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チート能力解放するにはヘタレを卒業しなきゃいけない  作者: 植木鉢たかはし
駆け出し転生者ウタ
5/381

トラウマ

名前 マルティネス・アリア


種族 人間


年齢 18


職業 皇女


レベル 41


HP 5700


MP 4200


スキル アイテムボックス・剣術(中級)・体術(中級)・初級魔法(熟練度4)・光魔法(熟練度4)・水魔法(熟練度3)・氷魔法(熟練度2)・雷魔法(熟練度2)・回復魔法(熟練度1)


ユニークスキル 王室の加護・魔力向上


称号 次期女王・不屈の精神・甘い物好き




名前 マルティネス・エヴァン


種族 人間


年齢 49


職業 国王


レベル 57


HP 6500


MP 5000


スキル アイテムボックス・剣術(上級)・体術(中級)・初級魔法(熟練度7)・光魔法(熟練度4)・炎魔法(熟練度4) ・風魔法(熟練度4)・水魔法(熟練度3)・威圧(超上級)


ユニークスキル 王室の加護・魔力向上


称号 現国王・極楽椅子・親バカ




 …………。

 お二人の許可をとってステータスを覗かせていただきました。どうやら、鑑定のスキルは相手の許可があればレベル差関係なくステータスを覗けるらしい。


 それはいい。

 色々突っ込みたい。

 てかアリアさん、一つしか違わなかったのか。



「……さっきの、これか」



 一周回って冷静になる。鑑定を発動させているからか、スキルの説明までちゃんと見える。

 一番最初に気になったのは『威圧』だ。



威圧……対象に威圧をかけることができる。効果は相手のレベル、自身の階級によって大きく変化する。



 さっきエヴァンさん……で、いいんだよね? と会った瞬間、きっとこのスキルを発動させていた。超上級の威圧に、レベル1の僕じゃあ……あんなの耐えられるわけない。



「すまなかったなウタ君。立場上、この国の国民の顔は把握している。見知らぬ顔がいると、敵国のスパイではないかと思ってしまってな」


「い、いえ! 大丈夫です全然!」



 あと気になるのは……うん、称号はめちゃくちゃ気になるけどスルーしよう。あえて。あえてだよ!?



「この……『王室の加護』っていうのと、『魔力向上』っていうのは?」



 説明書きはこうだ。



王室の加護……王家の人間を守るため、先祖から受け継がれたもの。連続しての使用不可。蘇生は出来ない。


魔力向上……魔力が向上する。



 分かりづらいよ! 魔力向上に関しては説明になってないよ!



「あぁ、魔力向上、っていうのは文字通りだ。普通はMPってHPの半分ちょっとくらいなんだが、これを持ってるといくらかかさ増しされるんだ」


「へぇー……」



 スッゴい便利だ。



「それから、王室の加護だが……これは時と場合によるかな」


「時と場合?」



 それって不便なんじゃ……。



「例えば、一時的にHPかMPを向上させたり、傷を異常なスピードで治すこともできる。蘇生だけは出来ないが、それ以外のサポートならおおむね可能だ」


「めっちゃ便利だった!」



 そんなスキルがあるのか……。面白い。



「そうだ、アリア。俺はこのあと隣国の国王との食事会がある。彼のことはお前に任せよう。こちらのことを色々教えてあげなさい」


「はい」



 アリアさんが答えると、エヴァンさんは優しく微笑み、屋敷から出ていった。……それにしても、



「広いお屋敷ですね……」


「まだそんなこと言ってるのか?」


「だって、ここに二人で住んでるって……使用人とかは、いないんですか?」


「んー……」



 なぜか少し考え込んだアリアさんは、僕にその理由を語る。



「あるときから、なくしたんだ。使用人は」


「じゃあ、前はいたってことですか?」


「そうだ」


「ならなんで……」


「それはズバリ、経費の削減だ」


「…………は?」



 やっば! 思わず素で返しちゃったよ! 次期女王様に向かって! うひゃあーーー!



「使用人を雇うのは国の金だ。その資金を街の復興にあてた」



 怒られなかった! よかった、本当によかった! ……って、え?



「復興?」


「実はな……少し前に、この街をドラゴンが襲ったんだ」


「ええっ!?」



 ドラゴン……っていったら、すでに僕のトラウマだ。だって転生して間もないときに急に襲われ、家を失ったのだ。ヘタレな僕のトラウマにならないはずがない。



「ドラゴンは基本、気高く、知能が発達した魔物の上位種だ。言葉だって通じる。だから、人里を襲うなんてことは今まで一切なかった。お前の家が焼かれたというのも正直なところ驚きだ」


「……ていうか、魔物、入れないはずじゃ…………」


「あのドラゴンは、結界を破壊して入ってきた」


「うっそぉ!」



 やめてよ! 街でゆっくりしている間くらいは心を休めさせてよ! ただでさえ心臓100個くらい欲しいってのに……。あ、今は実質2つあるけど。



「入ってきたドラゴンは凄まじい力で、私たちはなにもすることが出来なかった。街は一時、壊滅的な状況だった。

 ……だから、あー、なんだ? 使用人の雇用をなくし、その給料を復興にあてたんだ。少しでもプラスにと思ってな。父上と私の意思でそうしたんだ」



 少しずつ、状況が飲み込めてきた。どうやらこの世界に、『絶対安全』はないらしい。いや! 地球上だって絶対安全とかないんだけどね? 度合いが違う。

 日本じゃあ普通に過ごしていて命を狙われることもなければ、魔物が襲ってくることもない。そういう面で、大きく違うのだ。



「さて、おしゃべりはこの辺りにして……お前に色々教えないとな」


「え?」


「さっきも言ったが、自分の身は自分で守らないといけない。基礎的な戦いかたなら教えてやる」


「あの」


「奥に試合用の競技場がある。ちょうどいい。そこで相手をしてやる」


「あのーーー!!!」



 ……嫌な予感がする。これは、ヤバい。

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