ギフト
綴られしこのコトノハが
あなたに届かんことを
祈る
思いはギフト
光と影の彩りが
虚構の死命であるから
価値
望みはいつも
過ぎゆく眺めに 恋をして
漏れ出す音と 引き換えに
裏っ返しの ジャケットで
綻んだ道 愛の囁き
あなたに あげたくて
痺れの毒は サラサラと
手繰り寄せる夜の
迷える森の薫香が
あなたに あげたくて
花弁の荒野 はらはらと
逃げ惑う夜風を
歌える鳥の紋様が
奪われしこの音の端が
彼方に響かんことを
鋳込む
祈りはギフト
寄り合う眺めに キスをして
触れ合う光 和らげに
裏っ返しの 機織りで
喜びの種 闇の輝き
あなたに あげたくて
氷の花は ザラザラと
手繰り寄せる夜の
鏡の奥の振動は
あなたに あげたくて
瑠璃の音叉が キラキラと
入り乱れる渦紋
授ける鳥の羽ばたきは