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RoyalCrystal -The tale of fortune-

ロイヤルクリスタル-序章 Prequel-

作者: 碧流

眩しく輝く幻のジュエル。


人々の憧れ、力の証、誰もが夢見る幻の宝石。


まだ誰も見た事は無いけれど。


いつか私も手にしてみせるんだ――

絶対に!!



夏、日本にて。

この季節、お盆で祖父母の家に帰省している小学3年生の少女がいた。

名前はレイ・エメラルド。

彼女は毎年ここに来て、同じ頃に来る従兄弟と遊んでいた。

今年もまたそんな1週間が繰り返されるはずだった。

とあるチラシを見るまでは―――。


「リュウ、公園行こうよー」

「やだ」

小2のくせに生意気な。

「じゃあ児童館で卓球しよ!」

「いいねー」

リュウの妹、ルカが口を挟む。

「はぁ?オレやらねーからな」

「わがままばっか言うな!」

リュウの弟、シアンも口を挟む。

「そうだそうだ!」

「だからぁオレ宿題詰めだし」

そう、リュウが取り掛かっていたのは夏休みの宿題である。

「じゃあそれ終わったら児童館で鬼ごっこしない?」

「げぇー…」

「じゃあ、かくれんぼ!」

「ふぇー…」

「文句言うなよ!」

シアンがツッコミを入れる。

「オレこれ終わったらゲームしたいんだってば」

シアンのつっこみも気にしない自由人、リュウ。

「ねぇ!遊ぼうよー」

ルカも口を挟む。

そんな中一人密かに紙飛行機を折っていたシアンがリュウめがけてそれを飛ばした。

材料はチラシだったが、コン!と小気味いい音がし、見事リュウの頭に直撃する。

「いってぇな」

リュウは拾ったそれを投げ返そうとしたが、

「待って!」

突如レイが叫んだ。

「え?」

リュウが振りかぶった紙飛行機を取り上げるレイ。

「『見つけられるか、幻のジュエル』……って、遊園地で!?」

「えぇ?」

他3人が驚く。

彼女が広げたチラシには遊園地の宝探しの広告が載っていた。

ちなみにその遊園地は今彼女達がいる祖父母の家からそう遠くない。

そこでレイは決心する。

「これすっごく楽しそう!!どうする?リュウ」

「どうするって…そこまで言われると気にはなるけど」

リュウがそわそわし始めた。

「いいな!ルカもいきたーい」

「これならリュウも賛成だろ」

「さぁ、どうする?」

「……行く」

渋々首肯するリュウ。

(やったね!)

レイは心から喜んでいた。

しかし詳しく内容を読んでいなかったため、チラシをもう一度隅々まで読み返す。

「えぇと、幻のジュエルが園内に登場(ニセモノ注意)、見事入手できた幸運な人には、ジュエルをそのままプレゼント!しかも、それを手に入れたら園内のアトラクションは全て無料、さぁ、君も幻のジュエルを見つける旅に出よう!対象年齢は小学生以上』………」

「えー、あたしいけないじゃん」

「オレもやん!」

二人はがっくりうな垂れている。

リュウとレイは小学生、残り二人はまだ幼稚園児である。

(オレは行けるのか!ラッキー!!)

「リュウ、どしたの?」

「ん?ああ、なんでもないぜー♪さぁ、レイもさっさと準備しろよ!」

何だか嬉しそうだ。

それはともかく今は出かける準備!そう自分に言い聞かせる。

「ねぇねぇ、あたしたちのぶんもたのしんできてねー?」

「もしジュエル見つけたらオレらにも見せろよ!!」

シアンが念を押す。

「はいはい。わかってるって」

二つ返事をし、レイとリュウは出かける事を祖父母に告げ、遊園地へと出発した。

その遊園地の名は、「レフュージア」………



「気をつけて、いってらっしゃい」

祖母はそうつぶやき、茶の間へ消えた。



何故か田舎に建てられた遊園地だというのに、当日は客が多かった。

客の目当ては当然広告のジュエル。二人も早速宝探しを開始する。

二人は受付で貰った「宝探しマップ」を眺めていた。

「ジュエルを見つけたらアトラクション無料だし、その上人気者になれるんだからな。女子にモテるかなぁ」

「そんな事考えてたの?」

「うるせぇ!別にレイには関係ねぇって!」

リュウは怒った。

(どうせ好きな子なんていないくせに)

レイもマップを見る。

「なら、近くて楽しそうな所から行こうよ!ほら、この「シューティングロケット」ってやつ、『銃で敵を倒せ!ジュエルを見つけたら即プレゼント!幸運な人には幻のジュエルが現れるかも!?』だって」

