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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第11章 Girls Night -女子会-
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女子会といえば!

女子会といえば猥談なのでしょうか。

四者四様のキャラが織りなす女子会トーク。

ちょっと期待しちゃいますね。

「さぁさぁ、女子だけの夜のお話し大会。猥談もありでいってみよぉ~。」


 実花の開会宣言で夜の女子会が始まるようだ。ここは翔の家の客間。今は女子部屋となっている。


「じゃ、ここでさっきの権利使っちゃおうかなぁ。」


 茜がとんでもないことを言い出す。


「えぇ、ここで?それってなんだかマズそうな感じがする・・・」


 小町も茜がどんな命令をしてくるのかちょっと恐れているようだ。


「ふふふ。えっとですねぇ。私が皆にする命令っていうのは・・・」


 誰かがゴクリと唾を飲む音が聞こえてくるほどの緊張感。


「今日のお話し大会では嘘をつかないということでぇーす。」

「えぇ、それって聞かれたことはなんでも答えないといけないってこと?」


 実花も少し焦っているみたいだ。後ろめたいことでもあるのだろうか。


「大丈夫大丈夫。どうしても言えないことは言わなくてもいいよ。例えば・・・そうだなぁ。言っちゃうと犯罪になっちゃうこととか。」

「あ~、そういうのはないわぁ~。」


 普通の生活を送っている中学生に、話すだけで犯罪になってしまうことなんてあるのだろうか。恐らくはない。つまり、この茜の命令は基本的に拒否できないということだ。何という恐ろしい命令なんだろう。


「えー、それってどうなの?なんかズルイ。だって、茜だけは嘘ついてもいいんでしょ?」


 小町が抗議の声を上げる。


「うーん、そうだよねぇ、それだとちょっと不公平な感じがするから、私も嘘つかない。うん。答えられることには答えるし、話せることは話すよ。だからみんなも正直に話そうよ。ダメ?」


