医者だって重病ぐらいあるぞ
まったーりしてますが、このペースこそ自分の思い描きたい世界がはっきり表現できるのでな
決してサボってません
ザック・ヒューベルグは医療学界において今時勢最も優れている医療博士であり、34歳の時点で幾数の病原体の正体を明かした実績を誇っている有名な男である。
新型のウィルスの研究や細胞の急激的な異変などについて数々の論文に名前を残し、彼の名前を知らない医学者はもはやこの世にはいない。
彼の研究所に入りたがる生徒は皆彼の実力を追って弟子にして貰えるよう勉強に励むものばかり。
ただし、今のところ彼の元で学んでいる学生は多数男であり、僅か居る女性の研究者は皆こう発言している。
「先生、女が苦手でなんか可愛い。」
週に一度、学者を集めて国の病院にいる患者の様子を伺いそれぞれに学生を担当させ状態を確認し発表を促しているが、ザック氏は女性の番になると必ず一歩を引いて指示を出してしまう。
無意識のうちではあるが、彼はもれなく女のことを怯えているのである。
その理由は中学時代の彼にあった出来事にある。
当時の彼もまた真面目で勉強以外に興味を示すことは無かった。趣味であろうと女であろうと彼には無縁な世界となっている。クラスの仲間に不思議がられて彼と接するものほぼいなかった。
そんなある日、皆のあいだに彼はホモではないかという噂が流れ始めた。それを確認するよう女子のあいだにザックを動揺させる張合いが始まったのである。満足出来るリアクションが貰えればその人は間違いなく学校において一番の美人であるという称号を与えられるなどと。
そのため、多くの女子に絡まれてザックは毎日必ず女子に揶揄われ、次第に弄られるようになってしまったのである。
そして悪質な虐めさえ始まった。
腐った牛乳を勉学に励む彼の頭に注いでしまったことがあり、それでも動揺の様子を見せない彼を女子は「うわあ、乳ぶっかけられてもビクッとしないの?それとも趣味?ご褒美?キモイんだけど」など笑われて、とうとう彼を限界まで追い詰めてしまったのである。
学校では虐め問題となったことで名を知られた彼はとにかく事態を忘れたいと願い、家に引きこもってテストのため以外、外に出なくなったのである。
女は怖い。周りの人は無関心。
だけどなぜ人間はそんなことが出来るか気になった彼は好奇心がためだけに病気について勉学の焦点を当て、現在に至る。
たしかに不思議な男である。
皮肉の如く今も女子学生には愛情をもってからかわれている身となってしまった。
その事例のひとつは。
「あ、ザック先生!独りでどこへ行くんですか?」
2人の女性は可愛らしい先生を見かけて真っ直ぐ飛び出してザックの背中に一人は抱きついた。
「ねぇねぇ」や「何するの?」など、かまって欲しいかのように2人はしつこく先生に聞き出していた。
ザックは無反応でその場で固まった。しばらく返事を貰わなかった二人はそのうち表情を伺うことにしたが、顔を見たら女性は湧き上がる笑いを堪えることはなかった。
「やっば!先生死んでる!」
「先生!目のきらめき全部消えてるww」
一瞬にして彼の心臓は止まったかのようにザックは目を開いたまま気絶してしまったのである。
彼自身、治り用のない病気を患っている。
女がとてつもなく怖いでござる。
頑張ってザック先生