「それいいな!あと他の場所も行こうぜ!」

「じゃ、おばけ屋敷にでも行こうか」

「えぇ、おばけ……?」

リュウは大のホラー嫌いだった。

「怖かったら私の手につかまれば良いよ」

「うぅ………ちくしょう」

結局「シューティングロケット」「ポルターガイストパレス」を次々に見る事にした。

二人は「シューティングロケット」の入り口に着き、受付で機械銃(レーザー銃。当たっても人体に害は無い)を受け取り座席のベルトを締めた。

「さぁ、ワクワクな宇宙冒険の始まりです!!」

係員のアナウンスが会場中に響き、投影機から宇宙の映像が映される。

「なんかプラネタリウムっぽいな」

「景色に見とれてる暇なんてないよ、ほら来た!」

二人は銃を構え、体勢を整える。

「よぉし、いっくよ~!」

………とレイが機関銃の引き金を引こうとしたその時、

キュンキュン!!ズキュン!ビビビー――……

とある少年が目の前に現れた敵を銃の光線で一掃した。

客もその銃さばきに圧倒され、身動きが取れなかった様である。

その弾の速度は速すぎて、レイの目でも捉えきれないほどだった。

その最中、今度は更に大きな敵が現れたため、レイはもう一度銃を構えたが――――。

ズキュンズキュン!ドドンドンパンパン!!ズドーン……

その弾の速さもいくらAIといえど避けきれなかったらしい。

中ボスらしき敵は力尽きた。

「何?あの速さ…今までに見た事ないよ……」

「なんだあれ!裏技でも使ってねーか!?」

二人共その速さに圧倒され、またも弾を撃つ事ができなかったのだ。

「ふん…のろまがごまんと居るな、だがジュエルは俺の物だ」

黒髪の少年はウインドブレーカーを翻し、再度銃を構え直した。

次に出てきたのは二体目の中ボスらしく、レイは少年の動きを見ようとそちらに注目した。しかし、そこでレイが見たものとは―――――。

「蒼い…ジュエル!?」

その少年は手の中に自分の物と思われるジュエルを出し、精神統一していたのだ。

どうやらこれが百発百中の弾を撃てる秘密らしい。

少年は一呼吸置いてから弾を連続して中ボスに当てていった。

彼にとってそれは縁日に行われる射撃のような物だった。

またも中ボスを倒して、彼はため息をついた。

「くそ…まだ出てこないのか……」

やはり少年もジュエルが目当てのようだ。

レイもそれに気付き、今度こそと銃を構え直す。

休み無く敵は登場し、ついに最後の大物が出てきた。

「レイ、今度こそ撃つぞ!」

「おっけ!まかせて!」

幸い少年は精神統一に時間を掛けており、レイとリュウは真っ先に弾を放つ事が出来た。

もちろん弾は二人分ダブルヒットしたが流石はラスボス、そんな射撃は痛くも痒くも無いらしい。

「くっそォ……剣と魔術さえ使えたら!」

受付の説明には「魔法、武器共に使用不可」と書かれていた。

やがて少年が精神統一を終え、またも瞬速の弾が放たれた。

しかも今度は弾に力が込められていた為か、その弾はボスを貫通した。

その射撃は正に「一撃必殺」そのものだった。

二人や他の客が呆気に取られている間に、その少年はジュエルを手に入れ、その場を去った。

「残念!ジュエルは偽物でした!諦めずに他を探してね!!」という言葉と共に………。

「かー!何だアイツ!!すましやがって!」

「仕方ないよリュウ。それよりあいつ、蒼いジュエル持ってた……」

「マジか………?」

「多分この先も出てくると思う。とにかく次を探そう!」

自らの力を超える存在を知った二人は、次のアトラクション、「ポルターガイストパレス」へと向かうのだった……



二人は未だジュエルを見つけられずに居た。

例の銃使いの少年も時折見かけたが、向こうも苦戦している様子だった。

そんな訳で二人は「ポルターガイストパレス」に到着した。

受付でアトラクションの説明を聞き、一つめの「ピース」を渡される。

そもそもこのアトラクションの肩書きは「お化け屋敷」であるが実際幽霊などの仕掛けはあまり無く、小学生でも楽しめるレベルとなっている。

よって出口の探し方は至ってシンプル。

通路の罠を避けながらチェックポイントでナビに案内してもらい、出口を開ける為の4つの「ピース」を探すアトラクションである。

そしてレイ達はその場を後にする。

「やっぱりお化け屋敷……だよなぁ?」

リュウは聞いた。

「そうだよ」

「でも何かざわざわうるさいぞ?」

「もちろん………だって「ポルターガイスト」ってドイツ語で『騒がしい霊』って意味なんだから」

「騒がしいのか……」

まるで寒気のしない『お化け屋敷』に対して彼女の解説を聞き、彼も妙に納得する。

仕掛けは地面に蛇が地面を伝って歩くもの、物陰から鬼火や幽霊が飛び出す物等普通のメニューだった……が

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「静かにしてよ!もう大丈夫だからぁ!」

耳を塞ぐレイ。

「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

リュウは小2の為、大変怖がりなのだった。

そして二人は館の中で歩みを深め、一歩、また一歩と進んでいく。

「あ!ナビさん発見!」

レイが数M先に係員らしき女性を見つけた。

するとナビが自ら進み出る。

「ようこそ。私は貴方達を出口へ導く、この洋館のナビ・フィナです。どうぞよろしく」

「はぁ……」

妙齢のメイド姿の女性はぺこりと小さくお辞儀した後、レイ達に「ピース」を渡した。

「なぁレイ、これって……」

「そうだよ、これが………!」

「ええ。『ピース』です。チェックポイントで皆もらっていくんですよ」

これで「ピース」は二つ揃った。

しかしそのナビの表情はレイ達を見下ろし、だんだん険しくなっていた。

そんなフィナの表情にも気付かぬレイ達は、2つ目の「ピース」が見つかった事に喜んでいた。

残る「ピース」はあと二つ。

3人はさらに進み、格子状の扉二つ、道が二又に分かれている部屋に出た。

ここからはフィナが説明する。

「この先はプレイヤーがどちらかの道を進むルートになっています。私はナビですが、ここでしばしお別れしますので、出口でまた会いましょう。では選んで下さい」

「分かれ道……本格的じゃん♪で、リュウはどうする?」

「あ?え?はいぃ………?今、な、何てぇ?」

「だから、どっちの道を進むかって……あれ?」

リュウがレイの服にしがみついていた。おまけに足まで震えている。

この先一人で行くという事は、幽霊が苦手な彼にとって生き地獄の様な物である。

「まさかリュウ……一人じゃ進めないとか?」

「そ、そそそんな事あぁあるもんかぁっ!!!」

(怪しい………)

