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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第5章 友達って・・・
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とんでもない行動

皆さんは誰かの秘密を知ってしまった時どうしますか?


もちろん黙っている

おもしろい!誰かに話さなきゃ!


この二択でしょうか。


そして、この選択によってその人の人間性がみえるような気がします。


あ、でも、秘密の内容にもよりますよね。

 七月も一週間くらい過ぎたある日の昼休み。夏休みまであと二週間くらい。

 その日は平穏な一日だった。昼休みまでは。

 いつもと同じように登校し、杉田とアホ話に花を咲かせ、みんなと笑い話をする。

 そんないつも通りな日常だった。

 しかし・・・・


「竹中、竹中っ。ビックニュースだべ。」


 そう言いながら廊下を走ってきたのは足草だ。

 あいつにとってのビックニュースなんて俺にとっては大したことじゃない。それに、アイツにかかわるとたいていろくなことにならないし。どうせ、夏休みの宿題とかその手の話だろう。そう高をくくっていた。


「なんだよ、足草。騒がしいな。」

「いやいや、だってすごい話なんだぞ?」


 なんだよ一体。めんどくさいなぁ。


「すごい話って、お前、昼休みは委員会じゃなかったのか?」

「そうそう、その委員会での出来事なんだって。」

「なんだよ。話が全然見えてこないんだけど?」

「今の委員会の時に、北田が隣だったんだけどさ。」


 まぁ、それはそうだろうな。で、それがなんだっていうんだ?


「あぁ、そうか。それがどうしたよ?」

「俺さ、ちょっと聞いてみたんだよ。北田に。」

「前置きが長いな。なんだよ。早く言えよ。」

「じゃ、行くぞ?よく聞けよ?」

「わかったって。大体、お前、声がでかいよ。」

「いや、だって興奮しちゃうべや。」


 いい加減めんどくさくなってきたぞ。


「そーかそーか。じゃ、もう行ってもいいか?」

「いいから、ちゃんと最後まで聞けって。」

「わかったからっ、少し落ち着いてしゃべれよ。」

「えとな、北田に『好きな奴いるのか』って聞いたんだよ。で、『うん』って答えたんだ。」


 まぁ、好きな人くらいいるだろうよ。


「うん、で?」

「それでな?俺が、『当ててやろうか』って言ったんだわ。そしたら、また『うん』て答えたからさ。言ってみたんだよ。」


 なんかこの手の話は聞かないほうが良さそうな気がする。


「あ~、なんか、それってあんまり俺に言わないほうがいいんじゃないのか?」

「いや、そんなことないべ。でさ、『竹中だろう?』ってさ。」


 なんだよ。なんでそんな話になってるんだよ。バカなんじゃないか?


「はぁ、お前、バカなんじゃない?そんなことあるわけないだろうよ。」

「いや、そしたらさ。首を縦に振ったんだよっ。北田はさ、竹中のことが好きなんだってさ。それでさ、お前に言わなきゃと思って走ってきたんだべや。」


 なんて奴だ。仮に足草の言うことが本当だとして、なんでそれをここで言う?ここは廊下だぞ?みんなに聞こえてるじゃないかよ。

 俺に伝えたいっていうのは、まぁ百歩譲ってわかるとしても。

 北田さんがそれを許したのか?それにはそうは思えない。

 北田さんの気持ちを考えたのか?コイツのことだ。絶対に考えているわけがない。


「はぁ、そうなのか・・・。」

「そうなのかって、お前。どうなんだよ?」


 どうなんだと聞かれても。正直、答えに困る。俺は直接言われたわけでもないんだし、そもそも、なんでこいつに答える必要があるんだ?


「なぁなぁ、どうなんだよ?お前は北田のことが好きなんだべか?」

「・・・なぁ、足草。お前って本当にバカなんだな。それをお前が聞いてどうするんだよ?」

「そりゃ、お前の答えを伝えるに決まってるじゃないか。」


 何をわかりきったことを聞いてるんだコイツ、という表情で俺を見てくる足草。

 なんだよ。なんなんだよコイツ。それにしても、北田さんもなんでこんな奴にそんな話するんだよ。


「お前が北田さんに伝えることはない。俺が本当に北田さんに言われたら答える。」

「なんだよ。隠すことないべ?嬉しいだろ?」

「そりゃ、好きって言われて嬉しくない奴はいないけどさ。」

「お、それ、お前も好きってことでいいのか?」


 コイツの考え方の飛躍が、俺には理解できない。


「だから、そうじゃなくて。お前には答えないって言ってるんだよ。」

「いいから、こっそり言ってみ?」


 ダメだ。もう何を言ってもこいつには届かないだろうな。


「・・・わかったよ。けど、北田さんには言う必要ないぞ?」

「わかったって。で、どうなん?」

「答えるも何も。俺の中で北田さんをそういう対象で見てなかったよ。」

「そうなのか?」

「あぁ、それに、お前は声がデカい。少し静かにしろ。」


 俺が言い終わらないうちに、足草はどこかに走っていった。


 おい・・・まさか。

 アイツは何をする気なんだ?


 昼休みはまだ少しだけ時間が残っている。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


今回の更新は短めです。

短めですが、ここからは怒涛の内容になっていきます。

足草は本当に余計なことをしてくれます。

これが中学生といえばそれまでなのかもしれないですが、それにしても問題の有りすぎる行動だったと思います。


次章の内容は当然、この内容を受けての話になります。


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