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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第一章:ギルド名『フィンブルヴェト』
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覚えてない

 翌日、ファルタは本部にてライカに情報をもらい、攻略の際の作戦等を考えるため仲間と情報を共有する。


「ライっじゃなくて、協力してくれた受付嬢の情報から、俺等が攻略できるであろうダンジョンを俺が個人的に選んでみた。ダンジョン名《ヴァルハラ》、主の名は《オーディン》、それが俺等が攻略するダンジョンだ。」


「攻略者はまだ出てないのか、だとすると不明な点も幾つかあるだろうしニーズヘッグと同等の難易度と見ていいだろうな。」


「というかなんで攻略者出てないのに情報って回ってくるんだ?」


 ダンジョンは基本的に入口に関しては自由に出入りができる。しかし最奥に至っては主が討伐されている状態でない限り入れることしかできない一方通行になっている。そのため最奥の部屋に入ったら倒すか倒されるかの二択となる。


「確かギルドの攻略班の中に脱出のできる神術を持ってる人が何人かいた気がする。その人が積極的にダンジョン潜って情報集めているらしい。」


「なるほど、ついでに倒してくれてもいいのにね。」


「無数にダンジョンあるのにいちいち攻略してたらキリがないからな、ある程度情報を提供してその後の攻略はギルドに任せたほうが効率がいい。」


 最奥から脱出することができる神術、その神術は持っているだけで人生勝ち組である。


「にしてもこのオーディンって主、異名恐すぎるでしょ。」


 オーディン、またの名を《狂気の主》、巨大なやりを持った姿であり、圧倒的な武術で敵を圧倒するようである。


「槍を使ってくるのか、ボクは拳闘家だから相性最悪だなー。」


「.....そう言えばファルタ、お前の武器はどういうものなんだ?確かリサナウトって言ったか。」


「あーこれか、これは元は俺の兄貴のやつなんだけどさ。兄貴と別れた時にもらったんだ。」


「へー、ていうかあんたお兄さんなんていたんだ。」


 言われてみればファルタは仲間に自分の身内の話などは一切言っていないし仲間の話も聞いたことがなかった。


「うん、兄貴がひとりいる。....いや、今は()()()()だな。」


「いるかも?どういうことだ?まさか兄貴も攻略者で行方がわかってないとか?」


 落ち着いた雰囲気でファルタは応える。


「えーと半分正解かな、攻略者ではないけど行方はわかってない。なんなら兄貴がいたって事とと探してるってことしか()()()()()しな。」


「探してる?覚えてない?全然わかんないんだけど。」


 ファルタの言っていることが何も理解できない3人。ファルタは順を追って説明する。


「兄貴とは確かに一緒に過ごした感覚や曖昧な記憶が残ってる。でも明確な記憶は残ってないんだ。覚えてるのは兄貴が俺を探せって言ってたことだけ。」


「え?ファルタって記憶喪失なの?結構やばいじゃん。」


「兄貴のことは本当になんも覚えてないのか?」


「うーん、探せと言われたことしか覚えてないし手がかりもないんだよなー」


 ファルタの兄、しかし探せと言われたが情報は何一つ与えられていないため一から探す必要があった。しかし現状何一つ得られていない.....はずだったのだが。


「待てよ?確かミーミルの泉の地下で変な像が兄貴の名前を言ってた気がするな...」


「ミーミルの泉だと?お前俺が苦戦してる間にそんな事してたのか。」


 エルナとレイシャはこの話を何一つ知らないので理解できていない状態である。


「ちなみに兄貴の名前はなんていうの?教えてくれればボクたちも役に立てるかも知れないよ。」


「名前はフェンリル・レイリオ、まあ兄貴探しは俺の一番の目的だけどめっちゃ意識してるわけじゃないから暇なときにで良いからな。で、俺の武器の話か、この武器は兄貴が前に使ってたやつだけど、この武器俺が初めて持ったときからずっと使ってる武器なんだ。」


「....ごめん、何が言いたいの?」


「俺がこの武器を使い始めたのは7年前だ。」


「「はあ!?」」


 ジェイドとレイシャはかつてないほど驚いていた。一方エルナは何がすごいのか全然分かっていない。


「7年って言ったか?まだ切れ味がそんなにあるのか?一体どんだけ最高品質の金属でできてんだその剣?」


「えーっと、そんなにすごいの?」


「すごいどころの話じゃないよ!普通の店で売ってる武器は一年と少しくらい使えば刃こぼれする。どれだけ品質が良くても3年位が限界だった。なのにその武器は7年使って僅かな刃こぼれで済んでることを考えるとどれだけそれが異常かわかるでしょ。」


 その話を聞いてエルナもようやく凄さが分かったようだった。しかしリサナウトが誰が何を素材として作った武器なのかはファルタも知らないらしい。


「まあ俺の武器の話はもういいだろ、それより攻略の作戦考えるぞ。」


 こうして今日は作戦会議、装備品等の準備に時間を使い翌日攻略を始めることになった。


ーーー翌日ーーー


「全員準備できたか?」


 ファルタの声に3人は同意する。


「よし、ではこれより我ら《フィンブルヴェト》、ダンジョン《ヴァルハラ》の攻略を開始する!」




「道は2つか、右と左どっち行く?」


 入口の先は二手に道が別れていた。左と右を選ぶ必要があるがどちらが正しいのかなんて当然わからない。だからこそ勘で選ぶ。


「せーのでどっち行きたいか言おうぜ。せーの」


「「「右。」」」 「左。」


 右3票(ジェイド、エルナ、レイシャ)、左1票(ファルタ)


「.....よし、お前らは団長の指示に従え。」


「「「おい。」」」


 ファルタのほぼ無理矢理の指示に従って左に進む4人。その先には魔物らしき姿があった。


「あれは....狼か?」


 左の道の先には床に倒れる狼の姿があった。しかしその姿はすでに血だらけで死んでしまっているようだった。


「どういう事?誰か先に攻略してる人がいるってこと?」


「いや。どちらかと言うとこれは魔物同士で共食いした可能性が高い気がするな。この狼には食い荒らされた痕がある。」


「てことは近くにこいつを喰った魔物がいるって考えたほうがいいね。ボクとファルタで前の様子を少し見て来るよ。」


 そう言うとレイシャはファルタとともに前に進む。その後ろをジェイドとエルナがついていく。


「後ろから来るかも知れないから後ろも警戒して....」


 そういってレイシャが後ろを見たとき()()でエルナに指示を出した。


「エルナ!危ない!」


 レイシャの突然の発言にエルナは一瞬驚く。するとレイシャはエルナを後ろに吹き飛ばす。それと同時にエルナのいた場所に何かが()()()()()


「何!?上からなにかきた!」


「こいつは....鳥か?」


「いや、更に言うならこいつは鳥の中でも凶暴な....鷲だ!」


 そこには人間とは比べ物にならない大きさの巨大な鷲がいた。その目は獲物を狙う野生の目をしていた。


「しかもこの鷲、鷲の中でも頂点と言われてる存在、フレースヴェルグだ!」




ファルタの兄の名前で察する人は察したんだろうなー。フレースヴェルグは主として出しても良かったんですが出すタイミングを見失いました。

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