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空へ  作者: 上田謡子
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27、救い(下)


 窓から差す茜の光に照らされた壁には、様々な大きさの弓矢や刃物がかけられていた。部屋にあるのはテーブルと三脚の椅子、暖炉くらいのもので、ずいぶん質素だ。テーブルの上には、イヴォンヌが用意した大きな羊皮紙が広げられている。その表面には、黒いインクで地図が描かれていた。


 シンディは右手に持っていたペンを置くと、ほっとため息を吐いた。


「完成ですね。ありがとうございました、ヨハンさん」


「なに、礼には及ばないよ。それにしても、器用に描くもんだなあ」


 隣に立ったヨハンは、シンディが描いた地図をしげしげと眺める。濃い茶色の髪と瞳をした、三十前後の長身の男だ。


 ヨハンは、カトリーンが連れてきた男だった。記憶力がずば抜けており、ここ一帯の地理を一本一本の木の位置まで完璧に把握しているのだという。彼の力を借りて、シンディは村周辺の地図を完成させたのだった。


 シンディが地図を描く様子を黙って見守っていたカトリーンが、椅子から腰を上げた。


「んじゃ俺は、イヴォンヌさんを起こしてくる」


「お願いします」


 シンディが言うと、カトリーンはうなずいて部屋を出ていった。疲れているだろうことを見こして、イヴォンヌには仮眠をとってもらっていたのだ。


 ヨハンが地図から目を離さないまま、シンディに尋ねる。


「それで、あんたらはこの地図を使って何するんだ?」


「イヴォンヌさんが、場所ごとの土の状態を調べて、地図に記録すると言ってました」


「はーん……難しいことするんだなあ」


 ヨハンは顔を上げると、なあ、とシンディに呼びかけた。


「俺、ほかにできることないか? と言っても俺、記憶するくらいしか、取り柄ないんだけどさ」


 目を細めたヨハンの視線が窓へと向く。向こうにあるのは、じりじりと落ちていく、赤色の陽の光にたたずむ家々だ。


「大変なんだよ、生活基盤を移すのは。移動もそうだし、場所を見つけたら見つけたで、そこから家建てたり罠をしかけたりしなきゃならないし。移らないで済むなら、それが一番いい」


 ちょうどその時、カトリーンがイヴォンヌを連れて戻ってきた。眠ったおかげか、顔色が大分良くなっている。


「イヴォンヌさん、ヨハンさんが、他に手伝えることはないか、とおっしゃっているんですけど」


 シンディが言うと、イヴォンヌはヨハンを見やった。


「そうですね……それなら、明日の朝、またここに来ていただけますか? 人手があった方が良いので」


「わかりました。それじゃ俺は、今日のところは失礼します」


 ヨハンはうなずくと、一同に別れを告げて出ていった。その背中を見送り、イヴォンヌが疑問を口にする。


「ヨハンさんは、この村の方にしては口調が丁寧ですね。……あっ、いえ、その、この村のみなさんの言葉が乱暴というわけではないんですが……」


 慌てたふうでとりつくろうイヴォンヌに、カトリーンは笑って手を振った。


「いい、いい、わかってる。ここの連中はみんな口が悪い。ヨハンはちょいと特別なんだよ。毛皮の取り引きで商人と交渉するのが仕事だから、言葉遣いを知ってんだ。異国の言葉も多少はしゃべる。学者のあんたには及ばんだろうが、あいつはものを知ってて、頭がいい。……それにしても」


 カトリーンは、シンディに目を向けた。


「あんた、ヨハンと地図を描いてる時、本当に一生懸命だったな。てめえを殺そうとした村のために、よくやってくれてるよ。今朝うちに来た時は、何が何だかよくわからねえのもあって、そっけなくしちまったが……悪かったな」


「いえ。……あの、カトリーンさん」


首を振ったシンディは、カトリーンに呼びかけた。ハインとケーリーが森から帰ってくる前に、聞いておきたいことがあったのだ。


「聞かなければならないことがあるんです。今、すぐに」


「何だ?」


 カトリーンは不思議そうな顔をするも、椅子に腰を落ち着けた。その横で、イヴォンヌもまた席につく。シンディは立ったまま、単刀直入に切り出した。


「私たちは、ハインさんがホワイトであることを知っています」


 カトリーンの肩が、びくりと小さく揺れる。やはり、とシンディは思った。ハインがホワイトであることは、カトリーンとハインだけの秘密だったのだろう。シンディは早口で言いそえた。


「大丈夫です。知っているのは私とケーリーとイヴォンヌさんだけですし、秘密にします」


 シンディは今になって、ケーリーがイーニッドから言われたことの意図を理解していた。


『その時におばあちゃんが言ったのが、今のお前に話していいものかわからない、どうしても知りたければ、アーデンの地で偉い学者になって、ディーラゴン山脈の全てを調べろ。そして、人間という生き物をよく見て、いつも考えていろ、ってことでした』


