カウントダウン2
一方その頃の女性陣
買い物を済ませて、オープンテラスのような趣のあるところでミレイとアンジェリカはお茶を嗜んでいた。
ここは城下町でも上流階級の人達が出入りする地区。冒険者であるミレイとアンジェリカはそのままでは入ることはできないがそこは懇意にしている男爵の威光のおかげで身なりをキチンとすれば問題なく滞在できる。
「はぁ~。やっぱり都会はサイコーねぇ。」
「そうね。」
かたや美少女、かたや妙齢な女性。数多くの客がいるのだがその一角だけ大輪の花が咲いたように華やかな雰囲気が漂う。
「どちらの令嬢かしら?」「どこかの社交場で見かけたことある?」
ひそひそと囁かれている中近づく輩が2人
「ねぇ?君たち。よかったら・・・」
言うか言わないか、近づいてきた2人は倒れた。
きゃーわー。あまりもの突然の出来事に付近にいた人々が驚き騒ぐ。
「・・・・はぁ。どこでもなんであーゆーオトコはぁ近寄ってくんのかしらぁ」
溜息をつきながらミレイはこくりとお茶をすする。
「ちょっとミレイ!貴方またやったの?」
「アタイ。あーゆーのダメなんだよねぇ」
「・・というか、男全般ダメじゃない。」
ふんっ。と顔をそむけるミレイ。アンジェリカはやれやれと思いながら
「騒ぎになってきたわ。出ましょう。」
幾人かの人が集まる中、2人はささっと席を立ち移動する。
すれ違い様、倒れた2人にわからないようにヒーリングを施しておく。
「ちょっと、頸動脈すっぱりきれてたわよ!!!」
「・・さすがに血しぶきあがっちゃうとぉ面倒だからちょっと細工しといたぁ」
「殺すことないじゃない~~~~。」
「いや、死んでないし。アンタも蘇生してないっしょ♪」
「確かにそうだけど。ほんっと男嫌いなのねぇ。こんなにかわいいのに」
「かわいい=男好きって思う方がおかしいわよ。」
「だってかわいいから、寄ってくるいろんな男選び放題じゃない?」
アンジェリカはミレイをのぞき込む。
ナメクジやGをみるような目でミレイはアンジェリカを見返した。
「・・・そろそろ着替えないと間に合わなくなっちゃうわね」
めちゃくちゃ遅い時間に俺達は男爵の家に向かった。
もっと早く来ると思っていた男爵はイライラを通り越してお怒りモードに入っていた。
ぐちぐちといろいろ言われたが「サーセーンー」と下々らしい挨拶をしてさらにお怒りを買う。
「いったい、どうなっているのだ!お前らの実力ならば、あのダンジョンのボスごときで失敗するはずではなかろう!?」
「俺らにもよくわかりませーーん」
「よくわからないとは何事だ?!なにか原因はあるのだろうが!!!!」
「・・・・・」
「もしかして謎の冒険者のせいなのか・・・?噂ではお前達のパーティから姿を消した者が獣人と一緒に奇跡的なことを起こしているという」
「・・・・な、なぜそれを・・・・」
吹き出しそうになるのをこらえながらなんとか返事をすると男爵は俺が苦しんでいると勘違いしたらしい
「あいわかった。度重なる依頼の失敗は冒険者ギルドから我々・・というか王の知ることとなっている。王の管理しているダンジョンでの任務も遂行できないとなるといささが問題がある。一度王の前で釈明の機会を設けようとなっておる。噂の冒険者が原因ということならば、私が一芝居打ってお前達を助けることとしよう。」
「・・男爵様の心遣いいたみいります」
「仕方あるまい。城での弁明の日はあさってだ。それまでにある程度の申し開きができるようにしておけ!!」
「わかりました。」
俺達は深く一礼をすると、懐に入れておいたものをすっと机の上にお・・・やばっ、さっき買った肉串の袋じゃん。
とたんに部屋にいい匂いが充満する。
俺の後ろに控えている奴らが「え?」っという雰囲気を出しているのもわかる。
男爵も机におかれた得体のしれない品をじっと見つめている。
時間がたっているせいか、袋から肉汁が染み出て机の上をつっ・・と滴っていた。
『おれのお夜食~~~~~』
心の中でOH!MY!GOD!とおもいながら、秒で、肉串袋を跳ね除け、何もなかったかのように、本来置くべきはずだった別の袋で肉汁を拭ぐった。
「男爵様 こちらがいつもの(ダンジョンでのドロップ品)ものと我々からの感謝の品々です」
来週月曜まで更新ありません。・・と、思いましたが、おもわず筆がのったので明日1話だけ更新します。