レルは横目でリュウを見た。

「ここから先は『必ず』一人で行く事になっています。どちらかの扉に2人以上入る事はルール上許されません」

「だってよ?」

レイはニヤニヤ顔で言った。

「ウソだろ~……?」

「呆れたぁ。じゃあ私は右に行くから」

「ちょっと待ったぁ!!」

「?」

「オレが右に行く!」

「えー、一人は怖いんでしょ?」

「行くったら行く!!」

リュウは言ってきかないため、仕方なくジャンケンする事になった。

「じゃんけん……ぽん!やったぁ!勝ったー!」

「くっそぉ…オレが勝つはずだったのに……」

「決まったみたいですね。では、私は失礼しますので……ご健闘下さい」

フィナは部屋の脇にあった洋風の造りの扉の向こうへと姿を消した。

「んじゃね、無事に出てきてよ」

「ちくしょう…覚えてろー!!」

こうしてレイは右へ、リュウは左の扉へと歩を進めていった――――。



「ふふ……これでマスターの願いが…クリスタル消滅計画が成功する!これでこの世は地獄になるのだわ!」

重い扉の向こう側で、ゴシックロリータを纏った女が不敵な笑みを浮かべていた。



その後レイが進んだ道は確かに一本道であった。しかし………

「あれ?こんな所に抜け道なんてあるんだ」

レイが丁度右を向くとそこには細い抜け道があった。

「ちょっと怪しいけど、行ってみよっと」

彼女は軽い足取りで抜け道を通った。



一方リュウはというと、相変わらず仕掛けにビクビクしていた。

「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!」

リュウの頭上や前方からコウモリが飛び出し、恐怖度は最高潮に達していた。

「くっそ~!!きっと右の道はオバケ出ないんだ!あいつ、後で会ったらただじゃおかねぇ!!うぁああああ………ん?」

リュウがオバケから顔を背き、ふと左を見ると抜け道のような通路があった。

リュウは思わず天国に来たような顔をした。

「お、裏道じゃん!レイには申し訳ないけどオレはこっちの道を行ってやるぜ~♪」

リュウも抜け道を通っていった。

ところが………

「ぬぁぁんじゃこりゃぁぁ……」

リュウの声が徐々にフェードアウトしていく。

どうやら落とし穴にはまったらしい。

「くっそー!覚えてろ、レイ!!!」



レイが通路をひたすら歩いていると、突然目の前に人影が現れた。

「誰!?って…あー!あんたはさっきのアトラクションに居た!」

「全く……どうして落とし穴なんか…けほこほっ………え?」

よく見ると人影は、シューティングロケットに居たあの銃使いの少年だった。

しかしレイはその少年が持つ銃を見るなり、すかさず質問した。

「あれ?機関銃じゃない………さっき反則してたの?」

「ん?どうしてそれを知って………あ、お前シューティングロケットに居た奴か」

「そうだよ!……いやそれよりあんた、何で此処に居るの?」

「何でって……誰が教えるか。とにかくオレには、あのジュエルが必要なんだよ」

「けち。でもそんなに必要なら、私も協力してあげようか?ジュエル探し」

「は………、協力?本気で言ってるのか?それ……足手まといにならなきゃ良いけどな」

「なにおう!!…でも協力するには一つ条件がある」

「何だ?」

「私の従兄弟と合流するまで、私を守って」

「お前を………?」

「だってジュエル持ってるし強そうなんだもん」

「あのなぁ…」

少年は顔を引きつらせながら答えた。



リュウは落ちた先に続いていた通路を歩いていた。

「全く…だからオレも右、つったのに……あれ?」


ポチッ


どうやら彼は知らない間に足元のスイッチを踏んでいたらしい。

すると……

「な、何だこれ…壁が崩れて…………っ!?」

スイッチを踏んだ直後両側の壁が揺れ、音を立てて崩れてゆく。

「うわぁぁぁぁぁ!!」

一しきり崩れ去った後彼が目を開けると、そこには綺麗な泉と一人の人影があった。

「ここは………泉?つかそこに居るの誰だ……ゴホッ」

「あら………まさかこんな事になるなんて。せっかく此処に落ちた客のクリスタルを集めてたいのに……」

「ナビ!?出口で待ってたんじゃ……?」

「ふふ。そう、ナビというのは仮の姿。その正体は……!」

そして彼女は、フリルのマントを翻した―――!!