 人間は、恐怖で暴走するものだ。


 もし、ホワイトが人の姿にもなれる存在であり、人に混じって生活していることが世に知られれば、ホワイト狩りが起こるだろう。


 あの怪しい女はホワイトなのではないか、夜によくいなくなるあの男も、もしかしたら……そんな疑心暗鬼がうずまき、実際にはそうでない者も、ホワイトだと疑われ殺されるということが起こりうる。惨たらしい殺し合いにもなるかもしれない。


 イーニッドはケーリーに、そういうところまで考慮に入れて行動できる人間になってほしかったのだろう。ホワイトの真実を探り当てる前に。


 思慮分別のある大人ならまだしも、ケーリーはまだ十歳の子どもだ。これから先、何かの拍子で口をすべらせ、悲劇の種をまいてしまうかもしれない。もうどうしようもないことだが、ケーリーは、知るには早すぎた。イーニッドが怖れていた事態に、もうなってしまっているのだ。


 テーブルに乗せた手をぎりりと握ると、シンディは言葉を続けた。


「ここに来る途中、私たちはディーラゴン山脈を通りました。そこに住む一族の方から、ホワイトについて記した手紙を頂いたんです。その内容は、ホワイトは、アーデン人に攻め込まれる前まで山脈に生息していた、ディーラゴンという生き物と似ている。ホワイトは、ディーラゴンの生き残りの雄と、その他の何かの生き物の、相の子かもしれない、というものでした」


「なっ……!」


「待ってください。もう少し、聞いてください」


 目を丸くして立ち上がりかけたカトリーンに待ったをかけ、シンディはゆっくりと話す。


「私は、魔術師としての知識と、その手紙の情報をもとに、二つの予測を立てました。そのどちらが正しいのかは、カトリーンさんの答え次第です。カトリーンさん。本当に、本当に失礼なことを聞いてしまいますが……ハインさんは確かに、ご自身と、お亡くなりになった旦那さんの子であると、断言できますか?」


 沈黙が流れる。カトリーンは、眉間にしわを寄せ、シンディをにらむように見ていた。


「……俺とあいつの子だ。絶対に」


 静寂を破った声は、怒りに満ちていた。


「昨日のことのように覚えているぞ、俺は。春の終わりの夕方だった。あの子が……ハインが産まれ、半年が過ぎて、俺と旦那と、お袋とで話したもんだ。ハインの目は俺に似てる。唇は父親似だってな。ハインは、俺とあいつの子だ、確かに。化け物との相の子だなんざ、そんなふざけた話はないっ」


 声を荒げるカトリーンに、シンディは慎重に尋ねる。


「それでは、カトリーンさんが妊娠なされてから、ハインさんが産まれるまでの間に、何か奇妙なことは起こりませんでしたか?」


 思い出そうとしているのか、カトリーンの視線が宙を泳ぐ。しばしの間の後、ああ、カトリーンの唇から声が漏れた。


「そういえば、妙なものが降ったことがあったな。春だ。冬でもねえのに、空から雪みたいなもんが降ってきたんだ。特に害はなかったが、奇妙だったし、結局あれが何だったのか、わからずじまいだな」


 多くの生き物にとって、繁殖の季節は、春だ。


 シンディの頭のなかで、いくつもの欠片が集まり、一つのかたちを作る。


「あくまで、推測ですが」


 シンディが語りだそうとしたところで、扉が開かれる音がした。姿を見せたのはハインと、少し疲れていそうではあるが、目を輝かせているケーリーだ。


「イヴォンヌさん! シンディさん!」


 興奮した口調で、ケーリーはまくしたてた。


「あの、もう少したくさん歩かないと、わからないですけど、僕もしかしたら、すごい発見したかもしれないです! 今日森をあちこち歩いて、気づいたことがあって……!」


「ケーリー」


 隣に立つハインが、ケーリーの肩に手を置いた。


「明日も歩いて、確かめてから話そう。みんな、別の大事な話をしてたみたいだからな。いいか?」


 ハインを見上げたケーリーの眉が寄る。ハインはその場にしゃがみ、ケーリーと目線を合わせた。


「お前は、立派な学者になるんだろ? 立派な学者は多分、ものを話すタイミングがくるのを、待つことができる方が、いいと思うぞ」


 はっとしたふうで眉間のしわをしまうと、ケーリーはこくんとうなずいた。その頭を、偉いぞ、と言いながら、ハインがくしゃくしゃと撫でる。


 腰を上げたハインが、こちらに視線を向けた。


「大事な話の途中のように見えたんだが、俺も聞いておいた方がいい話か?」


 イヴォンヌが問うようにシンディを見る。シンディは迷わず、はい、と答えた。一瞬、ケーリーは別の部屋にいさせた方が良いかもしれない、という考えがよぎったが、肩を落として思い直す。もうすでにケーリーは、ホワイトが人に混じって暮らしているということまで知ってしまっているのだ。中途半端な情報だけ与えておくより、全てをきちんと伝えて口止めしておく方がましかもしれない。


