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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第四章:復讐の使者たち、奏でるは平和と災いの音
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ギルドランキング

第四章始まります。

 精鋭攻略者選別戦の第一次審査、《混合迷宮攻略戦カオスクエスト》が終了した翌日。ファルタたちはギルド本部にやってきていた。本部に来た理由は、ライカへの今後の方針の確認が第一にある。その後、余裕があれば迷宮ダンジョン攻略を行い強くなる、といった感じだ。


「ライカには、とりあえず単独で動いてもらえればいいか。一人であれだけの成果を出してるわけだし、無理に俺達と合わせる必要はなさそうだな。俺達も疲れが残ってるし、あんまり大変そうなら攻略はしなくてもいいか。」


 ライカの実力的に、無理にファルタたちと合わせようとすると本来の実力を発揮できないのは用意に想像できる。ライカのことはあまり考えないで自分たちに集中することにした。

 

「Cランクくらいなら意外と行けそうだけど、あんまり難易度が低くても意味ないしな……とりあえず少し難易度が低めのBランクでも……って、何だこれ!?」


 ファルタたちがギルド本部を訪れると、そこはいつも以上に攻略者たちが押し寄せていた。


「なんでこんなに攻略者が?なんかイベントでもやってんのか?」


 ファルタたちが疑問に思っていると、部屋の片隅に見知った顔の攻略者がいた。小柄な体型と、特徴的な黒髪からすぐにその人物がオリエンタ・カスラートであることがわかった。その顔は特に困惑しているわけではなさそうだったので事情を聞くために話しかけてみる。


「あ、ファルタさん。第一次審査突破おめでとうございます。」


「あぁ、お互い様にな。ところで、なんでこんなに人が押し寄せてるんだ?」


「えーっと、ギルド本部、主に王国守護攻略者の方々が新しく『ギルドランキング』っていうものを本部に設置したんですよ。」


「ギルドランキング?ギルドごとの強さのランキングってことか?」


「大まかに言えばそんな感じですね。ただ、あくまでも強さが基準ってわけじゃなくて、攻略者としての実績が元になってるっぽいです。」


 実績が元になっているということは、攻略した迷宮ダンジョンの数や難易度によって変動するということだろう。とはいえ、実力がなければ高難易度の迷宮ダンジョンの攻略はできないため、このランキングの上位にいる者が強い攻略者であることは間違いないだろう。


「それと、ギルドごとのランキングもあるんですけど、攻略者個人でのランキングもあります。ギルドごとと個人、どちらもTOP10位までがランキングに載ってますね。」


 個人での実力がわかるのは、おそらく王国守護攻略者の才能あるものを見極めるためか、個人でわかりやすい目標や自身のモチベーションにつなげるためなどだろうか。

 ランキングに載っているのは、王国守護攻略者や、引退した攻略者、死亡・行方不明の攻略者、長い期間迷宮(ダンジョン)攻略していない攻略者を除いた者のみであるようだ。


「お、ギルド団体でのランキングの方は空いてきたな。見に行こうぜ。」


 ギルドごとのランキングが書かれているランキングボードは、ファルタたちが来た頃に比べて半分以下にまで減っていた。個人のランキングボードの方も、人が減ってきているように見える。