「その正体は―――」

彼女がそういった瞬間、突然爆発音が鳴り響いた。

「どりゃあああああああ!!!!」

「…………誰だ?」

少年が訝しがる。

「リュウ!?………良かった、無事みたいで」

砕け散った瓦礫の中からボロボロのレイが起き上がる。

「全然無事じゃねぇよ!あ、隣にいるやつ……まさか!」

「あぁ………初めまして?そいつがお前の連れか?」

「うん」

「しっかしよくそんな所から……あ、レイ!あとでアイスおごれよ」

「何で?」

「お前が右に行ったせいだ!あぁ怖かった………」

「は?」

首を傾げるレイ。


変な間が開いた。

「………ちょっとぉ!私の出番をどうしてくれるのよ!」

「あれ?さっきのナビさん?」

「そうよ……せっかく私の真の姿を見せる時が来たのに、もう良いわ!本気出してあげる!」

そう言うなり、フィナは攻撃を仕掛けた。

「えっえっ、ちょ………」

「まずいな……これは想定外だった」

少年は冷静に言う。

「何分析してるのさ!!え~いもう!リュウ、何とかして!!」

「はぁ!?オレが?どうして」

「たまにはリュウも良い所見せてよ!その隙にあたしは……逃げる!!じゃ、後は頼んだ!」

「あ、あいつぅ……絶対許さねぇ!風<ウィンド>!」

リュウの指先から風球が出てきた。それを連続してフィナの足元に放つ。

「ふ、なめた事してくれるわね……!!なら手加減無しよ!行きなさい、水分身<アクアドッペル>!」

突然、彼女の水分身が現れる。

流石に彼も危険を察したのか、

「やべぇ!こんなに数が多けりゃ負ける……逃げよ!!」

襲い来る水の猛撃に絶えながら、2人の後を追った。



リュウが二人を追いかけた先に、ガラスの様な水の幕が張られていた。

そこにレイと少年が居たが、二人共幕を破る事が出来ずに立ち往生していた。

何とか力ずくで進もうとするが、強い水の波動によって阻まれる為、先に進めないのだ。

しかし、その間も刻々とフィナは接近しつつあった。

「先に進めねぇのか…一体どうすりゃいいんだよ!!」

リュウが悔しそうに地面を蹴りつける。

「解らない……ただ、アイツがなかなか只者じゃないって事だけは言える…」

「だから冷静に状況観察すんなってー!!!」

「………で、どうするんだよ?」

リュウが聞く。

むやみに引き返そうとしても、元来た道は崩れている為むしろ危険である。

もしまた罠にかかればそれこそ相手の思う壺だ。

特にいい案も浮かばず、3人は武器で水の幕を壊そうと試みた。

「出でよ、スターソード!」

「出でよ、アクアリボルバー」

「出でよ、ジェイドソード!」

3人は早速武器を構え、何かしら技を繰り出してみる。

風車ウィンドミル!」

潮衝リップタイド!」

疾風斬シルフブレイド!」

しかし、幕はビクともしない。

「う~ん………何かヒミツでもあるのかなぁ?」

「それか、もっと強い魔術を使うべき…とか」

「これだけ作戦練ってるのに、どうして壊せないんだ!もう考えるだけで頭がパンクしそうだぜ……」

すると3人の背後から濁流が勢いよく飛び出した。

「!?」

3人は必死で逃げようとするも、水が足に絡み、上手く進めない。

やがて水中に引きずり込まれ、身動きが取れなくなってしまう。

おまけに水量が頭を越え天井まで届き、息まで出来なくなってしまう。

「息が……くっ!」

「まずい……息がもたな………ごぼっ」

「う~んがぼぼぼぼ……」

「どう、これで私の怖さを思い知ったかしら!?観念なさい!」

水分身と化したフィナは執拗に3人を追い、終いには濁流と一体化し、茶色い竜となっていた。

その後も3人は水の中でもがいていたが…

「ん?」

少年の目に排水溝が映った。