「ホワイトとは、結局何なのか、という話です」


 表情をかたくしたハインの視線を痛いほどに感じながら、何かに急かされるように、シンディは語りだした。


「私は、この村のものの考え方をよく知らないんですが、〈魂ノ母〉〈魂ノ父〉というものを、知っていますか?」


「ああ」


 カトリーンが姿勢を正す。


「人とは、偉大なるクェーサルとフィンタンとの産みける魂、そして人の子の産みける肉体、二つの合わさりしものなり」


「はい、それです。結論から言えば、ホワイトとは、ディーラゴンと呼ばれた、かつてディーラゴンの魂と、〈魂ノ母〉〈魂ノ父〉より授かった人の魂の、二つの魂……竜の魂と人の魂を持つ人間、ではないかと考えます」


 カトリーンとハインが首を傾げる。カトリーンに対し、ディーラゴン山脈での出来事をかいつまんで説明すると、シンディは噛んで含めるように言った。


「ディーラゴン山脈の一族の方の手紙には、こう書かれていました。たった一匹生き残った雄のディーラゴンが、ともに子を成す相手を見つけられず、自らの種をばらまくようになっているのではないか。その結果産まれたのが、ディーラゴンと人の相の子、ホワイトなのではないか、と。それを読んで、私は二つの推測を立てました。まず一つが、ホワイトは竜と人の相の子であるというものです。でもハインさんの肉体の父親は、雄のディーラゴンではなく、亡くなったカトリーンさんの旦那さんです。よって、この推測は正しくありません。もう一つの推測は、雄のディーラゴンが撒いている種は、竜の魂の種であり、それが植えつけられるのが、人の妊婦のお腹の中の子なのではないか、というものです。そしてさっきの、カトリーンさんが妊娠した後、不思議な白いものが降ってきたという話」


 身を乗り出して、シンディはカトリーンに問いかける。


「カトリーンさん。その白いものを、体に浴びたのではないですか?」


「浴びた」


 上ずった声で、カトリーンが即答する。


「ちょうど外に出てた時に降りだしたんだ。あいつの帰りがいつもより遅かったもんだから、様子を見に……そうか……そうなのか、あれが、あれが元凶だったのか」


 テーブルに両肘をつき、カトリーンは頭を抱えた。丸太のように太い二の腕がぶるぶると震えている。ドタ、とハインがよろめいた。右手を壁について体を支え、左手を額にあてている。左手の下にのぞく銀細工の瞳は、宙の一点を刺すようににらんでいた。


 シンディは、腹に力をこめ、断言した。


「ハインさんは、人間です。人の子です。私やイヴォンヌさんや、ケーリーやカトリーンさんと同じく、人の魂と肉体を持つ、人の子です。ただそれと合わせて、ディーラゴンの、竜の魂も持っているというだけのことです」


「だから何だ!」


 ハインの怒鳴り声が響く。はっとして見ると、銀のナイフの視線が、シンディに突き刺さっていた。


 ハインの右の拳が壁を殴る。静まり返った部屋で、怒りが掻き鳴らされた。


「だとしても俺が、ずっとこの先、人を食って生きていかなきゃならねえことに変わりはねえだろ! 人間の俺が、人間を食わなきゃいけねえってことは変わらないんだろ? 今夜だって俺は、西の孤島に飛ばなきゃならねえんだ。それならいっそ、ただの化け物だった方がましじゃねえか! 俺は……俺は……」


 ハインの体が壁をつたって、ずるずると床に沈みこむ。カトリーンが勢いよく立ち上がった。


「ハイン、聞け、お前が食ってきたのは人じゃねえ。大罪人だ、人だなんて呼べない奴らだ。お前は人なんて食ってねえ」


 うなだれたハインが、ゆるゆると首を振る。口元に、うっすらと笑みが浮かんでいた。


「お袋。それは、俺の気を楽にするための嘘だろ。人だ。罪人も人だ。俺は知ってる。俺を見て、逃げまどうしかない、人だった」


 顔を上げたハインの目は暗かった。シンディは思い出す。あの神殿の、仄暗い地下室を。


「お袋」


 さっきまで怒鳴っていたのとは裏腹な、か細い声で、ハインは言った。


「俺はもう……死にてえよ」


 喉の詰まる静寂が張る。シンディは、自分の指先が冷たくなるのを感じた。


 ――愚かだった。


 自分が人間だと確信することはきっと、ハインにとって救いになるだろうと思っていた。だが、違った。ハインが今確信してしまったのは、己が人を食う人だということだ。


 突然、イヴォンヌが動いた。開けっ放しになったドアへと、足を向けている。


「ずっと考えていたの」


 ゆっくりと歩きながらぼそぼそとつぶやいたイヴォンヌは、待ってて、と言い残して、部屋から立ち去った。誰も動けないまま、まもなく戻ってきたイヴォンヌは、あるものを持っていた。


