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それでも、俺のライラックは虹色に咲く。  作者: 蛍石光
第31章 自分の気持ちに正直に
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修学旅行 その10 ー小町の決意ー

短い話ですので二話同時に投稿です。

 昨日の夜、あの話で終わって『おやすみなさい』って言うことにはならなかった。いや、ある意味で解散っていう感じにはなったんだけれどね。私だけは不思議なくらい落ち着いていた。


 環菜があんなことを言い出すなんてすごく意外だったけれど、私にだってその気持ちがわからないっていうことじゃない。でも、それをしちゃったら・・・きっとその後うまくいかなくなるんじゃないかって。そう思うんだ。


 茜はどう思ってたんだろう?私達の中で一番年上のような考え方ができる茜。もしかしたら茜も環菜と似たようなことを考えてるのかもしれない。でも、茜だったなら、私や環菜とは違う結末が迎えられるんじゃないかって思う。


 なっちゃんは笑って話していたけれど、あんな考え方ができるようになるまではすごく悩んだんだと思う。私だったらって考えるととっても辛い。


 むっちゃんは第三者からみたいな考えを聞かせてもらえた。茜といろいろな話をすることが多かったから、違う考えを聞けてすごく参考になった。あぁ、他人から見たら夕人はそう見えてるんだって。なるほどなって思えたもん。


 椎名先輩はどんな人なんだろう。そのことばかりを考えていた。あの日、初めて先輩と話して、そのすごく可愛らしい性格といざという時に動くことができる強い性格の二つの性格を持っている人なんだとはわかった。そして、それらは私を含めて私の友達たち、夕人の回りにいる女の子たちにはない魅力だったんだってことがわかった。


 でも・・・できることなら。


 それを今さら言っても無駄だってことはわかってる。私が一人空回りして、夕人と距離をおいている間に起こったことなんだから。だから私にはどうしようもない。


 私、子供だった。今でも子供だと思うけれど、何が一緒にいられればいいっていうのよ。今の関係が良い?この楽しい関係が良い?バカじゃない?


 私はずっと茜や環菜に嫉妬してきていた。女性っぽいスタイルに綺麗な容貌を持つ茜に。思慮深く頭のいい環菜に。自分がすごく小さな存在に思われるのが嫌で必要以上に自分を大きく、大人に見せようと思っていたんだ。だから自分に嘘をついて逃げていた。


 思い返してみても学校祭の時、選挙の時、私は最後の最後で逃げた。学校祭の時は・・・まぁ仕方がなかったと思うとして、選挙の時は逃げた。自分のできることを一生懸命にやったつもりだったけれど、あの時にもっとちゃんと行動するべきだった。


 後悔先に立たずってことわざ。


 昔の人たちってスゴい。本当にその通りだと思うから。でも、その後悔があるから先に進めるときもあると今は思いたい。


 だから、これからは後悔しないようにきちんと行動していこう。夕人のことばかりじゃない。田中のことも、実花のことも。きちんと一つずつ片付けていこう。そう、決めた。

ここまで読んでくださってありがとうございます。


小町の新たな思いがはっきりと示されました。

これからは少し成長した小町が見れると思います。

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