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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第9章 act weird -奇妙な行動-
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ビバ!水着回!!

ようやくです。

お待たせしました。

楽しんで頂けるのかわかりませんが、どうぞごゆっくり。

 昼食が終わって十三時過ぎ。良い感じに外も暖かくなり、日差しも強くなってきた。

 俺たちは水着に着替え、プールの周りに集合した。うんうん、やっぱりプールといえば女の子の水着だよな。四人はそれぞれ自分の特徴を生かした(?)水着姿だ。


 小町はちょっと可愛らしい感じのワンピースで赤とオレンジのボーダー柄の水着。その幼い体つきから、まるで小学生のように見えないこともない。水着姿だといつも以上にちっぱいに磨きがかかって見えるがそんなことを口に出した日には生きて帰れないような気もする。そして、髪型をアップにしているせいで余計に幼さが増して見えてしまう。浮き輪を持たせたら、確実に小学生に見えるだろうな。


 環菜は白い無地のワンピース型。肩と腰のあたりには小さなフリルのようなものが付いていて、小町と比べるとかなり大人っぽい感じに見える。もしかするとそれは水着の色合いからもそう感じるのだろうか。大人の色っぽさはさすがに感じはしないものの、年齢相応に成長し、整ったスタイルを披露している。髪は小町と同様にアップにしているが小町に比べると髪が短いせいか、後頭部でまとめている。


 実花ちゃんはちょっと背伸びした感じのピンク色がベースの花柄ビキニ。髪はポニーテールでまとめられている。身長は決して高いとは言えないものの、中学生としてはしっかりと成長したスタイルで小町から羨望のまなざしを向けられている。男子なら誰もがその姿に目を奪われるのだろうけど、どうも実花ちゃんからいつもの陽気さが感じられない。どうしてなのか?それは茜が原因なんだろうな。


 そして、みんなが注目している茜。実花ちゃんと同じ花柄ビキニで、紐で胸のサイズを調整できるタイプ。赤やオレンジのような明るい色を基調としたものだ。中学生とは思えないその身長と大きな胸からは年齢以上の色っぽさまで感じてしまう。そして、それが背伸びをしているような感じを与えず、とても似合っている。腰回りにも同じ色柄のパレオを巻いていて、どこぞの海に居たら男たちの視線は彼女が独り占めにするのかもしれない。当然ながらスタイルは文句なしといったところで、その長い脚を惜しげもなく見せつけてくる。髪も一本にまとめるとかではなく、頭の右側で一部を花を模した飾りでまとめていて見目麗しい。さすがに、モデルの姉を持つ茜だとしか言いようがない。


 ちなみに俺は普通の海パンだ。小町に選んでもらったが派手でもなく、いたって普通の海パンだ。うん、男の水着姿なんか見ても楽しくないだろうから俺の説明はもうやめておこう。うん?どうしても細かい説明が欲しいというなら・・・なに?いらない?そうだよな。俺も自分の水着の説明なんてどうでもいいところだ。まぁそんなことはどうでもいいのだが、そう言えば翔はどうしたんだ?まだ来ないのか?


「お待たせしました。」

「お、遅いぞ?かけ・・・る・・?」

「うっわ・・・何それ・・・」

「ちょっとそれは・・・ねぇ。」

「うん・・・それはないよねぇ。」

「翔・・・バカなの?」


 俺たち全員から激しくバッシングされた翔の水着姿。それは黒のブーメランパンツにゴーグル。挙句の果てにはキャップまで被っていてまるで競泳選手のような出で立ち。何ゆえ、そこまで決めておいて右手の小脇に浮き輪を持っているのか。そしてどういう意味で左手にはシュノーケルと足ひれを持っているのか。全く俺には理解ができない。どうして自宅のプールでこんな格好をするのか。


「は?プールで泳ぐと言えばこのスタイルだろう?お前たちのその恰好は遊ぶ格好であって泳ぐための格好ではないぞ?」


 いやいや、だから、自宅のプールではガチで泳いだりしないんじゃないかな、普通は。


「翔さ・・・さすがにそれは・・・普通の海パンってないのか?」


 女子は一瞬だけ翔に目線を移動したが、そのあまりにも露骨な股間を目の当たりにして目をそらす。


「ん?あるけど?やっぱりこの格好のほうがウケると思ってさ。」


 確かに、お前の言う通りにウケはするけどさ。あくまで男同士の時のウケ狙いのほうがいいんじゃないか?女子たちが全員赤面しているぞ?目も逸らしてるしな。


「なら・・・そっちに着替えてきてよ、変態。」


 小町がソッポを向いて小さな声で言う。


「ふっ、変態か。俺にとっては最高の褒め言葉と思うのだが。」


 顎に親指と人差し指の二本を当てている。本人としては格好つけているつもりなのだろうが、いかんせん水着とゴーグルが相まって気持ち悪いことこの上ない。しかも、ゴーグルの色がかなり濃いから視線までどこを向いているのかわからない。確実に変態だ。街なかにこの格好の人間が現れたら連行されてしまうだろうな。


「その恰好のままだとさ、楽しく遊べないって。ほら、女子たちがさ?もうこっち見てないし。」


 翔の肩を軽く叩いて衣装チェンジを促す。


「わかったよ。けど最後にこっちをもう一度見てくれっ。」


 いったい何をしたいのか、女子たちにもう一度声をかける。小町たちは嫌々なのかゆっくりと翔の視線を戻していく。実花ちゃんだけはずっと翔のほうを見ていたのは秘密だ。特にその目線の先については。


