―邂逅―
秋斗はのんびりと街道を歩いていた。
「この辺は盗賊が出るっていう話だったんだけどな・・・全然出てこないな」
途端に轟音が聞こえてきた!
「な、なんだ・・・いまの・・・」
よくみると、少し離れたところから火柱があがっていた・・・
「あれは凄い異能かもしれないな・・・」
秋斗は火柱に向かって走っていきました。
そして、走っている途中に雷まで発生していることに気づきました。
「おい、うそだろ、あれは神の力じゃ・・・」
秋斗は異能を奪うために行くべきなのか逃げるべきなのかわからなくなり、動けなくなった・・・
「くっそ、動けよ・・・なんでだよ、あのときと同じじゃないか!」
秋斗は神に命を狙われ動けなくなったときのことを思いだしてしまっていた。
「動けよ!邪魔をするな!」
叫ぶと同時に異端が発動して、周りの土地を抉りとりました。
ほぼ同じタイミングで夏海の持っている神聖剣が反応しました。
「なに、これ・・・今までのと比べ物にならないわ」
夏海は反応のあった方へと走り出しました。
しばらく走ると抉れている土地が見えてきました。
「なに、あれ・・・抉れたあとからすごい邪気をかんじるわ」
神聖剣を握りしめ向かっていきました。
秋斗は誰かが近づいているのを察知して顔をあげました。
すると、目の前には女の子がいました。
「貴方がこれをやったの?」
「・・・そうだよ」
「・・・そう、なら問答無用だね!」
そういうといきなり焔を使ってきました。
「ちっ、めんどくせぇ」
<全てを喰らう者>を黒い霧のような状態にして発動させました。
女の子はそれをみると驚いたように声をあげました。
「それは、あの悪魔の能力・・・」
「おい、ちょっと待て、今なんて言った?」
「貴方は私の両親の仇って言ったのよ」
「さらっと、嘘つくなよ・・・」
内心ではなんで、俺初対面の女の子と漫才やってんだよ・・・と自分にツッコんでいた。
「貴方が使っているのは悪魔の能力のはず・・・」
「これは悪魔から譲り受けたんだよ、神を殺すために・・・」
「神を殺す・・・!?」
「そんなことできるはずないわ・・・」
・・・・・・・・・・・・
しばらく戦闘をしてお互いに疲れきって動けなくなったので、
話をすることにした。
そして、お互いに過去にあったことを話した。
「あの神様がそんなことをするなんて・・・」
「確かにあのときの神は様子はおかしかったが、君の話を聞くと悪魔もかなりキナ臭いんだよな・・・」
「貴方は神様を殺すのが目的なの?」
「いや、俺は・・・あれ?」
「どうしたの?」
「目的が思い出せないんだ・・・」
頭を押さえる秋斗
「大丈夫?」
「ああ・・・思い出した!俺は神にとられた妹を取り戻しにいくつもりだったんだよ」
「もしかしたら、貴方の能力のせいかも・・・すごい邪気だし・・・」
「つまり、悪魔も俺に何かしているってことか・・・」
「もっと、世界のことを知らないとなんとも言えないわね」
「君はどこに向かうつもりだったの?」
「オルクスよ!すごい悪意を感知したからこっちに向かってきただけだから・・・」
「目的地はおなじみたいだね・・・どうせなら一緒にいかないか?」
「ええ、まだまだ聞きたいこともあるし・・・」
「お手柔らかにお願いします!」
二人とも笑い合うとどちらともなく自己紹介を始めた。
「俺は秋斗・・・よろしく」
「私は夏海よ、しばらくよろしくね」
そういって、2人でオルクスへと向かっていきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回は火曜日(もしかしたら土曜か日曜)になります。
もうひとつの作品です。よければ読んでみてください。
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