(これだ!!)

少年が名案を思いついた。

「がぼっ……おい!ぶだりども、ずごじがまんじろよ!」

「いっだい、ぼぼっ……なんなのざぁ………??」

激流弾ハイドロキャノン!!!」

少年が放った魔術は水中から竜の喉目掛けて撃ち込まれた。

竜が排水溝に向かって押し出される。

「………!!!一体、私に何を………!?」

「……ふん、答えは自分の胸に聞いてみろ!!」

場が一瞬凍りついた。

その瞬間、竜の体は排水溝から外に出され、水の流れとなって地に滴り、呼吸が出来るようになった。

「……センス無いね」

「悪かったな!って………もう喋れるのか」

すると足元にピースが2個落ちており、レイがそれを拾う。

「よぉし、やっとココから脱出できるね!」

3人は歓喜に包まれ、出口へと走り出していった――――。



4つのピースが揃い、3人は夢中で走った。

やがて出口が見え、そこに心配そうな係員が待ち構えている。

「あっ………君達、もしかしてこの迷宮をクリアできたの?」

「そうですけど、何か?」

「いや…私は先日この迷宮に配属されたんだけど、誰もこの迷宮をクリア出来ないらしくて」

「クリアできない!?」

レイが驚く。

「なんでも……この迷宮に入った人たちは途中で会った人によって落とし穴の中に突き落とされたとか」

「オレも落ちたぞ!」

すかさずリュウが訴える。

「そんな!この迷宮は落とし穴なんて作って無いはずよ。小学生でも楽しめるようにおばけになった係員が出るように造られてて……だから皆がクリア出来ないなんてはずは無いんだけど…」

「それってつまり―――」

レイと少年が考え込む。

「まさか、ナビは本物の幽霊……?」

「ぎゃああああ!!!」

「ナビ?誰なのそれは?」

「やっぱり……この迷宮に入ってから途中で会ったんです。受付で紹介された、ナビのフィナって人に」

「そいつに酷い目に遭わされたんだぜ!」

「まぁ……お客様が途中でリタイアしたのはその人が原因なの!?じゃあ急いで館内を調査しなきゃ!」

「あ、あれ…?このピースは?」

リュウが慌てて聞く。

「あぁ、それは4つ並べるとジュエルの在り処が示された地図になるの。その場所に行けばきっと見つかると思うわ」

「そっか!じゃあ今度はそこに行けばいいんだね!!」

「じゃあ私は中を調べてくるから、キミ達は他の場所を回ってて。くれぐれも気をつけるのよ?」

「はぁ~い」

元気の良い返事を返す。

その後館の外には「閉鎖中」と書かれた看板が貼り出された。



ひとまず広場に出た3人は地図の場所へと向かおうとしたが、辺りは既に薄暗くなっていた。

「もう暗くなってきたし、ジュエル探しは明日にしよっか」

「分かった。その地図はお前達が持ってていいから、明日の昼ここに集合な」

「あ~お腹空いた!じゃあ帰ろうぜ、レイ」

「うん。じゃあ明日の昼、この広場でね!」

3人は帰路へと着いた。



翌日2人はレフュージアランドへ行こうとしたが、突然祖母に呼び出された。

「二人とも来なさい。ちょっとお話があるの」

「何?お婆ちゃん」

「なんか用事でもあった?」

「あのね、二人共。昨日は大目に見て二人が遊園地に行くの許したけど、何で二日もそこに行く必要があるの?」

「ええっとぉ~………」

「それはぁ………」

2人はたじろいだ。

「どうしたの?理由もないのに何度も貴方達だけで行かせる訳には行きません!」

「なんで?昨日は何も言わなかったじゃん!!」

「それでもね、レイちゃん。遊園地はお金がかかるでしょう?うちはそう何度も遊園地に行けるほど裕福じゃないの。遊ぶにしても、みんなで近くの公園で遊べば良いでしょう?そっちの方が十分楽しいと思うわ。ね?また今度にしましょう」