「この俺の雄姿をしかと目に焼き付けておいてくれっ。」


 そう言って翔は俺たちにクルッと背を向けた。その途端、ヤツのケツが丸出しに。そう、まるでTバックのように。そしてそのケツとブーメランの間には割りばしがっ。


「フンッ」


 パキッ。


 地味な音とともにケツの割りばしが割れる。


「・・・・・」

「・・・お疲れ、翔・・・」


 実花ちゃんの『もうフォローできないよ』といった表情とセリフとともにケツ割りばしは無言で退場していった。よくやったよ、翔。お前のことは一生忘れないからな。迷わず成仏してくれ。俺にはできない一発芸だったよ。もっと他のこともできただろうに、あえてその路線に進んだその勇気は俺たち男たちの中では伝説になるさ。惜しむらくはこれを見た男が俺と浦川さんだけだということだ。



 あれからどのくらいの時間が経ったのだろう。女子たちはプールの中でビーチボールで遊んでいる。俺はその四人の楽しそうな姿をプールの縁に座って眺めていた。翔はまだ戻ってこない。この至福の光景を奴は見ないまま終わらせるつもりなのだろうか。そんなはずはない。こんな景色を見られるチャンスは二度はないだろう。見た目が小学生から大人までの中学生が一緒にプールで遊ぶ姿なんて。


「・・・お待たせしました。」

「おかえり。」


 翔は普通の海パンに履き替えて戻ってきた。その表情は何かをやりきった男の顔ではなく、やらかしてしまった男の顔だった・・・


「お前はよくやったよ。」


 ポンと翔の肩をたたく。


「もっと、ウケると思ったんだが・・・」

「そうだな。面白かったぞ。男たちしかいないところならな。」

「・・・そうか。今度はもっと面白い事、考えるわ。」

「その時は、俺にも声をかけてくれ。」


 相変わらず女子たちは俺たち二人を気にすることなく戯れている。


「ポロリ。あるかな。」

「あぁ、あるかもしれないな。」


 こうしてやましい男たちの想像はしっかり裏切られ、時間だけが流れていった。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


さて、ここでこの世界の生きる情報通、栗林実花さんにゲストで登場していただきました。

みなさん拍手をお願いします!

パチパチ


蛍石:いやぁ、よく来てくれました。実は前回のゲストは彼氏さんだったんですけどね。何も話してくれなくて途方に暮れてたんですよ。

実花:あ、そうなんですか?何か無茶振りしたんじゃ無いですか?

蛍石:いえいえ、決してそのようなことはなかったんですけどね。

実花:ふーん、でも、翔ってそういう人じゃ無いんで。きっとそちら側に落ち度があったんだと思いますけど。

蛍石:ハァ・・・そうなんでしょうかねぇ。

実花:そうだと思いますよ。

蛍石:で、では、気を取り直して質問をさせてもらってもいいですか?

実花:いいですよ。何についてですか?

蛍石:いやぁ、水着回でのゲストに対する質問といえば当然決まってるじゃ無いですか!

実花:ハァ。なんでしょう?

蛍石:女性陣のスリーサイズと身長ですよ!

実花:ほぅ。それを私に聞きますか。

蛍石:だって、情報通が売りじゃ無いですか?最近の出番といえば。

実花:それはそちらの都合でしょう?

蛍石:まぁ、そうなんですが。

実花:ま、いいわ。仕方がないから私の知っている範囲で教えてあげるわよ。

蛍石:ありがとうございます!

実花:誰から聞きたい?やっぱり茜?

蛍石:でしょうかね。

実花:んっと、茜は身長は167センチって言ってたかな体重は48キロだったはず。で、上から88の62の86。

蛍石:ほほぅ。では対極にいる小町ちゃんは?

実花:対極とは思わないけど、身長は145センチで体重は34キロだったかな。72の54の74。

蛍石:なるほどね。では次は環菜ですか?

実花:そうね。環菜は152センチで40キロの80の64の84よね。確か。

蛍石:そうなんですねぇ。では最後にご自身のサイズを!

実花:私は156センチで45キロ。上から84の64の86ね。あ、ちなみに北見さんは158センチで48キロ。上から88の62の90という感じのナイスバディみたいね。

蛍石:そうでしたか。というか、こんなにあっさりと暴露してもよかったんですか?

実花:ふっふっふ。ご希望なら椎名先輩のサイズも教えて差し上げましてよ?

蛍石:おお、それは是非ともお願いしたいところですね!

実花:おやおや、お主も悪よノォ。では行きますよ。162センチ50キロで82の62の80よ!

蛍石:おお!素晴らしいですね。今回のインタビューは大正解でした。

実花:そうでしょう、そうでしょう。また困ったら呼びなさいな。なんでもお話ししますよ?

茜 :ちょっと実花ちゃん!何話してるのよ!

実花:やばっ、茜が来た。全部嘘だってバレる。

蛍石:え?全部嘘なんですか?

茜 :嘘に決まってるでしょ!実花ちゃんがいくら情報通でもここまでわかってるわけないじゃない。

実花:・・・・・・・・てへ。

蛍石:・・・ですよねぇ。


えー、実花が茜に連れて行かれてしまったので、今回のインタビューはここで終了です。

結局、今回も大した話を聞けずに終わってしまいましたが、次はもっと身のある話をしたいと思います!

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