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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第2章 気がつけば・・・
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始業式に授業はない

所変われば、人変わる。

郷に入っては郷に従え。


何を言いたいのかといいますと、クラス替えというのは新しい人間関係を構築するチャンスって言うことです。

それは、当然、竹中にも言えることで・・・

 二年六組の教室。

 あれ?やっぱり、新しい教室って馴染まないな、当然だけど。教室のつくりは同じはずなのに。なんなんだろうな、この違和感は。それも、あちらこちらから聞こえてくる聞きなれない声のせいなんだろうか。


「そっか。教室だけじゃなく、クラスメートも結構変わったんだよな。」


 当たり前のことだけど、再確認すると不思議と納得がいくものだ。


「あ、竹中くん。おはよう。」

「あぁ、北田さん。おはよう。」


 彼女は北田奈津子きただなつこさん。あまりよくは知らないんだけど、一年生の前期の学級代表会議で初めて出会った。あの時は、彼女が一組の副会長で俺が二組の会長。副会長は玉置さんだった。

 あの日がもう一年も前だなんて。月日が流れるのは早いものだと思う。


「これから二年間、よろしくね。」

「うん、こちらこそ。」

「ところで、竹中くん。前期は何か委員会、やるの?」


 いきなり委員会の話?なんで、そんな話してくるんだろう。


「さぁ、まだ、考えてないけど?」

「そう。」

「北田さんは何かやるの?」


 去年は、前期後期とも学級会長を務めた。だから、もうやる必要もないかな?心の中ではそう思っている。


「私は、放送委員になろうと思ってるの。」

「へぇ~。そうなんだ。頑張ってね。」


 一年生のころは放送委員も楽しそうだとは思っていた。けど、今はもう、放送委員をやろうなんてあんまり考えてない。


「うん・・・。ありがとう。」


 さて、俺の席でも探しますか。



 ここか・・・う~~ん、まさかの最前列。

 これは授業中の現実逃避という名の睡眠学習がのっぴきならないですな。

 って、あれ?隣の女子が教科書を机に入れてる。え?教科書?それって今日貰えるんじゃなかったっけ?


「えっと・・・、その教科書って?」


 その子はキョトンとした顔をしている。


「え?いやぁ、今日がなんの授業だったかわからなかったから、とりあえず全部持ってきたんだけど・・・」


 いや、さも当然のように言われたけど、それって、一年生の時の教科書だよね?というか、始業式に授業はないでしょう?


「その、言いにくいんだけどさ。」

「ん?」

「今日は、授業無いから・・・教科書いらないと思うよ・・・」

「!」


 驚いた顔と同時に真っ赤になる顔。思わず見入ってしまったけど、この子、すごく綺麗だ。


「あ、ごめん。俺は竹中っていうんだ。竹中夕人。これからよろしくね。」

「あら、あなたが竹中くんなの?へぇ。思ってたより普通の人なんだね。」


 あれ?もうさっきの顔色が元に戻ってるや。そして、全力の笑顔。というか、思ってたより普通ってどういうことだ。


「あ、あぁ。まぁ、普通かな?よくわかんないけど。」

「うんうん、普通だねぇ。」


 笑顔なんだが、なんというか・・・。そう、値踏みするように見つめられても困る。


「はぁ、まぁ、イケメンではないからね。」

「いやいや、イケメンかどうかは好みで決まると思うよ?気にしないほうがいいって。」


 おい、俺は褒められてるのか?けなされてるのか?どっちなんだよ。


「そうそう、私はね、小暮茜だよ。よろしくね。」


 そうか、小暮さんか。面白くて綺麗な子か。んでもって天然キャラ、と。それにしても、表情が豊かというか。よくもまぁ、こんなにいろいろな表情を見せてくれるものだ。でも、これはこれで、きっと小暮さんの魅力の一つなんだろうな。今まで出会ったことないタイプの子だけど。


「ねぇ、竹中くん。ちょっと聞いてもいい?」

「ん?なに?」

「一年生の時に、教室で女子に告白してフラれたってホント?」


 な、なんだ?いきなり。


「あぁ、まぁ、なに?その辺はスルーしておいてくれていいところだわ。」

「そっか、じゃ、スルーしとくね。」


 まったくスルーされてる気がしないのは気のせいですか。そうですか。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


ようやく冒頭に出てきた小暮さんの登場です。

青葉さんはこっそりと「虹色ライラック」に登場していました。

気になる方は探してみてください。意外としっかりと出ていますよ。


そうそう、とあるアニメにこんな台詞がありましたね。


「ヒーローってば遅れてくるんだってばよっ。」


でも、小暮さんは女の子です。

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