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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第一章:ギルド名『フィンブルヴェト』
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信頼に足る

前回のあらすじ

謎の人物、死神とは

 ニーズヘッグとの戦いのあと、一度本部に戻ったファルタたちは受付嬢に報告のみ行ってそのまま宿へ直行した。途中でリタたちに心配されたりもしたが今は休みたい気分でいっぱいだったので心配無用とだけ伝えてそのまま帰った。


「急に攻略者が現れなくなった理由がまさか混合迷宮(カオスダンジョン)だからとは、流石に驚いたな。」


「とわいえ死神のお陰でなんとかなった。感謝してもしきれないな。」


「......」


「......なあファルタ、まだ考えてるのか?」


 普段は興味のあることは遠慮なく質問してくるようなファルタだが、今回はずっと沈黙、死神のことについて自分だけで考えている。


「いや、確かに俺はあったことがあるはずなんだ。声は間違いなく聞いたことがあったし、雰囲気とかもどこかで感じたことがあるし。」


「そんな事言われても手がかりはないし、今までずっと素性がわかっていないんだから分からなくてもしょうがないと思うけどな。」


「ボクとエルナは話してないからわからないけど、そんなに特徴的な雰囲気まとってる人だったの?」


「いや少なくとも俺は会ったことがあるとは思ってない。声も別に聞いたことがあるかと言えばそんな気もするし違うと言われれば違う気もする。特に特徴的でもなかったと思うけどな。」


「私も噂ぐらいは聞いたことがあるけど、王室に向かうのを見たとか、ギルド本部で見たとか。」


 どれも情報の信頼性はかなり薄いと言っていいだろう。どの情報も一貫性がなく不鮮明な情報、誰かが適当に流した噂だと考えればいくらでも説明できるような内容ばかりだった。


「でも何かモヤモヤすんだよなー、悪いけど明日は俺一人で心当たりがありそうなところをあたってみるわ。」


 全員が疲労が溜まっていて、翌日はゆっくり休むつもりだったので個人で何かをする分には反対意見は出なかった。ジェイドとレイシャは疲れが溜まって眠そうなので早々に寝ることにしたようだ。エルナはファルタを折角なので二人で夕食に行こうと誘ってファルタもそれに同意した。




「結構美味しかったな、値段も安めで行きやすかったしまた今度みんなで行くか。」


「うん、そうだね。」


 夕食はギルド本部の近くのレストランで済ませた二人は宿屋へと向かって行く。お腹が満たされて頭が回っていないファルタに対してエルナはとてつもなく焦っていた。


(待って、翌々考えたらこれってデートじゃないの!?お腹すいたから二人で食べようかなーとかあんまり深いこと考えてなかったのにこれじゃ一緒にご飯食べたくて誘ったみたいになっちゃったじゃん!)


 恋心を自覚したエルナはファルタに対してどう話せばいいか()()()()()を忘れてずっとあたふたしていた。まあ当の本人は微塵も気づいていないが。


「お、ここって俺とエルナが初めてあった喫茶店じゃん。」


 のんびりと歩いていると、ファルタとエルナが初めて会話した喫茶店へとたどり着いた。まあ最初は会話ともいいづらいやり取りだったが。


「そうだね......えーっと、あのときはごめんね、色々失礼なこと言って。」


「ああいいって。別に気にしてないし、お互いの事情も何も知らなかったしな。」


 笑ってそう答えるファルタ、エルナはその笑顔を見てやはり自分はファルタのことが好きなんだと改めて実感する。だから、好きだからこそエルナはファルタに問いかける。


「ねえファルタ、ファルタの神術って何?」


「ん?爆進(ブースト)だけど、言ってなかったっけ?」


 何を今更なことを聞いているんだろうとファルタは思う。しかしエルナはファルタのことを訝しんだ目で見続ける。


「そう...だよね。じゃあニーズヘッグと戦っていた時にファルタが使った刻限無法って何?」


「......おまえ、気絶してたんじゃなかったのか。」


「まあ結構危なかったけど意識はぎりぎり残ってたかな。それで、刻限無法って何?」


 エルナは再び問いかける。ファルタの神術は体の一部の動きを躍進させる爆進(ブースト)である。しかしファルタはあのとき確かに刻限無法と発した。歴代で神術を2つ以上持っている人物など例がない。だからこそ不審に思ったエルナは問いかける。


