壊滅都市ーオルクスー
大変お待たせして申し訳ありませんでしたm(__)m
俺と夏海はついに目的のオルクスに着いたが、聞いていた話と様子が違うことに気づきました。
「城塞都市だから、門番がいるって聞いていたんだがどこにいるんだ?」
「どう見てもいないわね・・・それにすごい邪気を感じるわ」
「ってことは、何があったってことだな・・・」
「とりあえず、中に入って状況を確認しましょう?」
「ああ、そうだな」
俺たちは急いで入っていきましたが、周りを見渡すと目を覆いたくなるような惨状で、異臭も漂っていました。
「な、なんだよ、これ!」
「・・・ひどいにおい・・・」
なんとそこには千切れた腕や脚が、顔がわからないほどにぐちゃぐちゃになった首が、全身丸焦げの者が、中身が飛び出している体が、辺り一面に転がっていました・・・
「なにがあったんだよ!!」
おれは答えてくれるやつなんかいないと分かっていても声を荒げました。
ですが、意外に返答があったのです。
「それはボクが説明してあげようか?」
「お前は、悪魔か・・・」
「久しぶりだね、秋斗」
「・・・・・・」
「どうしたんだい?ボクとキミの仲じゃないか」
「・・・俺がなにも知らないと思うなよ」
「なるほどね!隣のお嬢ちゃんに適当なことを吹き込まれたんだね」
するといきなり、夏海が顔をあげて叫びました。
「私の顔わすれたの?」
「ん?ああ、君はあのときの子かい」
「そうよ!貴方が私の両親の仇よ!!」
夏海は小声で<全てを司る者>を発動させました。
「<焔>狼の型、<雷>龍の型」
さらに同時に爆炎竜巻、氷結落雷を発動させました。
悪魔は避けきれず、少し攻撃を受けましたがなんともないような感じで話しかけてきました。
「いきなり危ないなぁ~」
「でも、今の能力が使えるってことは<神子>に選ばれたということだよね」
「なんで、<魔王の因子>と一緒にいるのかすごい気になるけど、その厄介な能力防がせてもらうね」
「<逆・封い・・・>」
悪魔が能力を使おうとしたところで、おれはすかさず<全てを喰らう者>を発動させていました。
「なんのつもりかな?」
「それはこっちの台詞だ!」
「お前はいったい俺の体に何をしやがった!」
「ボクが正直に教えると?」
「なら、無理に聞き出すまでだ!」
「無理だよ、ボクを殺せるのはそこにいる<神子>か神だけだよ」
「例の約束を守ってほしければ他の事には正直に答えてくれ」
「いいよ、キミの聞きたいことはこの町で何があったかでしょ?」
「そうだ、いったい何があったらこんなことになるんだよ!」
「でも、ボクよりキミのとなりにいる<神子>のお嬢ちゃんの方がよくわかってると思うけどな~」
「そんなわけないだろ?俺たちは今来たばかりなんだぞ!」
「ボクは正直に答えたよ、あとはお二人で~」
そう言うと、悪魔は突然消えました。
俺は夏海がなにもしなかったのが不思議で夏海の方を見ました。
「わ、私は何であんなことを・・・」
「それに、まるでこれは神様の力を使った時のような・・・」
「まさか、あの神様が?どうして?」
真っ青な顔をしてなにかをボソボソと呟いていました。
「落ち着け、大丈夫だから」
「お前はなにもしてないから」
俺は思わず夏海を抱き締めていました。
しばらくそうしていると、夏海が正気に戻ったのか、呟きが聞こえなくなりました。
すると、突然突き飛ばされました。
「え?」
「変態!なにしてるのよ!!」
「ちょ!俺の話聞け!!」
「問答無用!」
誤解を解くのにしばらく時間がかかったのは言うまでもありませんでした。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
次回は夏海の過去とオルクスで何があったかになります。