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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第一章:ギルド名『フィンブルヴェト』
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仲間と一緒に

 ライカに連れて行かれたファルタはもう一度問いかける。


「なあ、やっぱお前が死神ってことなんだよな?」


「......はあ、本当最悪。今までバレなかったから今回もうまくごまかせたと思ったのになんでこんな無駄に勘のいい奴に会うかなぁ。というかなんで分かるわけ、ちゃんと顔隠してたのにどうすればよかったのよ。」


 バレたとわかった瞬間とんでもない勢いで愚痴を漏らすライカ。受付の時からそうだったがライカは機嫌悪いときがほとんどな気がする。


「そうよ、私が死神よ、こんな呼ばれ方は不本意だけどね。」


「やっぱりか。なあ、いくつか質問良いか?応えられる範囲でいいからさ。」


「どうせ私に拒否権ないでしょ、秘密がバレた以上言いふらされたら終わりだし。」


 ファルタは言いふらすつもりなど一切なかったのだが本人がそう思った以上しょうがない。」


「じゃあ1つ目、なんでこんな事してるんだ?普通に攻略者として攻略したほうが色々得だろ。」


「攻略者にならないことに深い理由はない、どちらかと言うと受付嬢として働くことのほうが大切かな。私がこんなことをしてるのはお父さんからの指示なんだけど、受付嬢としてできるだけ多くのダンジョンの情報を集めてる。不明な要素が多いダンジョンの情報は死神としてダンジョンに潜って個人で集めてる。」


 どうやら色々事情があるようだ。どうして集める必要があるかなどはあまり言えないし知らないらしい。


「じゃあ2つ目、お前が使ってた武器って何?神物(アーティファクト)っぽかったけど。」


「あれは神物(アーティファクト)であってるよ。神物(アーティファクト)選ばれしもの(レーヴァテイン)》、神物開放の能力は敵の弱点を的確に攻撃すれば約99%敵の体力を削れる。」


「まじかよ、最強じゃん。」


「そんな便利なものでもないよ、敵の弱点を的確に狙うのって結構むずいし、あくまで99%だから瀕死の状態で回復技でも使われたらめんどくさいしね。」


 一度弱点を攻撃されたら誰だって次は狙われないよう警戒する。その状態でもう一度弱点に攻撃を当てるのはほぼ不可能。とはいっても99%与えれば大抵の相手は倒れるためあまり警戒する必要はないだろう。


「なるほど、というかその神物公表されてないよな?」


「してないしするつもりもない。これもお父さんからもらったやつだけど情報はなるべく公表しないようにしてる。あんたもお願いだから公表しないで。」


「良いよ、色々教えてくれたし。じゃあついでにもう一個質問、お前に関係ない話だけどさ。」


 やけにニヤついた表情のファルタはライカに問う。


「今までに他のギルドと協力しないでAランク以上のダンジョン攻略したギルドはどんくらいある?」


「なにそれ、一番最近で資料見たのが一ヶ月前ぐらいだから最新の情報はわからないけど10〜から20くらいのギルドだと思うよ。多いか少ないか捉えるのはあんた次第だけどギルド全体の3%くらいだと思うよ。」


「なるほど、やっぱそんなに数多くはいないんだな。」


「ちなみにAランクを協力しないで攻略したギルドって言っても当然ギルドごと強さはバラバラだから、一概にもこれくらいの難易度って言えるわけじゃないけどね。」


 確かに同じ実績でもギリギリで攻略したギルドと余裕で攻略したギルドでは実力に当然違いがある。更に言えば同じAランクでもB寄りのダンジョンとSランク寄りのダンジョンかの違いによっても変わってくるだろう。


「ちなみにちょうど一ヶ月前、私が資料を見るきっかけとなったギルドがある。そのギルドはAランクの中でも高難易度のダンジョンをちょうど一ヶ月前にわずか四人で攻略した。更に言えば攻略に半日もかかっていなかった。」


 まるで嘘のような実績を羅列するライカ、しかしそれが事実であることはライカの目からよく伝わった。


「ふーん、やっぱ上には上がいるんだな。」


「ギルドの名前は『エインヘリャル』、それが現状最強と言われているギルドの名前よ。団長の名前は」


「ああその話はもう大丈夫、俺が知りたいのは協力無しでAランクを攻略できるかってことだけだからさ。」


「......今の感じから想像ついたけど、やっぱり挑戦するってことなんだ?」


「おう、昨日のリベンジってわけじゃないけど、自分の強さってのをしっかり証明したいんだよ。」


 それを聞いてライカは深い溜め息をついた。そして呆れたような目でファルタを見る。


「ねえあんた、それ本気で言ってるの?その慢心が昨日みたいな結果を招いたんじゃないの?あんたちが強いのはなんとなく知ってる、けどだからって攻略できるなんて私は微塵も思ってない。」


