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春愁の影

作者: 森林樹木

時間は絶えず過ぎ去る。

今のままの私でいたいのに

次の瞬間には別の私がここに立っている。


時間が過ぎていく。

出来ることなら今の姿のままいなくなりたい。

何度思ったことか。


時間が過ぎていく。

こんなことを考えている間にも

時間は刻々と過ぎては去っていく。


時間が過ぎていく。

タイムリミットは近づいているのだ。

早く答えを出さなければ。


時間が過ぎていく。

止めることは簡単だ。

それでいて難しい。

それは悲しく、苦しく、

そして、美しい。


時間が過ぎていく。

人は最後の瞬間に強い輝きを放つものだ。

ならば、美しい私のまま舞台の幕を下ろそう。


時間が過ぎていく。

そうすれば若くいきいきとした姿のまま

皆の心の奥底に棲みつき、永遠にそのままでいられる。


時間が過ぎていく。

いつか年老いて、死んで、人々の記憶から消えてしまうのなら

今、皆の心に深く刻み込もう。

私という、ちっぽけな存在を。


思い立って走り出し、飛び立つ。

ほら、皆が私を見ている。

ちっぽけで美しい私を。


時間が止まった。


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