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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第二章:戦死者の魂は、狂者を奮わせる
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フィンブルヴェトのアジト

「....まさか本当に攻略してくるなんて。」


 ヴァルハラの攻略を終えたファルタたちは一度宿で休んだ後、ギルド本部に戻り攻略の報告を行っていた。ファルタが受付に着くとライカが対応を行った。


「有言実行ってやつだ。お前に頼らなくたってAランクの攻略はできるってことだ。まあ今後も色々頼みたいことはあると思うけどな。」


「私の話は秘密なんだからあんまり話題に出さないで。それと、勝手に協力関係築かないで。あくまでお互いの利害の一致の結果の契約なのを忘れないで。」


「分かってるっての。」


 ファルタとライカが親しげに話している姿を見て、エルナはソワソワしてしまい思い切って聞いてみる。


「えーっと、ライカさん?ファルタとは、その....どういう関係なの?」


「別に、お互いに都合の良い契約を結んでるだけ、それ以上でもそれ以下でもないわよ。」


 その言葉を聞いて胸をなでおろすエルナ。しかし安心したのもつかの間、その後の二人の会話によって再びエルナは不安を覚える。


「お前って誰に対してもそういう態度なのかよ。普段の受付のときの顔をずっと出してればいいのにな。やっぱ性格からもあの呼ばれ方は妥当かもな。」


(あの呼ばれ方?)


「は?なに、文句あるの?それ以上その話するならあんたの仲間に話すよ、この前話したときの誰も興味ないのに真剣に話して滑って恥ずかしがってるあんたの話。」


(恥ずかしがってるファルタ!?なにそれ、聞きたい。)


「それ以上話すとお前の秘密も赤裸々にしてやるからな。」


(お互いに秘密を知っている仲ってこと!?)


 二人の会話を聞きながらエルナは変な妄想で頭がパンクしそうになっていた。


「はぁ、もうこの話は良いでしょ。それより、攻略し終えたなら手続きするからちょっと待ってて。Aランクダンジョンクリアってなると相当大金が入ると思うよ。」


「まじか、そりゃ楽しみだ。」


 報酬の件はライカに任せてファルタたちは本部内で待機することにする。そして今後の方針について話し合う。


「さてと、これからどうする?新しくダンジョン攻略するか?報酬はたんまり入るっぽいから少しの間は休みにしてもいいとは思うけど。」


「いや、今後も攻略は続けるべきだ。それに、今回の報酬は個人のためにじゃなく、このギルドのために使うべきだと思う。」


「というと?」


「今回のお金は、俺たちギルド《フィンブルヴェト》の拠点を買うのに使うべきだと思ってる。」


 それを聞いてファルタは腑に落ちる。


「そう言えばボクたちのギルドって拠点ないよね。まあ出来て時間もそう経ってないだろうし当たり前っちゃ当たり前なんだけど。」


「でも拠点を買うだけのお金を得られるの?」


「Aランクダンジョンの攻略だったら豪華な拠点まではいかないだろうけどそれなりの所なら帰ると思うぞ。なんならソロギルド攻略した分報酬もいくらか上乗せされると思うし。」


 ダンジョン攻略によって得られる報酬は通常の報酬と同時に攻略に用いった情報の量やギルドの数によって上乗せの報酬が追加される。


「じゃあ今からはいくつか拠点になりそうなところを見繕いに行ったほうが良いってことだね。」


「あぁ。この国はかなりいい価格で買える拠点があるはずだから、とりあえず不動産に相談しに向かうとするか。」


 ギルド本部ではギルドの拠点の契約や下見も行うことができる。ライカと分かれた後、すぐとなりの物件専門の受付についた。


「いらっしゃいませ、本日はどのようなご要件でしょうか?」


「ギルドの拠点を見繕いに来たんだ。とりあえず四人想定で設備がある程度整っている物件を探してる。」


「かしこまりました。予算はどのくらいでしょうか?」


「金貨二十枚ぐらいだ。倉庫と個室がある物件でお願いしたい。」


「分かりました。ではいくらか物件をまとめてきますので少々お待ち下さい。」


 受付で対応してくれた男性は部屋の奥に入っていった後、幾つかの紙の資料を持って帰ってきた。


「お客様のご意見に合う物件はこちらの物件ですかね。」


 男性の持ってきた資料には幾つかの物件の詳細が書かれており、値段はもちろん、設備内容や築何年の建物かも丁寧に書かれていた。


「うーん.....あんまりどこが良いとかわかんないな。ジェイド的にはいい物件はある?」


「まあ一番良いのはこの物件だろうな。個室があって結構広めの倉庫もある。リビングもそれなりに広いし四人の拠点としては十分だと思うけどな。強いて言うなら少し建てられてから年月が経ってるところか。」


