始まりのアポカテクイル
20XX年 書いたことが本当のことになってしまうノートがディストピア東京に二冊存在している。
真実かどうかは分からないが、そういう噂は人々の間で絶えなかったのだ。
まぁ僕もそういうのに目がないのだ
僕は世羅常義といって
高校三年生だ。
???「世羅! お前には死んでもらおう」
世羅「うわっ」 僕はベッドから転げ落ちた。
またあの夢だ 何故か最近やたらに
同じ夢ばかり見てしまう
見ず知らずの人に消されるという
いかにも縁起の悪い夢だ
母「常義? 起きてるの? 起きてるならしたくしなさいよ!」
世羅「って20分も遅刻かい」
朝食のフレンチトーストを口に押し込んで足早に家を飛び出した。
世羅「こういうときって曲がり角で
美少女と」
なんてことを考えていたら本当にぶつかった。 ゴツン
???「いったぁーい」
世羅「大丈夫ですか?」
あれっ ふと気づく同じ制服だと
この制服は僕が通う朱雀高校のものだ
???「こちらこそごめんなさい では また後で」
その女の子は肩までのびた美しい金髪
西洋を思わせる蒼い眼 華奢な身体
パッと見ただけで日本人では
ないなと確信した。
世羅「さてっ 高校に向かいますか」
チャイムと同時に教室に駆け込んだ
ぎりぎりセーフというやつだ
よく青い狸ロボットの漫画だと
遅刻で廊下に立たされるのだが、
そんなヘマを僕はしない。
だが、僕の前の席で仲が良いあいつがいない。
電気系に超詳しい
天才高校生 電脳時 拓人の姿がまだない
プルルルル 電話が鳴った。
電脳時からだった。
このときは、まだ僕があんなことになるなんて思いもしなかった。