第一話 ~幻想の入口~
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
背中に走る激痛・・・いや、もう痛みも感じない。
一瞬だった。気づいた時にはもう、どうしようもなかった。
ふと手をやってみると、真っ赤な血がべっとりと手についていた。
「恵・・・里・・、逃げ・・・・ろ・・」
精一杯声を振り絞っても、彼女・・・恵里にその声は届かなかった。
目の前には、返り血を浴びて真っ赤になった恵里と、同じく真っ赤になった見知らぬ男。
――――――その右手には、またしても真っ赤な牛刀。
ゆっくりと恵里に近づく。
「嫌・・・来ないで・・・」
半泣きで後ずさる恵里。もう見ていられない。早く死ねたらいいのに、体が動かない。
ゆっくりと、ゆっくりと右手に握られたそれが持ち上がっていく。
そして、そのまま――――――
◆◇◆◇◆◇
「!?」
勢い良く起き上がる。生きていたのか?と束の間思ったが、あの傷、あの状況でそれが現実的な疑問だとは思えなかった。
真っ暗な空間。所々に目の様な物が見える。
「こんにちは」
「!」
後ろを見る。
そこには、派手な服に派手な傘をさした真っ白な肌の女性がいた。
「あら、怖い目ね。折角貴方を助けてあげたのに。また殺してしまおうかしら?」
「あんた、誰だ?俺に何の用だ?ここは何処だ?」
「質問は一つずつにしてよ。私は八雲紫。その他はまだ言えないわ。」
「何故?」
「まだその時ではないの。いつか時が来れば、ね。」
「弄ばれるのは好きじゃないぜ」
「ところで、そういう貴方は誰なの?」
「俺か?俺は――――――」
そこまで言って俺は絶句した。
――――――俺は、誰だ?
初めまして!ksr123と申す者です!
今回が初投稿となりましたが、正直、ド素人でぶっつけ本番です。
色々とダメな部分とかありますが、自分なりに頑張っていきたいと思います!
東方零異変、今後もよろしくお願いいたしますッ!