「えーっと、『フィンブルヴェト』は…」




1位:エインヘリャル

2位:ヒャズニング

3位:ギュルヴィ

4位:ヴォルスンガ

5位:ヒュンドラ

6位:シンエン

7位:ユグドラシル

8位:アーヴァンス

9位:ビフレスト

10位:フィンブルヴェト



「10位って、危な!ランキングギリギリじゃんか…」


「というかこのランキング、ボクたち含めてほとんどが選別戦で二次審査まで残ったギルドばっかだ。順位的にも、大体は選別戦の結果を基にランキングにしてるっぽいね。」


 上位3つのギルドは、第一次審査でも同様の順位であった。その他のギルドも《ヴォルスンガ》というギルド以外は全て第二次審査まで残っているギルドである。


「選別戦なしで4位にいるギルドって…どんだけ実績積んだんだよ。」


「結局イスカのギルドがトップか。選別戦の二次審査でイスカたちに勝てるギルドが出てこない限り一位が入れ替わることはなさそうだな。」


 団体のランキングを見ていると、個人でのランキングボードの方も人がだいぶ減ってきていた。周りに邪魔にならないようにファルタたちは個人ランキングの方へと移動する。


「個人でのランキングか…頼む、入っててくれ…!」


 自分の弱さを認めたくないのか、ファルタは今一度願いながらランキングを見る。






1位:イスカ・ゼルフェリート 《エインヘリャル》

2位:モニカ・ミリスレイン 《エインヘリャル》

3位:グライシュ・ジュイス 《ヴォルスンガ》

4位:ライカ・ウェイリオ 《フィンブルヴェト》

5位:メルラ・ヒェルエーズ 《ヒャズニング》

6位:ガビル・ヴェロイド 《ギュルヴィ》

7位:アラナク・アリアヴァン 《ユグドラシル》

8位:エリフィス・ノーテラー 《ヒュンドラ》

9位:ジェイド・エルンディスト 《フィンブルヴェト》

10位:ナキ・アーリエイド 《エインヘリャル》


「え、俺入ってる…!」


 ジェイドは予想外だったのか、自分の名前がランキングに入っていたことに驚いている。それに対してファルタはランク外であった自分の弱さに落胆している。


「でも、こうやって見てみるとやっぱり選別戦上位の攻略者が多いのかな。」


「そんなこともないよ。」


 ランキングの結果を眺めていると、先程まで受付をしていたライカが休憩時間になったのかファルタたちの持てぇと近寄ってきた。


「ライカ、私達と話してて大丈夫なの?あんまり仲良くしすぎると怪しがられるんじゃ…」


「大丈夫じゃない?今の私はただの受付嬢。エルナとは少し前に仲良くなってよく話す。これだけで理由は十分でしょ。ランキングに関しても、私の名前を知ってる攻略者なんてエルナたち以外にはいないだろうし、フィンブルヴェトの名前があっても、選別戦には参加していないって言えばだいたい通ると思う。」


「そうなんだ。…っていうか、ライカの名前の『ウェイリオ』って何?明らかに意識してるでしょ?」


「いや、確かにファルタの名前を少しいじったのは事実だけど、これに関しては恋愛感情一切関係ないから。私も好きだったのがファルタだって知ったの最近だし。ファルタの名前に近づけたのは、《死神》として攻略するときに手続きが面倒にならないよう仮で攻略者登録するときにつけた名前で、ファルタと別件で接触したかったから。名前が似てればもしかしたらあっちから近づいてきてくれるかもしれないでしょ?」

 

 なんと言うか、絶妙に納得できそうでできない理由である。まあそれは正直どうでもいいのだけれど。


「それと、さっき『そうでもない』って言ったのは、個人のランキングに関しては選別戦の内容がそんなに関与していないから。実は、このギルドランキングって、個人の方は王国守護攻略者限定で閲覧できるやつが元々あったの。それを公にしただけだから、選別戦の内容はそこまで関係してないんじゃないかな。」


「へぇ〜よく知ってるね。ただの受付嬢の割には。」


「っ!?い、いや?私は受付嬢の中でも優秀だから、そういう情報も結構教えてもらえたんだよね。」


 嘘であることはとてもわかりやすかったが、その真意は考えてもどうにもならないのでスルーすることにした。


「《エインヘリャル》…イスカとここまで差があると流石に痛感するな…自分の弱さを。」


 イスカとの差に傷つきながらも、ファルタは現実を受け止めて前を見る。すると、静かになろうとしてきていたギルド本部が再び騒々しくなる。


「なぁ、あれって…」


「あのローブと武器…間違いねぇよ…!」


 何があるのかと気になったファルタたちは、本部の入口を歩いている者を見て驚愕する。おそらく一番驚いていたのはライカだろう。なぜなら…













「「「「「「伝説の…《死神》だーーーーーー!!!!」」」」」」


「「「「「……えっ?……」」」」」


 そこに立っていたのは、攻略困難な迷宮ダンジョンに現れては一撃でヌシを倒し去っていく伝説の攻略者、ライカのもう一つの姿である《死神》と同じ姿の人間であった。

サクッと今現在の状況を確認できたらくらいの感じの回です。

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