↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

ラスボスの娘

掲載日:2015/02/17

必死に魔方陣を書いた。

中央には精霊からもらった石が置いてある。

魔王を封印した石。

抑えきれない魔力を秘めていた。

私にファイアーストームでボコボコにされた精霊が隅にうずくまっている。

「目覚めよ、……魔王!」


「どうして我を目覚めさせた」

魔王が私に聞いた。

一年前に封印されたばかりの魔王の疑問はもっともだ。

私はニタリと笑った。

「どうしてって。勇者を召喚するのよ」

「何っ」

「魔王が蘇れば異世界から勇者が召喚されてステージをクリアし始める」

「ならん。ならんぞ!」

魔王が見苦しくわめいた。

「ファイアーストーム」

私の手から炎が飛び出し、鬼のような風貌をした魔王を燃やす。

「がぁっ、やめろやめろ!」

魔法の火はさぞかし熱かろう。

「やめて、やめてくださいっ」

うずくまっていた精霊が泣きながら立ちはだかった。

「このままではあなたこそが魔王になってしまいますっ」

「うるさいわね。私が魔王になったからなんだっていうの?お前はなにもできなかったでしょう?」

精霊を蹴飛ばしてやった。

役立たずだ。どいつもこいつも。

「望みはなんだ。女よ」

魔王が私に問う。少し焦げているのがおかしかった。

今、私は満面の笑顔に違いない。

「お前はラビリンスに立って世界を恐怖に陥し入れればいいのよ。馬鹿が」

私の魔力は魔王を上回っていた。

冷静になった魔王はそれがわかるらしい。

「それで女はどうする?高みの見物か?」

魔王の戸惑った質問に気分は最高潮だった。

「私はお前より更にラビリンス深くで待つわ。ね?役立たずの精霊さん」

精霊は震えながらうなづいた。

「もう、この状況ではあなたこそが真の勇者の敵魔王です。ラビリンスはあなたを深部に配置するでしょう」

精霊の言葉に私は深くうなづいた。

「そして待つわ」

「何をだ」

「私の娘、異世界から帰れない勇者を」

強大な魔力と力を持った私の娘。

魔王が暴れる世界に召喚されて帰れなくなってしまった。

魔王が蘇れば、こちらの世界に召喚される。

悪を倒す為に。

「帰ってらっしゃい。私の娘。ラビリンスの奥でカレーを作って待ってるわ」

私の独り言に魔王と精霊が凍った。

「……勇者とラスボスは戦うことになる定めですよ」

「ラスボスは倒れなければ、勇者は何度でも蘇れるのよ、知らなかった?」

笑いが止まらないとはこの事ね。

私の娘。

帰ってらっしゃい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。