「駄目なの!今日じゃなきゃ」

「今日じゃなきゃ?」

「あの、今日じゃなきゃ、バルーンショーが見られないんだ!」

たじろぐレイの隣でリュウが嘘をつき、フォローした。

「昨日レイがバルーンショーの宣伝見て、『これが見たい』って言ったんだ。

オレもホントは楽しみにしてたんだ!でもそのバルーンショーは今日の昼しかやらないから、今日じゃなきゃ駄目なんだ!!」

「まぁ……そんな理由だったら早く言えば良いのに。ほら、お小遣いあげるから、楽しんで来なさい」

「え……いいの…??」

「もちろん。その代わり帰ってきたらお婆ちゃんにも何があったかお話する事。良い?」

「怒らないの……??」

「怒らないわよ。さあ、早く行きなさい。ショーが始まっちゃうでしょう?気を付けて行きなさいね」

「………うん!!」

2人はそう言った後、地図を持ってレフュージアランドへと駆けていった。


「ありがとう…おばあちゃん!」



「――遅かったな」

広場に着くと、一人静かに待つ少年が居た。

「ごめんごめん、家族に引き止められちゃってさ」

「さっさと行くぞ」

「はいはーい」


「係員は……と、居たぁ!」

「よおっし、聞き込み開始ぃ!!」

3人は係員に近付いた。

「どうしたの?迷子?」

「迷子じゃないです。一つ頼みたい事があって………」

「頼みたい事?何かな」

「この地図に載ってる英語を読んで欲しいんだけど……」

リュウが昨日完成させた地図を指差す。

その中に赤い×印があり、その横にローマ字で「Speneru’s Room」と書かれていた。

「ふむふむ……、これは『スピネルズ・ルーム』って読むんじゃないかい?」

「スピネル?誰それ?」

レイが聞く。

「ジュエルを持ってる人じゃないのか?」

「ジュエル!?どうしてそれを………」

「え?」

3人は口を揃えて驚いた。

「キミ達………もしかして今からそこに行こうとしているのかい?止めといたほうが良いよ」

「どうして?」

「………とにかく、そこは行かない方が言い。暗くならない内に早くお家に帰りなさい」

「まだお昼ですけど!」

レイがすかさず反論する。

「あと、その地図は見つからないようにね。じゃあ僕はこれで」



「そんなに行かせたくないなら何で地図を取り上げないんだ?」

「そこに何があるのか、係員達が知ってるのかもな」

「よく分かんないけど……行ってみようよ!!」

「もちろん」と2人も頷いた。

そして3人は不安と期待を胸に、地図に書かれた場所に向かって歩を進めた。



どうやら件の場所は湖の畔にある様だ。

そこは誰も立ち寄らず、植物がうっそうと生い茂っていた。

小鳥のさえずりが響き、人の手が届かない自然に囲まれた湖畔。

まるでジャングルのような土地を、3人は歩いた。

「まだ~?」

「あと少しで着くからもう少し待ってろ」

「なんかワクワクするぜ」

やがて草むらは石畳で整備された道に変わり、その先に神殿が建っていた。

その神殿は巨大であるにも関わらず、誰の手も施されていない廃墟のようだった。

怪しげな雰囲気の神殿の前に3人が立つと、何者かの声が響いた。


「汝ら、何者だ?」

「な、誰か喋った?!」

「お前こそ誰だ!!名を名乗れ!!」

「我が名はスピネル。宝石を守る番人だ」

「もしかして……その神殿の中には『ジュエル』があるんじゃないのか?」

「貴様達、宝石が目当てなのか…しかし、これを持つ者には相応の資格が無くては渡せぬ』

「資格……?地図を見つけただけじゃダメなのか?」

「当然だ。この宝石は強大な魔力を持つ。だからこそ力を得る資格が無くてはならぬ」

「強大な……魔力?」

レイが首をひねる。

「汝らがこの地を見つけた事は褒めてやろう。だが汝ら子供に宝石を持つ資格があるのか?」

「ちっ、面倒なことになったな………」

少年が舌打ちする。

「子供だからって馬鹿にしないでよ、私達にだってやれる事はある!!」

「ほぉ……ならばもし汝ら3人で我を屈服させることが出来れば、その資格を認め、この宝石を授けよう―――覚悟は良いか!」

「もちろん!!」

「…ってお前、勝機はあるのか?」

「まぁ、なんとかなるって!」

(こいつら、不安過ぎる……)彼はそう思ったが口には出さなかった。

そうして3人は無謀な戦いに挑むのだった。



「出でよ!!」

