王都で「ざまぁ」できるかな?
俺達、勇者ご一行は馬車の中にいた。
王都まで半月・・もかかりやがる。なんでそんなド田舎にいるかっていうと
俺達の居る国は方々にギルドを通じてそれなりの冒険者を雇っている。
まぁ隣国とかからの防衛もかねてるんだけど、ちょうどよくダンジョンと呼ばれる
洞窟が東西南北の端に配置されており、そのダンジョン攻略も含めてるんだけどな。
俺達は指令に乗っ取って立ち回った結果、例の男爵の勧めもあり、国で管理しているダンジョン攻略を仰せつかっている・・というわけで王都よりはるばる遠方のこの土地に在籍してるってわけ。真の主人公がこの地にいるっていうこともあったんだけどな。
王都までなんどか馬車を取替、宿泊しつつ行くんだけど。
道中、ヒマ・・・
マジでやることねぇ。
一応名の知れた俺達なんで、馬車の護衛なんかいねーし、途中立ち寄る村とかにルルンは無ぇしただひたすらに時間が過ぎることだけを感じている。
居眠りしたくても、スプリングも効いてねぇ乗り物で直に大地との接触を感じてると眠るどころじゃねぇし。。。。
と、その横で豪快ないびきをかきながら寝ているダイノジさん。
あんたいつもパネェ。
アンジェリカは自分の尻にヒーリングかけながら、むずかしい顔で集中してっし、
ミレイも浮遊の魔法で浮いてるし、、、お願い!俺にもそれかけて!!!
と、必死の目線でミレイを見るも
『はぁ?なんでおっさんに私が魔法かけんのぉ?』
と、中指を●てての返答。うううう。そんなにおじさんじゃ・・ないよ?
仕方ないのでマントをこれでもかっていうぐらい小さく折りたたんで「座布団にして尻にひいてみた。」
おっ・・以外にイケる?俺のちょっと痔持ちの尻にもやさしい・・・。
もう何度もこういう世界に居ると、俺のまいすいーと尻穴が裂けるんだよ・・・
全然鍛えられないよぉ(ピエン 裏異世界あるある?みたいな。
家だろうが酒場だろうがとにかく硬いところしかねぇんだよぉぉぉぉぉぉ。
あ、でも男爵の家の椅子はイイネ!さすが男爵。ふかふかの椅子。早く王都つかねぇかなぁ。
いやね。走っていけば1週間ぐらいでつくんだけど、周りの目もあるからそういうわけいかないんだよね。
前の世界の時にめんどくさくて最終的に走って行ったらあとから指令で「馬車にはちゃんと乗ってください」って指摘されたし。。。。
他のやつらもウザ・・とか思いつつもやってんだろうな。
あまりにもヒマすぎて俺はぼんやりとこれまでのことを考え始めた。
俺達は基本、自分以外のパーティ参加者のことを知らない。ただ言えることはパーティを組んだ時点で俺達は同じ境遇だということ。
自らの意思でこの世界に来て、真の主人公を主人公にする為の存在。
俺は「ざまぁループシステム」って勝手に呼んでるけど、真の主人公がこの世界に認められて、俺達がこの世界から必要とされなくなった時点で終了。
ENDになるのは大抵、つかまって死刑になるとか、なんらかで殺されるとか、、が多いかな。そのあとはまた別の世界に行って同じように真の主人公をさがして、主人公になれるようにサポートする。
それの繰り返し。
ただ、俺達だけだと、どこに真の主人公が居るのか?とか、新しい世界でどう行動すればいいのか?ということが分からないのでパーティの中にその方向性を示す指南役が大抵一人は居る。
居ない場合はルルンに行くとスーツを着た小太りのおっさんがルルンに行くたびに指令を俺達に出してくる。
今のパーティだとアンジェリカが指南役だ。あいつの手元にある手帳にこれからやることや注意すべきことが指令として届く。
この「ざまぁループシステム」のルールとしては
・他人に自分の境遇を語ってはいけない。
・何度ループしているのか、もしくはループに関して口にだしてはいけない
・ループ解放条件は個別による
・指令は絶対遂行する
ただし、このパーティを組む全員がオレが参加している意味と同等の意味を持っているハズなので、口にださなくてもループしているってことは共通認識なんだよなぁ。指令を出してくる上もそれを承知である程度の発言については大目をみてくれているし、ルルンという息抜きの場所も用意してくれている。ステータス関連も実はかなり良い。本気だしたらこの世界マジでぶっ壊せるぐらい。こんな良好な条件(?)の元で俺は今、99回目のループをしてる。ざまぁされる為に生きている。
俺の犯した罪が、いつ贖罪されるかはわからねぇ。