「熱魂石柱……?」


 ケーリーの唇から言葉が漏れる。褐色の手に握られているのは、大人の男の人差し指ほどの太さと大きさの、黒い棒だった。


「マリアン博士が、土の成分の検査機器に使うものの予備としてくれたもの」


 無表情で淡々と説明したイヴォンヌは、カトリーンに尋ねた。


「これを叩き割れるようなものを、貸していただけますか?」


「……あ、ああ」


 戸惑う様子を見せながらも、カトリーンは、壁にかかっていた小ぶりのハンマーをイヴォンヌに差し出す。


 テーブルに真っ黒な表面の熱魂石柱を置き、慣れない手つきでハンマーを構えたイヴォンヌに、カトリーンが待ったをかけた。


「下に何か、布を敷いた方がいい。ちょっと待ってろ」


 てきぱきと動き、ぶ厚い茶色の毛皮をテーブルに広げると、カトリーンはイヴォンヌの顔をのぞきこむ。


「俺がやろうか? あんた、こういうことに慣れてないだろう?」


「いいえ」


 きっぱりと、イヴォンヌは断った。


「私がやらねばならないの。工学者の私が……ハインの人生を狂わせたもので、生きている私が」


 強く握ったハンマーを、イヴォンヌは熱魂石柱に振り下ろした。ガン、ガン、と規則的な鈍い音が、シンディの腹の底を揺さぶる。


 ディーラゴンの魂の種が降るようになったのは、もとはと言えば、アーデン人がディーラゴン山脈に攻め入ったのが原因だ。工学の発展、国の発展に必要な、熱魂石を手に入れるために。その代償を払わされているのが、竜の魂を植え付けられた人間、ホワイトだ。そして、そうした犠牲のうえに、イヴォンヌの発明は成り立っている。


 音が続いている。イヴォンヌの振るうハンマーが、熱魂石柱に叩きつけられる音が。


 シンディは、杖を腰布から抜かないまま軽く握り、口の中で呪文を唱えた。


 ちょうどハンマーが熱魂石柱に当たったタイミングで、パキン、と乾いた音がした。真っ二つに割れた黒い棒の内部から、紫色に淡くぼうっと光る、小指の腹ほどの大きさの石がこぼれでる。


「何だこりゃ……」


 カトリーンが目を丸くする。イヴォンヌは荒い息でハンマーを置いた。


「熱魂石。坑夫か、鉱石加工の技術者か、工学者でもない限り、見ることのないもの」


 漆黒の筒から現れた五つの熱魂石を拾い集め、左の手のひらに乗せると、イヴォンヌはハインの前にひざまずいた。工学者の黒い瞳と、ホワイトの銀の瞳が、線を結ぶ。


 イヴォンヌは、淡々としながら、しかしどこか熱を帯びた声で、言った。


「ディーラゴン山脈の一族の老人が話していた。ディーラゴンは、草と、〈魂ノ石〉……熱魂石さえあれば、大人しい良い生き物だったと。ディーラゴンの魂を植えられたあなたは、これを……〈魂ノ石〉を、食べられるのではないの」


 聞こえているのかわからないほどに、ハインは目の前に差し出された紫に光る石を、食い入るように見つめている。


 やがてハインは、体を前に突き出して首を伸ばすと、イヴォンヌの手から石を一粒、獣のように口に頬張った。ごくり、とハインの喉が大きく動く。


「……ああ」


 みなが固唾を呑んで見守るなか、ハインの薄い唇から感嘆の声が漏れた。


 イヴォンヌとの距離を詰めると、ハインはがつがつと残りの石を口に含んだ。白い喉がごくり、ごくりと波打つ。


 石がなくなると、ハインはまぶたを閉じ、自らの腹に手をあてた。閉じられたまぶたの淵から、つう、と一筋の涙がこぼれる。


「イヴォンヌ」


 ハインの声は、湿っていた。


「俺は、俺はもう……人間を食わなくて、いいんだな?」


「ええ、そう。きっと、そう」


 ぎこちなく伸ばされたイヴォンヌの細く浅黒い右手を、ハインの大きな白い両手が、包むように、祈るように握った。いつまでも、いつまでも、ハインはその手を、離さなかった。


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