異次元から各自の武器が現れ、3人はそれを構えた。

「くくく……そんな武器で我に勝てると思うか」

「行くぞ!」

「臨むところだ!」

「片付けてやるぜ!」

気勢を上げるのと同時に、3人はそれぞれスピネルを取り囲むように駆け出す。

同時にスピネルも両手を空にかざした。

「宝石の力、思い知るが良い!!!」

その瞬間、スピネルの手から凄まじい竜巻が繰り出され、正面の少年に襲いかかる。

彼もまた、竜巻を避けるのに必死だった。

「…………っし」

竜巻を避け、再度スピネルに向かって切り込みに行く少年。

しかし、彼の背後には先程避けきったはずの竜巻が渦巻いていた。

振り向くなり、少年は体勢を崩してしまう。

「なっ……!?」

「危ないっ!!」

すかさずレイが飛び込む。

竜巻トルネード!!」

彼女の剣の先からもう一つの竜巻が生まれ、竜巻にぶつかって強い風圧を生む。

それでも勢いは止まらなかったが、間一髪で風向きが変わり、少年は難を逃れた。

「助かった…恩に着る」

「そんな事より、前見て!!」

未だ竜巻の勢いは衰えず、今度は標的をリュウに変更した。

「我より放たれしその竜巻は標的を追い、かつ標的を変えられる」

「という事は……」

「リュウが危ない?!」

「逃げろ!!」

非常事態に気付き、慌ててリュウに注意を促すレイ。

しかし彼女が気づいた時には既に手遅れだった。

「わぁぁぁぁ………」

「リュウ!!」

竜巻に巻き上げられるリュウ、叫ぶレイ。

「待ってろ、今行く!水球弾スプラッシュ!!」

少年の拳銃から水流を纏った弾丸が打ち出され、竜巻を切り裂くいた。

やがて竜巻は消え、空からリュウが落ちてくる。

微風ブリーズ!」

レイのそよ風がリュウを受け止め、彼は地面に着地した。

しかし――

「……………………」

「大丈夫……?」

心配するレイをよそに、リュウの様子に異変を感じた少年が叫んだ。

「後ろ!!」

「え!?」

黙っていたリュウは突然怪しい笑みを浮かべ、レイに斬りかかった。

「!!」

レイは振り向きざまに剣を構え、斬撃をガードした。

「くくくくく………」

リュウの顔に張り付いた怪しい笑み。

ようやく彼女もその異変に気が付いた。

彼の剣から滲み出る風が黒いのだ。

「あんた………リュウじゃないね…??」

「くくく、そうだ」

「お前は宝石の番人!?そうか、そいつの体を乗っ取ったのか」

「察しが良いな、正しくその通りだ。この体ではまともに攻撃出来ぬだろう?」

「く………卑怯な真似しやがって!許さない!!」

激怒したレイはリュウに斬りかかろうとするが…

「おい!!それは従兄弟の体なんだろ!?」

「そう、これはお前の従兄弟の体だ。怪我をさせても良いのか?」

スピネルが嘲笑混じりに言う。

「そりゃ……そりゃそうだけど!」

レルは半泣きの状態で答える。

「だったら攻撃するな。絶対にだ!」

「けど、リュウを取り返すには、どうすれば……」

案は無い。すると少年がある事に気付いた。

「ん?番人がそいつを乗っ取ったって事は、本体のガードはガラ空き………」

「そっか!この隙に本体を倒せば良いんだ!」

「俺が力を貸す。お前は先に行け!!」

「分かった!やってみる!!」

彼女はふっ切れたように叫ぶと、スピネルの本体に向かって駆け出し、力いっぱい飛び上がって剣を振りかぶった。

「む……我とした事が」

レイの後を追いつつ、少年はスピネルにこう言った。

「自分の力を過信したのが運のツキだったな」

「くっ……こんな子供ごときに!」

「これで、とどめだぁ!!」

少年が援護射撃し、レイは剣を一振り、スピネルに向ける。

深海暴風タイダルストリーム!!!』

その魔術が発動された後、辺りは沈黙に包まれた。


そこにはもう番人の姿は見当たらなかった。

「倒せた……の?」

「ああ………俺達が勝ったんだ」

「やったぁ!!」

レイは大喜びした。するとリュウが目を覚ます。

「んん………オレは一体……?」

「リュウ!目が覚めたんだね!!よかったぁ」

ほっと一息付くレイ。

しかし少年はその向こうに建つ神殿に向かって先に歩き出していた。

「誰かに先を越されたら困るからな。先に行くぞ」

「別に地図ならオレ達が持ってるんだし大丈夫じゃねぇか?」

「そうのんびりしてると横取りするぞ?」

「あー待て待て」