 茜が自らにも有効な命令を出したとなると反論をしにくい。


「まぁ、茜も嘘つかないっていうなら・・・いっかぁ。」


 渋々ではあるが実花が同意すると小町も『まぁいいよ』と口を尖らせながら同意した。


「環菜ちゃんは?」


 環菜は部屋に戻ってきてから一度も口を開いていない。一応みんなと向かい合うように座ってはいるものの、心ここにあらずといった感じだ。


「え?あ、うん。いいよ。私も。」

「よぉ~し、じゃ、猥談ありの女子トーク開始ねぇ~。」


 実花の宣言で開幕する。それにしても、最初の言葉と違うのだが、それも彼女の愛嬌といったところだろうか。


「そうは言っても、何から話したらイイかな?」

「それだよねぇ~、じゃ、あたしからみんなに最初のしっつも~ん。みんなの将来の夢って何ですか?まずは茜から~。」


 おや?意外にまともな内容から始まったようだ。


「えっと私はね、やっぱりモデルかな。お姉ちゃんみたいになりたい。」

「あ、やっぱりそうなんだ?モデルってどうやってなるの?」


 小町が『やっぱりね。』といった表情で茜を羨ましそうに見る。


「んとね、オーディション受けて・・・受かったらかな?」

「茜ならなれそうだねぇ~。小町は?」

「私?私はね・・・あんまり考えてないんだ。何になりたいのかな?」


 少し照れくさそうに頭を掻く。


「え~、小町ちゃんとかって体操続けるんじゃないの?オリンピックとか目指したらいいんじゃない?」

「いや、それは無理でしょ。そんなにすごくないもん。」


 両手を顔の前で振って全力で否定する。


「そっかな?小町だったらできそうな気もしたんだけどね。あ、実花ちゃんは?」

「あたしはねぇ。特に特技とかもないし、OLになって東京で働く。」


 超現実的な目標。中学生ならもう少し大風呂敷を広げたような目標でもよいと思うのだが。


「なんか現実的だね。でもなんで東京?」

「え・・?」


 そう言って顔を赤らめる。途端に茜に詰め寄られる。


「なんで顔赤くしてるの?」

「・・・翔が、東大に行くって言ったから。」

「あー、そういうことね。それならわかるよ。」


 そう言って小町が実花の肩をバシバシと叩く。


「だよねぇ、そうでもないと実花ちゃんがこんな普通のこと言うわけないもんね。」


 茜も小町と一緒になって実花の肩に手を載せる。


「なんで?あたしだって考えることあるんだよ?」

「そうだけど~、いつも翔~、翔~、だもんね~。」


 茜が実花を弄り始めたようだ。こうなってくると手を付けられなくなってくる。


「そうだよ?いいでしょ。羨ましいんでしょ。」


 開き直った実花が、茜にやりかえす。


「そうでもないかも。いや、どうかなぁ。」


 本気で考え込む様子の茜。それを見て小町が笑いだす。


「あはは、だって杉田って面白いもんね。何やらかすのかって思うときあるし。」

「そうそう、あたしもそう思うのよねぇ。ほら、足草とかとは違うけどさぁ~。夕人くんと一緒に居ないと、な~んかやらかしそうな気がするんだよねぇ。」


 誰も気が付かなかったが、『夕人』という名前が出た時に一瞬だけ環菜が顔を上げた。


「だよねぇ、わかるわかる。あの二人って一緒に居るといい感じなんだけど、一人になった途端にダメな感じになるんだよね。」


 さすがに茜はよく二人のことを見ているようだ。


「うんうん、でも、一人じゃダメっていうよりは二人でいると何倍も力を出して来るって感じじゃない?」


 小町も負けてはいない。


「そうなのよねぇ。悔しいことに、あたしといるよりも夕人くんといるときのほうが楽しそうなのよねぇ。」

「それって、趣味が合うとかそういうことなんじゃないの?男の子同士でのなんかよくわかんないけどそんなのあるじゃん。」

「そうだと思うけど~、なんだかねぇ~。」

「わかるよ、それ。かまって欲しいんだねぇ。」


 茜が頷きながら実花の肩をたたく。


「あははぁ~、そんな感じかもねぇ。っと、そうだ、環菜は何になりたいの?やっぱりピアニストとか?そういうのかな?」


 自分に矛先が向いてきたところを上手く躱すかのように環菜にも声をかける。


「・・・私は、何になれるんだろう。」

「え?そんなの自分で考えるんだよ?」


 小町が当然のことを言う。


「そうだね。・・・私はね、音楽関係の仕事。ピアノでもなんでもいいから。そういう仕事をしたいなって思う。」


 環菜の顔に表情があまり浮かんでいない。淡々と語った。


「やっぱりね、そういう感じだと思ったよ。環菜の音楽とかの才能ってすごいもんね。」


 小町が腕を組みながら納得の表情を浮かべて、さらに続けた。


「でもさ、私が気になるのはみんなの将来のことよりも、今のことなんだよね。」

「なぁに?今のことって?」


 実花ちゃんが目を丸くして小町に聞き返す。


「うん、それはね?・・・どうやったらおっぱいが大きくなるのかっていうことだよ。」

「あぁ、そういうことねぇ~。それは茜に聞かなきゃいけないねぇ~。」


 ニヤニヤしながら実花が茜の顔を見る。


「え?どうやったら?・・・えっと、なんだろう?何かしたかなぁ。」


 珍しく茜が口ごもる。


「何かしてるんじゃないの?毎晩のように自分で揉んでるとか。」


 実花が意地悪そうな顔つきで茜のほうを見て。そして胸をガシっと掴む。


「うひゃ、何するの実花ちゃん。」

「うむうむ。何という柔らかさと大きさ。堪りませんねぇ~。」


 そう言って揉み続ける。


「いやぁ、やめて・・・」


 茜の顔に何とも言えない表情が浮かぶ。


「私は実花にも聞きたい。」


 小町がマジメな顔をして、未だに茜の胸を揉み続けている実花の胸を掴む。


「うにゃ、こ、小町?あたしの胸は大したことないよ?」


 やっと解放された茜はぐったりとしている。ここからは実花がさっきまでの茜と同じ状況に陥るのだろうか。


「やっぱり揉まなきゃダメなの?」


 そう言って小町は実花の胸を揉み続ける。


「や・・やめ・・・あたしは揉んでない・・」

「ほう、ならその方法を教えなさいよ。」


 小町の目が怪しく光る。実花の胸を揉むこを止める気はないみたいだ。


「ちょ・・小町、もう、やめて・・・」


 実花が耐えられないと言いたげな表情を浮かべてやめてほしいという懇願をする。


「だぁ~めっ。おっぱいを大きくする方法を教えてくれるまで放さないんだから。」


 そう言ってさらに激しく揉み続ける。


「わかったからぁ~、あたしのやってること教えるから・・・もうやめてぇ。」


 実花の声が泣き声の一歩手前のように聞こえる。


「では、教えてもらおうか。」


 おっぱいから手を放し、まるでドラマに出てくる悪役の如く実花に詰め寄る小町。それを固唾をのんで見守る茜。実はおっぱいの話あたりから目が逸らせなくなっている環菜。全員が実花に注目していた。


「その・・・大したことじゃないんだけど・・・ね?」

「うん。」


 そう言ったのは環菜だ。もしかするとこういったことに興味津々なのだろうか。


「毎晩、ダンベル使って体操して、豆乳飲んでる・・・」


 そう言って恥ずかしそうに顔を両手で覆う。


「そういうのしてるの?私は腕立て伏せしてたよ。」


 環菜が実花のフォローに入るように続けた。


「それは私もしてるよ。でも、大きくならない。」


 自分の胸を両手で押さえながら小町が言う。


「小町ちゃんはこれからなんだよ。」


 そう言って茜が小町の頭を撫でる。この姿もだいぶ見慣れたものになっている。


「そうそう。これからこれから。」


 実花も茜と一緒になって小町の頭を撫で、ついでに胸も撫でる。


「うっわぁ。な、なに?」


 驚いた表情で後ずさりする小町。


「うん、大丈夫。なんにもないわけじゃないよ。ちゃんとある。」

「そ・・・そりゃ、そうでしょー。無いわけないでしょー。」


 小町が実花に対して怒りをあらわにする。


「うんうん。だから大丈夫だって、ね?」


 茜が小町を慰める。


「悔しいっ、いつか見返してやるんだからっ。」


 小町が将来の反撃を宣言する。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


結局、真面目な話は長く続かず、おっぱいの話で盛り上がってしまいました。

確かに男子がいると話せない内容ですかね。

ダンベルに豆乳。それから腕立て伏せですか。

他にも方法がある様でしたら小町に教えてあげてください。

よろしくお願いします。

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