第一枝『恋』
―ピピッ―
起動ボタン入力確認。
起動用エネルギー充填確認。
回路伝達に問題なし。
カメラスタート。
―シュカーッ―
「おお、カメラが起動した! 順調順調♪」
生命体確認。
形態認証。
データベースより検索。
認証中、
認証中。
確定。
『人』
「そう、私は木野七偲。『人』の、木野七偲よ」
キノ、ナナシ。
「そう。木材の『木』、野原の『野』、漢数字の『七』、人偏に思想の思の『偲』。木野七偲よ」
木野七偲。
登録。
保存。
完了。
「私があなたを造ったの。これから一緒に住むのよ」
……。
「あれ? 返事が来ないなあ」
関係情報、未入力。
「あ、そっか。迷いに迷って結局決めてなかったんだった。やっちゃったなあ」
……。
「そうねえ。それじゃあ……。私の恋人」
恋人?
「そう、これから私たちは恋人として生活していくのよ。それでいい?」
関係情報確認。
『恋人』で保存。
完了。
発信言語の調整。
「なんか照れるなあ」
照れる、んですか?
「そりゃ照れるわよ」
僕の名前は、なんて言うのでしょう?
「名前? ああ、あなたの名前はQIよ(……ていうか一人称、僕なんだ)」
QI?
「ええ。進化学習式安全確保用人型二足歩行武装ロボットであるあなたへ、私なりにつけてみた愛称。それがQIよ」
そうですか。
「敬語じゃなくていいわよ。恋人なんだし」
……。わかったよ、七偲。
「ふふっ。これからよろしくね。QI」
これが、握手。……あったかい。
「あら、ありがとう」
あったかい。七偲。