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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第7章 Two of us -俺たちの中の二人-
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豪邸、再び

ついにお泊まり会当日。


ちなみに、イベントごとの前日には眠れなくなるタイプとそうではないタイプがいるようです。

皆さんはどちらのタイプだったのでしょうか。


ちなみに夕人は眠れないタイプで翔はぐっすり眠るタイプです。

茜は眠れないタイプで、小町も同じく眠れない方です。

でも、小町は夜になると眠くなっちゃうので結局早めに寝ることになるという感じです。

実花ちゃんはその時々によるタイプで、環菜は熟睡できるタイプです。


だからなんだと言われたらそれまでなのですが。

 よし、持ってくものはこれでいいか?

 着替えに、昨日買った水着。確か銭湯に行くって言ってたからその一式。あとはなんだろ?そうだ、確か夏休みの宿題もやるんだったな。それも持たないとな。・・・うん、こんなもんだろう。ちょっと大きめのドラムバックとリュックに詰め込んでいく。あ、お菓子も少し持っていくかな。


 さて、今日は7月30日。2時に杉田の家に集合ってことになっている。ただ、その前に小町と合流する。小町は杉田の家の場所を覚えていないってことだけど、若干遠回りになるんだよなぁ。けど、まぁいいか。小町の家までは大体15分くらいあれば行ける。待ち合わせの時間は1時30分だから・・・お?もう1時10分じゃないか。マズいマズい、もう行かないと。


 少し早めに家を出たおかげで、小町の家には余裕をもって着くことができた。小町は昨日と同じように外で待っていたようだ。


「よぉ、小町、今日も元気そうだね。」

「昨日も会ったでしょ?そんな一日で調子なんか変わんないよ。」

「そんなことないぞ。風邪ひくってことだってあるじゃないか。」

「そっか。でも、私は大丈夫。元気だから。」


 それは、イイんだけど・・・なんだよその荷物の量は?

 大きめのスーツケースにリュックと手さげバック・・・いったい何を持つとこんなことになるんだよ?俺の目線に小町も気が付いたのか笑いながら言った。


「ちょっと多いかなぁ・・・」

「多いなぁ。何入ってるの?」

「えっと、着替えにお菓子にでしょ?それからゲームに水着にタオル。」

「それだけ?」

「それだけ。」

「にしては多いよな、カバン。」


 それぞれをどんな量持っていこうとするとこういうことになるんだか。


「ゲームのせいかなぁ。」

「ゲームって何持っていくつもり?」

「えっと、オセロに、人生ゲームに、トランプでしょ?それから・・・」


 おいおい。他にもあるのか?


「黒ひげ危機一髪と、ツイスターでしょ?」

「あ、もういいよ。よくそんなに持ってるなぁ。それにしてもほんとに全部持ってくのか?」

「だって盛り上がりそうじゃない?」


 確かにそう思うけど。


「杉田の家にも何かあるんじゃないかな?」

「ちゃんと聞いたよ。どれもないっていうから・・」


 聞いたのか。すごいな。いや、全部持ってくって言うなら止めないけどさ。


「どうやって行くの?自転車じゃ無理じゃない?」

「だよねぇ。歩いていこうかと思ってたんだけど。」


 そういうことか。だからちょっと早めの時間に待ち合わせになったんだな。


「はぁ、わかったよ。じゃ、俺も自転車は置いてくよ。小町の家に置いといていい?」

「あ、うん。それは大丈夫だよ。このあたりに置いてくれれば。」


 そう言って敷地内の一角を指さす。俺はその指示されたところに自転車を置いた。


「さて、それじゃ行こうか。そのスーツケースは俺が持つよ。大体そのサイズさ、小町が入りそうだよ。」

「え、あ、ありがと。でも、そんなには小さくないってっ。」


 そう言って、俺のことを軽く叩いてくる。こんなやり取りにも本当に慣れたもんだ。



 20分くらい歩いて杉田の家が見えてきた。あいつの家はデカい。家の大きさもさることながら、その庭がデカい。だから、多少遠くからでも見える。


「もうすぐ着くね。」


 小町がご機嫌そうに言う。そう言えば今日着てるシャツは昨日買ったシャツじゃないな。


「そうだね。っていうか、昨日買ったシャツ着てないんだね。」

「うん、あのシャツは着替え用に持ってきたの。お風呂上りとかに着ようかなって。」


 お風呂上りか。それは見たいな。是非見たいと思う。よし、ちょっと想像してみよう。

 栗林さんは、まぁ、どうでもいいとして、茜なんかどんな感じになるんだ?あのスタイルだしな。きっとスゴイな。小町はちょっとアレだけど、大きめのシャツ一枚に短パンなんかだったら可愛いだろうな。環菜は・・・よくわかんないな。きっとジャージとかだろうし。


