表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/235

自転車にはきちんと施錠しましょう

合宿は3日間ですから今日で終了です。


勉強会という名目のお泊まり会は無事に終了へと向かっていくのでしょうか。

 3日目の朝。俺たちは盛大に寝坊をした。

 俺と翔が目を覚ましたのは12時。俺と翔は急いで居間に行ったがそこには誰もいなかった。結局、俺たちは居間で2時間くらい待たされた後、ようやく全員が揃って遅すぎる朝食をとることになった。

 この朝食(?)は、昨日の晩御飯だった母親たちからの差し入れの残りだ。朝食の途中で、『あ、カレーも残ってたね。どうしようか食べる?』と言い出した小町が皆に笑われている姿がとても楽しかった。


 そして、ロープウェーに乗ろうかという計画。これはもちろんボツになった。『まぁ、今日は寝過ごしちゃったし、仕方ないか。これが皆で集まる最後ってわけでもないだろうしね。』なんて言った翔のせいで、少しだけ東山さんのことを思い出したりもした。

 まぁ、とにかく、楽しかった3日間はこれで終わりってことだ。各々が部屋に戻って帰り支度をし、再び集まったときには五時近くになっていた。


「じゃ、みんな、気をつけて帰ってくれよな。家に着くまでがお泊り会だからなっ。」


 先生が言いそうなセリフを吐く翔はやっぱり面白い。そして、みんなそれぞれの家の方向に向かって帰っていった。

 俺?俺は小町のうちに自転車を置きっぱなしだし、あの大量の荷物を小町一人に持たせられないから一緒に小町の家まで行ったさ。あのお母さんに会うのはちょっと怖かったけどな。何言われるかわからないし。


「楽しかったねぇ。」


 小町はとてもご機嫌そうだ。それに、女子全員がご機嫌だったような気がする。たくさん寝たからかな?それとも女子会で楽しいことでもあったのだろうか。よくわからないけど、環菜の機嫌も治っていたみたいで安心していた。


「そうだね。俺もこういうの初めてだったし、楽しかったなぁ。」


 そんな話をしているうちに小町の家が見えてきた。俺の自転車はどこにあるんだろう。


「本当にねっ。」


 小町の家に着いた。俺の自転車は・・・見当たらないぞ?確かここに置いたはずなのに。


「あれ?自転車無い?」

「あぁ、無いなぁ。」

「ちょっと聞いてくるね。」


 そう言って、俺と巨大なキャリーバックを放置してさっさと行ってしまった。この荷物は俺のじゃないんだけどなぁ。仕方ない、玄関まで持っていこうか。そんなことを考えていたら小町が母親と出てきた。


「あらあら竹中くん。来てくれたのね?お母さんは嬉しいわぁ。ちょっと上がってお茶でも飲んでいかない?」


 来た。予想通りの展開だ。こういうことに備えて準備していたセリフがある。っていうかお母さんってどういうことだよ。


「あ、いえ、今日はもう遅いのでまた今度にさせてください。」

「そうだよ、お母さん。また今度にしようよ。」


 小町も俺の意見に同意してくれている。


「そう?せっかくお父さんもいるから、と思ったのに。」


 おいおい、小町のお母さんよ。俺に何をさせようとしているんだ?


「ちょっと、お母さん?いい加減にしてよね。それより夕人の自転車はどこなの?」

「あらぁ、小町。竹中くんのことを『夕人』って呼んでるの?それならお母さんも夕人くんって呼ばなくちゃいけないのかしら?」

「え・・・何言ってるのよっ、変なこと言ってないでさっさと自転車の場所教えてよっ。」


 母娘仲がいいのは分かるけど・・・はぁ・・疲れるなぁ。


「もう、小町ったら・・・夕人くんの自転車は盗まれたら大変だから車庫に入れてあるわよ。」

「わかった、ありがとう。もうお母さんは家に入ってていいから。」


 そう言って、まだ話し足りなそうなお母さんを無理やり退場させる。


「あらあら、もう小町ったら照れちゃって。可愛いわねぇ。それじゃ、夕人くん。今度は時間のある時にゆっくりと遊びに来てね。」

「はい・・そうさせてもらいます・・」


 何とも・・・小町のお母さんは有無を言わせず会話を進めるなぁ。


「・・ごめん、夕人。」


 小町が顔を赤らめて謝ってくる。


「いや、いいさ。それより車庫から自転車出さないと。」

「そうだね、こっちだよ。」


 そう言って車庫まで俺を連れていき自転車を出してくれた。


「さて、俺は帰るわ。またな。」

「うん、また今度ねぇ。」


 そう挨拶を交わして帰路に就いた。こんな感じで俺たちの楽しかった3日間は幕を下ろした。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


思っていた以上に内容の濃いものになっていますね。

なんとなく、これで終わっても良さそうなオチなんですけど、まだ終わりません。


少しだけ続いていきますので、もう少しお付き合いいただきたく思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