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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第10章 Heated battle -白熱戦-
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これってなんていう名前になる予定なんだ?

オセロ大会からはじき出されたような形になった翔と夕人です。

二人で何かをやろうとしているみたいですけど・・・何をしようと思ってるんでしょうかね。

 その後、少し休憩をとってからの第二回大会の開始。ここまでオセロにハマっていくとは思わなかった。はっきり言うと俺と翔は戦力外だったから第二回大会には不参加。もしかしてこのまま第三回、第四回とやっていくのだろうか。


「なぁ翔?」

「おぅ、言いたいことは分かるよ。」


 二人で居間の窓際まで行き、外に出て星空を眺める。時間は既に十時。第一回大会を始めてから二時間も経過している。女子たち四人は相変わらず熱い戦いを繰り広げているみたいだ。


「だよなぁ。」

「仕方ないんじゃないか?何かで盛り上がっちゃうことってあるからさ。」


 そりゃ、そういうこともあるけど、あれは行き過ぎじゃない?


「それにしたって・・・」


 ちょっと熱くなり過ぎだって。他のゲームもあるんだからそっちもやればいいのに。


「優勝賞品が魅力なんじゃないの?」

「あの命令権ゲットのやつか?確かにスゴイ賞品だとは思うけど、内輪でのことだぞ?そんなにむきになることじゃないと思うんだけど。」

「どこかキリのいいところで打ち切らないとなぁ。このままだと朝までやってそうだからさ。」


 いつの間にかオセロの盤面が二枚になっていて四人は静かに熱い戦いを続けている。そう言えば第二回大会は総当たりとか言ってたなぁ・・・まったく。


「あのさ、四人には好きにさせて、俺たちは俺たちで何かやってようか。」


 翔にちょっとした提案をしてみる。


「いいぞ?何やりたいんだ?」

「いや、何っていうのもないんだよなぁ。何か面白いことでもない?」

「そう言われてもなぁ。話を持ち掛けてきたのは夕人じゃないか。なんか考えろよ。」


 そうだよな。面白いものなぁ。あ、そう言えば、翔がいろいろ考えている発明みたいなものはないのかな。


「翔がさ、何か考えている発明品とかないのか?あるならそれを作るのとか手伝うけど。」


 そんなに深く考えていたことじゃなかったんだけど、翔が想像以上に食いついてきた。


「本当か?それは助かるっ。実は今考案中の乗り物があるんだよ。けど、どうにもうまくいかないんだ。一緒に考えてくれないか?」


 ガバッと肩を組んできて耳元でさらに続ける。


「これってうまくいったら結構面白いことになると思うんだよ。」

「どんな乗り物なんだよ。」


 まさかこの前の電動自転車か?あれはモーターが見つからないとかで諦めてたと思ったけど、もしかして見つかったのか?


「実はな。漕がなくても進む自転車だ。」

「ふむ、だから、人はそれをバイクというのだよ、翔。」

「いやいや、最後まで聞いてくれよ。例えばな?お前が歩くときってどう歩く?」

「そりゃ、両足で歩くけど?」

「だよな?でも、交互に足を出して歩くだろ?右、左、右、左っていう感じで。」

「当たり前だろ?そうしないと歩きにくいんだからさ。」


 きっとこいつはまた何かを説明するために回りくどいことを言うつもりなんだろうな。


「だよな。で、その時って体重移動はどうなってる?」

「体重移動?さぁ・・・考えたことないけど。」


 そんなこと考えて歩いてないよ。


「じゃあさ、後ろに体重かけながら前に歩けるか?」


 後ろに体重をかけて前に向かって歩く?考えたこともないけど。


「できるんじゃないのか?歩くのは足なんだしさ。」

「じゃ、やってみろよ。」


 ニヤニヤしている翔をよそに試してみる。少しだけ体を後ろに傾けて足を前に出そうとするが・・・


「あれ?足が勝手に後ろにいくぞ?」

「だろう?逆に体を前に倒してみろよ。」


 言われるがままに体の前方に体重移動してみる。


「おぉ、足が前に出てくる。」

「それを利用して、自動で動く乗り物が作れないかと思っているんだよ。」

「そりゃすごい。で、どこまで進んでるんだ?その試作品は?」


 面白そうな乗り物だ。イメージは全くできないけど、漕がなくても進む自転車みたいな?いや、自転車じゃ無理か体重移動ができないもんな。


「それがさっぱりさ。イメージはできてもどう作っていいのか見当もつかない。」

「なんでだよ。何かに乗って前に体重をかけたらいいんじゃないのか?」

「よく考えてみろよ。前に体重をかけたら車輪は後ろに動いちゃうだろう?」

「そっか。バランスを取ろうとする意思が働かなければそうなるのか。」


 これは難題だぞ?車輪が体重移動に合わせて前に進むようにしなくちゃいけないのか。それって無理じゃね?仮にできたとしても俺らではちょっと難しいんじゃないか?


「無理だと思うだろ?」

「思うわ。」

「だよなぁ。」

「傾きを感知するセンサーとそれを制御する機械、あとモーターとかいるって感じだよな。」

「そうなんだよ。どうやったらそんなもの作れるんだろう?」


 二人で頭を抱えこんで悩む。が答えなんて出るわけがない。


「もっと簡単なものにしないか?」


 こうして俺たちの夜は更けていった。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


どうやら翔の発明品の手助けをすることになりそうです。

体重移動で動く乗り物ですか。

見たことないですけど、聞いたことはある乗り物ですね。

それって確か・・・

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