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勇者の復讐  作者: 東井 タカヒロ
第一章 復讐の道のり
9/20

9話:円卓の騎士

騎士団本部の最奥。

そこは、選ばれた12人の英雄しか立ち入りを許されない聖域――『円卓の間』。

重厚な扉を蹴り開けると、円卓を囲んでいた視線が一斉に僕に突き刺さった。

「……何者だ、貴様」

「子供……? 警備は何をしている」

部屋に満ちているのは、先日会った騎士王にも劣らない濃密な魔力。

ここにいるのは全員が「一騎当千」。

王国の最高戦力、『円卓の騎士』たちだ。

僕は臆することなく、円卓の空席――まだ誰も座っていない13番目の席に足をかけた。

「ギルドから来た。あんたたちが管理してる『Sランク任務』、僕がもらう」

静寂。

そして、爆発的な殺気。

「……増長するなよ、新入り」

音もなく立ち上がったのは、緑色の鎧を纏った男。

『疾風』の異名を持つ、円卓序列7位、ゼフィル。

王国最速の槍使いとして知られる英雄だ。

「陛下のお気に入りか知らんが、我々の領域レベルに足を踏み入れるには、まだ100年早い」

ゼフィルの姿がブレた。

消えたのではない。速すぎるのだ。

音速を超えた刺突が、僕の眉間へと迫る。

(……挨拶代わりにしては、殺す気満々だな)

本来なら、反応すらできずに脳天を貫かれて終わりだ。

だが、今の僕には「世界が止まって」見える。

装備している『王家の短剣』による敏捷性+200の補正。

そして、復讐者としての動体視力。

僕はあくびを噛み殺しながら、迫りくる槍の穂先を――人差し指と親指で「摘んだ」。

キィィィィィィンッ!!

金属音が響き、衝撃波が円卓の間を駆け抜ける。

「な……ッ!?」

ゼフィルの動きが強制停止した。

必殺の槍が、たった二本の指で止められている現実に、彼の目が限界まで見開かれる。

「馬鹿な……!? 我が槍は音速だぞ……!?」

「遅いよ。止まって見えた」

僕は指に力を込める。

バキィッ!!

「う、嘘だろ……!?」

国宝級の魔槍が、飴細工のように砕け散った。

僕は破片を弾き飛ばし、呆然とする英雄たちを見渡した。

「これが円卓の実力か? 期待外れもいいところだ」

「き、貴様ァァァッ!!」

激昂した他の騎士たちが武器に手をかける。

だが、それを制したのは、上座に座っていた巨漢の男だった。

「やめろ。全員、殺されるぞ」

円卓序列1位。

『剣聖』ガラハド。

騎士王に次ぐ実力者が、冷や汗を流して僕を凝視している。

"誤解"

「なっ……筆頭がそこまで言うのか!?」

ガラハドの言葉に、騎士たちが息を呑む。

僕は肩をすくめた。

戦う手間が省けたようだ。

「……アレン、と言ったか。認めるしかないようだな」

ガラハドが重々しく頷き、一枚の羊皮紙をテーブルに滑らせた。

「持って行け。我々でも手を焼いていた『指定Sランク任務』だ。……失敗すれば死ぬぞ」

「死なないよ。魔王を殺すまでは」

僕は羊皮紙を掴み取り、踵を返した。

背後から、畏怖と驚嘆の囁きが聞こえてくる。

あのプライドの高い英雄たちが、たった一度の交錯で僕を「格上」だと認めたのだ。

部屋を出た瞬間、システムログが視界を埋め尽くす。

『クエスト達成:円卓への実力証明』

『称号獲得:円卓級の実力者アンオフィシャル

『報酬:Sランク指定任務の受注権』

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コード

【受注クエスト】

討伐対象:旧時代の遺跡の主(Sランク)

報酬:莫大な資金 / クラン設立権限

「……クラン設立権限?」

文字を見て、僕はニヤリと笑った。

ちょうどいい。

魔王軍との戦争になれば、個人の力だけでは限界が来る。

僕の手足となって動く「軍隊」が必要だと思っていたところだ。

「さて、稼ぎに行くとしますか」

僕は羊皮紙を握りしめ、冒険者ギルドへと戻る。

ここから先は、ただの討伐じゃない。

僕の「王国クラン」を作るための礎だ。

『現在のステータス』

Lv:65 → 68(実戦経験値により上昇)』

『評価:国内最強クラス』

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