「ふふ………変なの」

「何か言ったか?」

「何でもない、行こう」


神殿の中は薄暗い廊下がずっと続いており、明かりが無いと先に進めない。

少年が持っていたマッチで足元を照らし、進んでゆく。

少ししてジュエルが祭られている祭壇に出た。

先程の薄暗い廊下とは打って変わって吹き抜けがあり、開放的な印象を感じさせる。

「これが……」

「噂の………」

「ジュエル…………?」

祭壇の中央に祭ってあったのは碧色に煌く宝石だった。

天井から漏れる光を乱反射して、虹色の淡い光が表面からこぼれる。

3人はしばらくその輝きに見とれ、言葉を失っていた。

「なんて………綺麗なんだろう」

「これは芸術品か?」

「――さて」

2人の言葉を遮り、少年が提案する。

「誰がこのジュエルを貰う?」

「そっか………一つしか無いもんね」

「3つに分けようぜ。魔術で三等分すれば……」

「それは出来ない」

「え?」2人が驚く。

「このジュエルはこの世に無い物質で出来てる。ダイヤモンドより硬すぎて、所有者の心がどうにかならない限りヒビを入れる事さえ出来ない」

「そんな……じゃあどうするの?」

「俺は……お前達に預けようと思う」

「へ?」リュウが聞き返す。

「俺とお前達がいずれ再会した時、運が良ければそれをもらいたい………無理か?」

「――良いよ」

「レイ!そんなにあっさりOKして良いのか?」

「構わないよ。あんたが居なけりゃ手に入らなかったと思うし」

「なら、交渉成立だな」

「じゃあリュウ……どっちの物にする?」



3人は神殿を出て、レフュージアランドの正面玄関に出た。

外は夕暮れ時で、セミがひっきりなしに泣いていた。

「色々ありがとう。あんたのおかげで助かった」

「それはこっちのセリフ………なんだろうな」

「まぁとにかく一件落着って事で……また会えたらいいな」

「ん、またな………あ。それ、大事にしとけよ」

「はいはい、じゃあね」

3人は別れを告げ、それぞれの帰路に着いた。



「やっぱ綺麗だな、それ……」

レイの手中のジュエルを見ながらリュウが感嘆をもらす。

「にしても私が年上だからってあんたがこれを譲るなんてね」

「悪いか!!」

「珍しいね……もしかして、照れてる?」

「ばっ………違っ!!!と、とにかく早く帰んぞ!!」

「ふふ………はいはい」

「リュウ君たち、おかえり~」

「遊園地どうだった?」

ルカとシアンが玄関で2人を出迎える。

「楽しかった!!」

皆の笑い声が聞こえる中、夕暮れの空に一番星が瞬いていた。



――運が良ければまたいつか……な………



そんな騒動が終わってから二日後。

「そういえばさ…」

「何だぁ?」

「私達ってあいつの名前聞いてなくない?」

「あいつの名前……って?」

「ほら、一昨日の」

「あぁ、あいつか。そういえば最後まで名乗ってねぇな」

「それを今思い出してさぁ……受付に名簿とか無いかな」

「無いだろ普通」

「そっかぁ…」

「にしてもおまえ本当ひどい事しまくったよな」

「え?いつ」

「洋館で二手に別れた後さ。おまえ右に行ったけど、左のルートとんでもなかったんだぞ?」

「うそ、だってあの時は公平にジャンケンで決めたんだから、今更言われても……」

「それでもオレはひどい目に遭ったんだぞ!?覚悟しろ!」

彼はレイにのしかかった。

「うっわ!重い!!重い重い重い………」



一方その頃。

「………そういえば、あいつらの名前聞き忘れたな。……ん?そういえば隣の小さいのが『レイ』とか叫んでたような」

ユキという名の少年は確信した。彼女の名前は「レイ」だと。

「そうか………これでジュエルの持ち主が一人確定したな」

(オレの蒼のジュエルとレイの碧のジュエル、それから他の地域に散らばった2つのジュエルが揃えば………)

彼はぶつぶつ独り言を呟いていた。


以上、「ロイヤルクリスタル」プロローグでした。

おかしな部分も多々あったとは思いますが、最後まで読んで下さりありがとうございました。

この後の話は本編「RoyalCrystal」へと続きます。

まだまだ未熟者ですが、末永く見守っていただけたらと思います。

どうぞよろしくお願いします。


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