等二人だけでも良いけど、俺等は剣技で着実に攻める、いうなれば少ないダメージを多く与えることで相対的なダメージを増やしているんだ。」


「そう、逆に言うと、一撃の強さが必要になってくるダンジョンにはあまり向いていないということなんだよ。例えば、大きな体の巨人のようなタフなやつが主だった場合、弱い一撃を与え続けた所で無理やり動かれて反撃を喰らう。そういうやつには、一撃にしっかりと重みが必要になってくる。」


「でも俺等じゃその高威力を瞬発的に出すことはできない。だからもう一人、火力を出せる前衛が必要になってくる。」


「なるほど、じゃあこの話を切り出したってことは、」


「ああ、君たちと合うかはわからないけど見つけたよ。どのギルドにも属していない前衛が。そいつの名前は『レイシャ・アライシュ』、巷ではこう呼ばれてる。」



()()()()()戦闘狂』



「そんな物騒な名前のやつ引き入れて大丈夫なの?」


 ディーレと別れてレイシャがいるという街『フレバ』を目指して国を出る3人。たしかに異名が色々やばいので不安がない訳では無いが。


「ディーレさんは根拠なしに物を言う人じゃねえし、少なくとも俺達の仲間になってくれる可能性があったってことだろ。ならその可能性にかけるまでだ。」


「ファルタがそう言うなら良いけどさ。というかファルタ、魔眼(エンペラー)となんで仲いいのよ。」


「ちょっと前に話しかけられたんだよ。協力関係結んでるから気軽に色々聞いていいと思う。」


 ディーレはギルド本部のTOP4、知っていることもファルタたちより断然多い。ならばできる限りの情報を集めておくべきだろう。


「それにしても『死を求める』って、何をしたらそんな事言われるようになるんだか。戦闘狂とも言われているから出会った瞬間に攻撃仕掛けてくる可能性がある。気を引き締めていけよ。」


「そんなこともないんじゃない?何か深い理由があって戦わざるを得られない状況にいるのかもしれないでしょ。」


「何はともあれ会わないことにはなんとも言えないし、早く行こうぜ。」


 レイシャを探して歩き続ける3人。すると道中の道外れに巨大な狼のような魔物と戦う一人の少女がいた。見たところ武器は持っておらず、一人で戦おうとしているようだ。おそらく一人で旅をしているときに運悪く遭遇してしまったのだろう。


「おいファルタ、あれって暴食狼(タイラントウルフ)じゃないか?一人で戦うやつじゃない。援護しに行くぞ。」


「当たり前だろ。エルナ、後方支援頼んだ!」


「言われなくても分かってるよ、気をつけてね。」


 少女を助けるためにすぐさま動き出す3人。しかしその直後、3人の動きは急に止まる。


「ん?」 「え?」 「は?」


3人の目の前には、拳で暴食狼(タイラントウルフ)と渡り合う少女がいた。


「ハハ!やっぱこういうでかい魔物は殴り甲斐があるな!でもそんなわかりやすい動きじゃ、ただの雑魚でしかねえんだよ!」


 すると拳に力を込めた少女は全力で暴食狼(タイラントウルフ)を殴りつけた。殴られた暴食狼(タイラントウルフ)は一撃で気を失っていた。


「なあんだ。街でみんな苦戦してるって言うから強いと思ってわざわざ来たのになんか期待外れだったなあ。ん?あれ、君たち何してんの?もしかしてボクと戦いに来た?良いよ良いよー!闘おうよ、思いっきりさ!」


 こちらに気づいた少女は何故かファルタたちと戦う気満々だった。3人は少女を見てすべてを理解した。


「なあ、もしかしてだけどさ。」


「いや、確定だろ。というか女かよ。」


「うん、私も男だと思ってた。」


 3人の意見は一致する。




(((こいつがレイシャだ!)))



 個人的にボクっ娘のキャラは登場させたかったので早々に登場させました。名前も男とも女ともとれる名前にしたつもりです。

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