少女の旅路①
「この悪意をたどっていけばいずれ悪魔にたどり着くはず・・・」
夏海は虚ろな目で街道を歩いて、ボソボソと呟いていた。
そして、また神聖剣が悪意に反応しました・・・
「これで4度目・・・どうにかならないのかしら」
神聖剣につれていかれるように反応した方へむかうと盗賊のアジトがありました。
近づいていくと、見張りの2人が近づいてきました。
「おい、おまえ、見ない顔だな・・・なにもんだ?」
「あなたたちに説明する必要はないわ」
「おいおい、そんな冷たい態度とるなよ、楽しもうぜ!」
そういうと、見張りの1人が体をさわってきました。
「っ!触らないで!」
夏海は軽く拒否しただけのつもりでしたが、異能が発動して焔が辺りをつつみこみました。
体をさわってきたほうの見張りは即死でしたが、もう1人のほうは重症ながらも生きていました。
「な、なんだこいつ・・・化け」
「うるさい!」
ドォーンと轟音がしたかと思ったら、地響きがおきました。
生き残った見張りには雷を落としたのでした。
「なんだ、いまの音は!」
「敵襲!敵襲!」
「見張りがやられました!」
「相手は何人だ?」
「1人です!」
「よし、お前ら囲んでたたくぞ!」
盗賊はどうやって倒すか作戦をたてました。
ですが、夏海にはそんなことは関係ありませんでした。
盗賊たちが作戦を立て終わる頃には、アジトのまわりは火を纏ったいくつもの竜巻と雷鳴が轟いていました。
「そんな、バカな・・・」
「化け物だ・・・」
そんな声が聞こえてきたような気がしましたが、雷のせいでよく聞き取れませんでした。
「つまらないわね・・・もっと、もっと手応えのある人はいないの・・・」
そういうと、またボソボソとなにかを呟きながら街道をあるいていきました。
すると、今までとは比べ物にならない悪意に神聖剣が反応しました・・・
「この先は確かオルクスだったかしら・・・やっぱり大きい町には悪意も多いのね」
少女は元気を取り戻したかのように楽しそうにオルクスへと向かいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は短めですので、もう1話投稿しようとおもいます。
次の投稿は日をまたぐくらいになるかと思われます。