開戦
少し短め
第一次審査開始まで残り10分となったところで闘技場には参加者の大多数が集まっていた。
「第一次審査、こんだけの大人数を闘技場に集めてまともに審査なんてできるのか?」
「今まではギルドごとに集合場所が違ったり、もっと広大な草原とかでやったり、全員が十分に動けるスペースがある場所で開催してたから今回に関しては良くわかんないな。さっきの王様の言ってたことも予定外だったっぽいし。」
フィンブルヴェトで集まり状況について話し合っていると闘技場上階に見知った顔の人物が現れた。今回の選別戦の指揮官、レセカである。
「皆さん、このような非常事態にもしっかりと判断し行動していただきありがとうございます。これより、第一次審査の説明を行います。それではまず、皆様には会場に移動していただきます。」
紆余曲折あったがようやく第一次審査の内容がわかるようだ。しかし、やはりと言うべきか、審査を行うのはこの闘技場ではなく、別の場所で行うようだ。すると、闘技場に第5位のルミネイトが現れる。
「時空無法《天使の抜け道》。」
ルミネイトによって闘技場にいた攻略者たちはどこかにワープする。
「うわ!?急に別の場所に移動した?.....ってここ、まさかダンジョン?ボクたち今からダンジョン攻略させられるの?」
ファルタたちが移動した場所はかなり大きめのダンジョンに見えた。しかし、ダンジョン内は比較的綺麗で他の攻略者が立ち入った形跡はあまり見られなかった。
「まだ未発見のダンジョンなのか?」
周りの状況がうまく呑み込めていない攻略者たち。そこにレセカが現れる。
「皆さんには今から、私達が用意した混合迷宮のレプリカの攻略をしてもらいます。ランクは全てBランク、すでに攻略されているダンジョンを組み合わせて作成しました。」
どうやらここは運営が用意したダンジョンであり、世界中のBランクダンジョンを模して作られているらしい。
「ただ、皆様の目標は主の討伐だけではありません。この混合迷宮の最奥には出口が用意されています。皆様はギルドメンバー全員で制限時間内にその出口を抜けた時、一次審査が合格となります。」
今回の目標はダンジョンの攻略ではあるものの、あくまでダンジョン内からの脱出が目的となるらしい。
「そして当然、出口を通過した全てのギルドが合格となるわけではありません。今回のこの混合迷宮には、主が合計で100体います。出口通過者の中から、ギルド内での主討伐数の合計が多いギルドから合格となります。合格できるギルドは16組までです。」
要約すると、なるべく多くの主を討伐してから出口を通過すれば合格になるということだろう。つまり、7体の主を討伐して出口を通過すれば合格が確定するということである。
「でも、主ってBランクなんだろ?一人で挑んだらいくらか苦戦するかもしんねえけど、俺達5人で挑めば楽なんじゃ?」
「確かにそれはそうだ。だが、ずっと団体で行動するのはどう考えても効率が悪い。まだこのダンジョンがどれだけ広いのかわからないし、主だってどこにいるか分からない。ある程度のリスクを背負ってでも分かれて攻略したほうが良い。」
主の数が100体であることから、おそらくダンジョンの広さはダンジョン100個分、小規模にしているとしても70個分のダンジョンくらいの広さはあると考えていいだろう。その中を5人で固まって動いたところで良い結果を得られる可能性は低い。
「とりあえず目標は一人一体討伐することだな。5体倒せれば十分可能性はあるだろ。人数は2:2:1の人数で動きたいが、誰が一人になるか。」
「私でいいよ。」
そこで手を上げたのはライカ。まだギルドに入って僅かの彼女は、自分ひとりで行動したほうが動きやすいとふんだのだろう。
「じゃあヴァルハラ攻略したときみたいにボクとジェイド、ファルタとエルナで別れようか。エルナもそうしたほうが良いでしょ?」
「え?あ、うん。そういうことね。分かった、良いよそれで。」
最初は言っていることが分からなかったエルナだが、すぐにレイシャがファルタと一緒にいられるように仕組んだのだと理解する。
(余計なお世話だって.....)
攻略者たちがガヤガヤと話し始めていたが、レセカが再び説明を続ける。
「制限時間は一時間、他のギルドと協力したりするのは自由ですが過度な戦力差で一つのギルドを落とし込めようとしていた場合等は忠告をする場合があります。その他の禁止事項は開催式の際に説明したとおりです。」
レセカが説明を終えたところで迷宮の入口の扉が開こうとする。
「それではこれより、第一次審査《混合迷宮攻略戦》を始めます。」
今、最強を決める戦いの火蓋が切られる。
ようやく始まった。書こうと思えばいくらでも書ける章なので気ままに書いていきます。