「まぁ良いんじゃない。ちょっと年季が入ってるほうが味が出るってもんだし。」


 なかなかに良物件な拠点があり値段は金貨18枚ほど、設備も十分なので誰も異論はなかったのだがそのしたに書いてあった物件にファルタは目が行った。


「ん?この物件、めちゃくちゃ良い拠点だな。」


「たしかにな、個室がかなり広めで個室一つ一つに風呂がついててキッチンとリビングも結構広くてご丁寧に客室までしっかり付いてるからな。おまけにギルド本部までもかなり近いし。」


「でもここは流石に値段が高すぎるね....金貨45枚は流石に払えないもんね。まあさっきの物件で十分な気もするしとりあえずそこにすれば良いんじゃない?」


「そうだな、じゃあ一旦仮契約でこの物件お願いできますか?」


「申し訳ございません、そちらの物件はつい先程契約を行ったギルドの方々がおりまして。」


 どうやらちょうど良さそうに見えた物件は先客がいたようだった。


「まじか、じゃあ別のとこにしないとか。」


「本当につい先程なのでまだギルドの方々は本部にいらっしゃると思います。先程の方もあくまで仮契約なのでもしよろしければ話し合っていただいても構いませんけど。」


「うーん、とりあえず受付で報酬の受取があるのでその後で少し話し合ってみます。」


 一旦物件の話は置いといてライカから報酬を受け取ることにした。


「「すみません、報酬の受け取りに来ました。」」


 ファルタが受付に立つと横で別のギルドの青年もまた報酬の受取に来たらしい。


「あ、すまん。悪いけど俺たち少し急いでるから先に受け取っても良いか?」


 ファルタがそう問いかけると青年は何も言わず、ただただファルタの目を見つめていた。するとファルタの後ろからジェイドが手を引っ張った。


「すみません、先に受け取ってもらって大丈夫です....」


 ジェイドの声は少し何かに怯えているような声だった。顔も少しこわばっており、横を見るとエルナも同様の反応をしていた。


「え?急になんだよ、確かに図々しかったかもしれないけどそんなにビビらなくても」


「バカかお前。こいつが誰なのか知らないのか?」


 ファルタは全然知りません、といったような顔でジェイドを見る。


「最近、Aランクダンジョンをほとんど支障無しでソロギルド攻略を行ったルーキーのギルドがある。そのギルドはAランクのダンジョンをすでに10回以上攻略しているSランクギルドだ。発足して約1〜2ヶ月でそのギルドは最強のギルドと言われる地位にまで成り上がった。ギルド名は《エインヘリャル》。」


(エインヘリャル....たしか、ライカもそのギルドの話をしてたっけ。)


「そしてこいつは、最強のギルド、エインヘリャルを作り上げた団長、イスカ・ゼルフェリートだ。」


 イスカ・ゼルフェリート、その名前を聞いてファルタは再びイスカの目を見る。


「イスカ?イスカ.....あ!思い出した思い出した!」


 唐突にファルタはイスカに対して満面の笑みで話しかける。それを見てジェイド含む周りの攻略者たちは唖然とした表情でファルタを見る。


「はは!なんだよ久しぶりだなー!にしても雰囲気変わりすぎだろ!」


「....お前は逆に、脳天気な性格は何も変わっていないな。」


「....えーっと、ファルタ、こいつと知り合いなのか?」


「いやー、知り合いも何も、こいつ、俺の幼馴染だから。」






「「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」」

ということで新キャライスカです。性格はファルタとはほぼ真逆に等しくてクールで落ち着いた性格です。

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