侵入および搬入
少年は、走っていた。
走る、その先の日常を信じて。
奔る、沈む太陽に追いつくほどの速さで。
疾る、自分の走る道すら知らずに。
とは言ったものの、なんとなくラノベチックな展開に察してくるのだろうか、走る少年の顔には
若干の諦めがついている気がする。というのも、彼が走っているのは、富士の樹海かと言うぐらいの
深く生い茂った森なのである。見渡す限りの木、木、木、樹。うんざりする程の数である。
「はぁ、はぁ、もう、どれくらい進んだ・・・?」
息も切れ切れに呟く少年。それも当然、少年がこの森に「落されて」から早一時間、彼は走り続けているのである。限界を超える事はあるが、超えた後の保証までされるとはない、少年の体力はすでに限界である。
そんな少年の願いも虚しく、森の闇は深くなる一方である。
少年も、今夜は野宿と決心を固めようとした時、薄めながらほのかに、それでいて煌びやかな、
はっきりとした光が、少年の目に入った。本来光という物は明るさを求めるものであり、安心を求めるものだが、時には狂気を与えるものであることを、決して忘れてはならない。まぁ、この場合は狂喜であろうが。
「あ・・・あ、あぁぁぁぁぁ!ひかっ、光っ、光だぁぁぁ!」
先ほどまでの疲れは何処へやら、少年は一切のタイムラグ無しに駆け出す。駆け出す先には、光。
幾度となく転び、起き上がりを繰り返し、ついに辿り着いた光は。
浮く電灯、現代科学では実現不可能そうな青い炎。そして最も目を引く物は・・・。
当たり前のように共存する、ゲームに出てくるようなモンスターと、一般的な一般人の姿であった。
「・・・いや、何処だよ此処ぉぉぉ!」
おぉっと、言い忘れていた。この少年の名前は三日月木霊。もともとは高校生である。
時系列によって違う挨拶。はい、よろしくお願いいたします、島々と申します。語彙力なし、知識無し、
知能なしではありますが、頑張っていきたいと思います、以後よろしくお願いします。