第1話 僕らの村
森の中で木々が風に揺らされ、心地よくざわめく。そんな中で静かに手慣れた手つきと目利きで様々な薬草を採っていく。麻痺や毒の解毒の為の薬草や、風邪や熱冷まし様のもの、調合用のものと、ずっと集めていると「おーい!そろそろ時間だぞぉ!」と声がした。
振り返るとまだ幼さがあるがガッチリとした体格で呆れ顔の男性と少し幼さがある兎の耳と丸っこい尻尾が「ぴょこ」と出ているのが目立つ赤目でプラチナブランドで柔らかい笑顔の女性がこちらを見ていた。
二人とも見知った顔で… といか幼馴染だ。
「お前なぁ…、あと一時間で出発だぞぉ?家の手伝いもいいけど今日くらい休めよ」と溜息交じりに言い放なたれた。
「まあそこがルウロ君らしいけどね」と柔らかい笑顔のままのんびりと弁解(?)された。
「もうそんな時間なの?ならすぐに戻らなきゃね」と採っていた薬草を急いで籠に詰めて二人と一緒に森を抜けて村に戻っていった。
村に戻ると16歳前後の少年少女たちが少し派手で大きな鳥車の近くに集まっていた。
その中にはチラホラ兵士がいて皆をまとめていたのが見えた。
「ほらぁ、もうみんな集まってんじゃん…。俺先に行ってるからな!」と幼馴染の男性、ガデルが走って集団に混じって行った。
ガデルが先に行ってしまったのでもう一人の幼馴染であるフィロナに「先に行くっておく?」と尋ねてみると「まだ時間あるしルウロ君と一緒に薬草届けるよ」と応えた。
その返事を聞くと軽く頷きながら「ありがとう」と言ってから僕の家の薬屋に向かった。
家の中に入ると「お、ルウロお疲れさん」と父さんに出迎えられた。
父さんのもとに行き薬草が入った籠を渡し「ごめんもう集合しなきゃいけないから行くね」と言うと「ちょっっっっと待ったぁ!!!」と無駄に大きな声がして奥から姉さんが現れた。
「これ、じぃちゃんが持って行けって」と一振りの剣を渡された。
渡された剣を少し鞘から出すと龍の刻印が刻まれた以外特に何の変哲もないものだった。
しかしこれは国のだれもが知っている。龍刻の武器と言われるで歴史ある伝説の武器だ。
しかしこれはお爺ちゃんが言うには「大切なもので本物か偽物かで言うなら、紛い物だ」らしい。
「え…でもこれ、お爺ちゃんのたからものじゃ?」「どうせ紛いもんだし試験に受かったらやるってさ。期待されてるんじゃない?」とニヤニヤ笑われた。
それに便乗して父さんもニヤニヤしていた。
「なら、絶対に受かってくるよ!」と小さく笑って家を出た。
「相変わらず仲良し家族よね~」
「家族なんてこんなもんじゃない?」
「そうかもね」と少し喋りながら皆の集まっている広場へ向かった。
広場に着くと僕とフィロナが最後だったらしくすぐに点呼がされて鳥車に乗せられた。
僕たちは故郷の村の「ルザーナ」を少しの間離れて冒険者になるための試験を受けにこの国の都市「カザレム王国」に向かった。
バイトと部活の折り合いがやっとついて書けました(-_-;)
今後は毎週月曜か金曜に書けるように努力したいと思っておます。
この序章が一区切りついたらこの世界の設定などを書こうと思ってます。
もし待っていた人が居たならば(多分居ないだろうな)すいませんでした!
てかプロローグ無駄に難しく書いてて笑った。