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1話 手記(これは別に読まなくてもいい)
女神の涙に見立てた神酒を杯に満たしては祭壇に。
泣き止まぬ女神の首を斬った花の女神の代わりとなる薔薇と百合を祭壇に飾る。
飢えた愛しい人逹へ、甘い眼を与えすぎた女神の眼球を真珠に見立て飾る。
愛は目には見えないので生け贄の心臓を祭壇に捧げる。
これが、祈祷台に捧げる事が、これで何かが起こるものでもない。
しかし、人であれば。
悲母トランメディセインよ!
何故、私の愛する人が生け贄なのか。何故、私が祭壇なのかを教えてほしい。
愛する人だった生け贄を前にして、剣を握りしめた私の手が震えている。