「....それって言わなきゃだめか?いや逃げた所で意味ないな。誰にも言わないって約束してくれるならいいよ。」


「分かった、約束する。誰にも言わない、もちろんジェイドとレイシャにも。」


「よし、じゃあ単刀直入に言うと俺の神術はみんなには爆進(ブースト)て名前じゃなくて刻限(クロノス)って言うんだ。とは言っても本質は同じ神術なんだけどさ。」


「えーっと、つまり...どういう事?」


「刻限の方はさ、魔力消費量が異常に多いんだ。だから基本的に出力が抑えめの爆進を使ってる。爆進と刻限は違う神術ってよりは爆進の上位互換が刻限て感じなんだけど。」


「なるほど...でもなんで私達に黙っておくの?魔力の出力が多いってだけで黙る理由にはならないと思うんだけど。」


「えっと、具体的なことは言いたくないんだけど昔刻限を使ったとき自分で制御できなくて親友を傷つけちゃってさ。今でもうまく制御できてないんだよ。だから変な不信感を持たれたくないっていうか、そんな自己満足な理由だけだよ、みんなに黙ってるのは。」


 制御できないほどの圧倒的な力、そんなものを持っていると知れたら常に自分は仲間に警戒され続けながら攻略していくことになる。仲間を大切にしたいファルタにとってそれは絶対に避けたかった。だから普段は出力抑えめである爆進無法を使っていた。


「なるほどね、なんとなく言いたいことは分かったよでも理解しようとは思えないかな。仲間に不安な思いをさせたくないってことなんだろうけど、私達は、まあ少なくとも私はファルタに対してそんな感情一切抱いてないよ。」


 エルナはファルタに言う。慰めでもなんでもないただありのままの感想を。


「私はファルタが私のことを信じてくれるって言ったから私も信じた。でも今のファルタの言葉は私達を信じてないって言ってるのと同じだよ。私はそんなファルタはカッコ悪いと思う。私達のことを信じるって言うなら自分の悩みも一回話してみたらいいじゃん。」


「......そうだな、ごめん、俺が間違ってた。ジェイドとレイシャには俺が自分でちゃんと伝えるよ。」


 こうしてファルタの神術に関する一見は幕を閉じた。




 翌日、ファルタは死神の情報を集めるためにギルド本部に来ていた。とはいっても基本的に手に入る情報は当てにならない情報がほとんどなので意味があるかは分からないが。

 

 どうするべきかも分からないのでとりあえずどこかのダンジョンの攻略でもしていれば偶然遭遇するかも知れないと思い受付に向かう。


「いらっしゃいませ、今日はどのようなご要件でしょうか?」


「えーっとどこか程よく難しいダンジョンありますか?」


 ファルタは受付にてダンジョンを選ぶ。対応している受付嬢はなぜか少し機嫌が悪そうに見える。確か名前はライカと言ったか。会うのは久しぶりな気がするがつい最近あったような気がする。そしてライカの雰囲気からファルタは一つの結論に至る。


「......なああんた、もしかして死神か?」


 一か八か聞いてみた。とはいえファルタもさほど期待していなかったが。するとライカは凍った目でファルタを見ながらこういう。


「お客様すみませんが後で本部の裏手まで来ていただけますか?もちろん一人で。」




 








確定じゃん。


今更なんですけど前回のあらすじ書くの面相臭くなったのでやめます。


オリエンタ・カスラート

13歳 男

神術 連携コンビネーション

身長 162cm

憧れの人 ファルタ

最近の悩み

ネーミングセンスをミネルヴァにめちゃくちゃ指摘される。

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