「あれ?夕人、なんか変なこと考えてる?」


 そう言って、俺の目の前に立って顔を覗き込んでくる。軽蔑するような顔ではなく、面白いものを見つけたときみたいな表情だ。


「か、考えてないよ。ちょっとしか。」

「ちょっとだけねぇ。どんなこと考えたんだかぁ。」


 仕方ないだろう?俺は健全なんだよ。そういうことだって、そりゃ、考えるさ。


「大したことじゃないって。」

「んん~?ちょっと聞かせてみなよ。」


 それは言えないだろ。


「勘弁してください。」

「うっわぁ、夕人、言えないようなこと考えてたんだねぇ。」

「はいはい、そうですよ。考えてましたよ。」


 そう言って小町よりも少し早足で歩いていく。


「あ、待ってよぉ。」

「うるさい奴は置いてく。」

「わかったって、もう言わないから。」


 軽く後ろを振り返って見ると、小町が頬を膨らませながら俺の後ろを歩いている。思わず笑みがこぼれてくる。


「ほら、早くいかないと。もうすぐ2時になるよ。遅刻だ。」

「え?もうそんな時間?」

「そ、ちょっと急ごうか?」


 そうは言っても、もう家は見えているんだからちょっとの距離しか残っていない、2分もかからずに杉田の家に着いた。どうも俺たちの到着が一番遅かったみたいで、玄関でみんなに迎えられた。そして、想像していた通りのことを実花ちゃんに言われた。


「夕人くんのその荷物って・・・なに?多くない?」

「だよな。多いよな。俺もそう思う。」

「何持ってきたんだよ?」


 杉田も当然の質問をぶつけてくる。


「さぁ、何が入ってるんだろうな。」

「もったいぶらずに教えろよ。」

「えっと、このスーツケースは私のなの・・・」


 小町が小さな声で照れながら言い、みんなが驚きの表情でこちらを見る。なんでそんなに驚いたような顔してるんだ?


「えっと、そのケースは小町ちゃんのなのよね?」


 今度は茜が怪訝そうな顔でこちらを見る。なんでそんな表情になるんだ?


「そうだけど、どしたの?」

「なんでそれを夕人が持ってるの?」

「だって、大変だろ?こんなデカいの持って歩くの。」


 なんでそんなことを聞くんだよ。


「一緒に来たってこと?」


 茜がなんでそんなことにこだわるのかわからない。ただ、環菜が俺のほうを見ようとしないのが気にかかる。


「そうだけど、なんだよ?小町が杉田の家がわからないっていうから。」

「ふ~ん、そうなんだねぇ。」


 そう言って茜が腕を組みながら小町の顔を見る。


「もうね?その話は終わりにしない?」


 小町が慌てて茜の口を塞ごうとする。こんなに慌てる小町を見るのは珍しいな。


「まぁ、いいよね。それより、やっとそろったねぇ。」


 実花ちゃんがその場の空気を和ます。これだから実花ちゃんの存在は侮れない。


「でさ・・・今の話と全然違うんだけどさ・・・」


 いやぁ、これを言うと今後の立場がヤバくなりそうなんだけど言わなきゃいけないよなぁ。


「お?どした?夕人。」

「茜の格好さ。スゴイな。なんだか中学生にには見えないわ。それに環菜も。二人の服装がさ、イイよなぁって。」


 茜は丈の短いキャミソールにホットパンツ。その自慢の美脚を惜しげもなくさらしだしている。環菜は白のワンピース。どこかのお嬢様かのように見える。そして、実花ちゃんはTシャツとハーフパンツ。ちなみに小町はポロシャツにミニスカートだ。四人がそれぞれのキャラをしっかりと表現した格好で見目麗しい。


「え?あたしは?」


 実花ちゃんが自分の顔を指で指しながら聞いてくる。


「実花ちゃんは、実花ちゃんでいい感じだよ。もちろん小町もな。」

「付け足しみたいに言われたって嬉しくない。」

「そうだなぁ。夕人。よ~~くわかるぞ。俺もさっきまでそう思ってたんだ。」


 杉田が腕を組みながら茜の姿をまじまじと見る。


「あ、杉田。そんなこと言ったら・・・」


 遅かった。実花ちゃんの左アッパーカットが杉田の顎に綺麗に決まった。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


ようやく全員集合となりました。

環菜のいつもと違う感じが少し気になるところでしょうか。

それにしても、夏の女の子の服装は刺激的です。特に中学生には。

目のやり場に困りながらも見てしまう。

男のサガですかね。


実花のパンチもいい感じに入ったみたいです。

とは言ってもじゃれ合いの中での話です。

本気のパンチではないはず、です。

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