「....お前の言ってることは間違ってるとは思わない、むしろ俺が馬鹿なことを言ってることも理解してる。俺さ、昨日まで仲間に嘘ついてた。そのことに対して罪悪感がなかったわけじゃない。でも言い出す勇気がなかった。」


 ファルタは心のなかにずっと迷いがあった、仲間を騙し続けて良いのか。でもファルタは怖かった、過去の後悔がトラウマとして常に頭の中にチラついていたから。だから信じていたはずの仲間を信じ切ることができなかった。


「でも俺は仲間と一緒に攻略したいんだ、全力でギリギリの戦いをしながら。」


「....なるほど.........まっじでどうでもいいんだけど。」


「え。」

 

 なんか重々しい雰囲気で語り始めたファルタの言葉をライカは一割聞いたかどうかというくらいにしか聞いてなかった。ライカにとってはファルタがどうなろうとどうでもいいらしい。


「まあ熱意はだいたい伝わったよ、それでどうすればいいの私は。」


「Aランクダンジョンで現状攻略されてないダンジョン一覧とそのダンジョンの情報を教えてくれ。」


「まあそういうことだと思った。良いよ、ただまとめるのに時間かかるしこっちの仕事もあるから明日また来てくんない?」


「了解、サンキューなライカ。」


 そう言うとファルタは部屋を出て宿屋に帰っていった。


「......とりあえずあいつと繋がりは持てたから、目標まで一段階進行かな。」




「というわけで、今度俺等だけでAランクダンジョンの攻略に行きまーす。」


「「「いや急に何だよ。」」」


 ライカと話したあと宿屋でファルタは団員たちに唐突にそう告げた。突然過ぎて全員が困惑しているが。


「....急にどうした?なんでいきなりそんな不可能みたいな事やろうって言い出すんだよ。」


「いやージェイドとレイシャには言ってなかったけどさ俺の神術...」


 そう言うとファルタはジェイドとレイシャに自身の神術についての秘密を語る。そしてその後エルナも含めた全員に自分がAランクに挑もうとした理由と意志を説明する。


「...へーなるほどねー。」


「そういうことだったのか...」


「....ねえジェイド、エルナ、ボク個人の思いだから興味なければ別に良いんだけどさ。」


「いや、多分俺も同じこと考えてる。」


「私も昨日考えた。」


 そして3人は一斉に意見を言う。


「「「一回本気で殴らせろ。」」」


「え」


 暴力によるストレス発散だった。


「いや真面目な雰囲気にしといて理由しょうもなすぎるだろ。」


「ボクたちは君を信頼してるから仲間になってやったのにそんな面倒くさいことでこじらせてる団長なんて最悪だわー。」


「しかもAランクダンジョンに挑もうとする理由も結局自己満足じゃん。」


 ファルタは3人の意見に圧倒される。いやまあ正論しか言われてないので何も言い返せないのだが。


「めっちゃ言うじゃん......いやでも俺の考えに付き合わせるのも違うよな。ごめん、さっきの話は忘れて」


「何いってんの、別に誰も攻略する気がないなんて言ってないじゃん。」

 

 エルナの発言にファルタは呆気にとられる。


「俺も、やられっぱなしは嫌だからな。元のギルドのやつにも汚名返上と行きたいところだったんだ。」


「ボクも、褒めてほしい出来事が一つぐらいほしいと思ってたからねえ。まぁだからさ、」


 そして3人は再び意見をともに言う。


「「「一回殴らせてくれたら、ついて行ってやるよ。」」」


 ファルタはただ嬉しかった。ただ、自分を信じてくれる存在に感謝でいっぱいだった。


「ははは、やっぱお前ら最高だわ!いいぜ俺のこと好きにしていいからさ、今後も俺について」


「え、好きにしていいの!?じゃあ私大通りのパフェ食べたい!」


「じゃあ俺は剣を一つ、当然最高品質のやつ。」


「ボクは武器の整備士とお金一部ね。」


「遠慮ってもんを知らねえのかお前らは。」





大通りのパフェは日本料金で2000円位するんじゃないかな、エルナって痩せてるタイプの大食いっぽいし。ということで次か次の次からまた攻略始まります。


ライカ

16歳 女

本名不明、身内でも知っている人は殆どいない

後輩の面倒見るのが好き

最近の悩み

後輩によく「先輩ってツンデレですよね」と言われる

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